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『鳴らさない鐘は鳴らない』
Vol.8 運命を変えた『ラスト サムライ』~撮影

 
2008/02/29

小山田真
1982年3月10日、岡山県生まれ。幼い頃からブルース・リーやジャッキー・チェンに憧れ、ハリウッドでアクションスターになる事を夢見る。高校卒業後、00年に周囲の反対を押し切って単身渡米。演技経験も英語力もゼロからスタートした。03年製作の『ラスト サムライ』で、渡辺謙演じる「勝元」の息子「信忠」役に抜擢され、これを好演して評価を受けたのちに、次々とハリウッド作品に出演する。06年春には自らの製作会社を立ち上げ、プロデュースにも携わる。07年11月には初プロデュース映画“Good Soil”が公開された。

 ハリウッドから小山田真です。

 先週につづいて『ラスト サムライ』の話をします。こうして書いているといろいろなことが想い出されて、懐かしいのと同時に、あらためてこの作品に出演できたことを幸せに思います。

初めてのファーストクラス

ニュージーランドのタラナキ山にて
ニュージーランドのタラナキ山にて
 いよいよ僕のハリウッド映画初出演作品となる『ラスト サムライ』がクランクインしました。

 撮影は、ニュージーランド、アメリカ、日本の3カ所で行われました。日本での撮影の時、初めてファーストクラスで飛行機に乗って感動しました。

 撮影期間が普通のハリウッド映画より長かったというのもあって、いろいろな方たちとお話しできて、とても勉強になりました。

「お前は俺の若い頃のようだ」

 トム・クルーズともたくさん話しました。

 話の内容は様々だったのですが、トムに「お前は俺の若い頃のようだ」と言われたのをよく覚えています。その他にも、彼が僕の年齢ぐらいの時に、ハリウッド映画業界で起こったこと、経験したことなど様々なエピソードを話してくれたり、今後ハリウッドでやっていくためのアドバイスをしてくれたりしました。
 僕にとってトムはこれからもずっと、ハリウッドで尊敬するひとりであり、目標でもあります。何か苦労がある度にトムのことを思い出して頑張っていきたいと思います。

 そのほか、スタッフの方たち、エキストラさんたち、日本の俳優さんたち、 イギリスからの俳優さんたちともたくさん話す機会があり、いろいろ勉強になりました。特にベテラン俳優の福本清三さんには多くの貴重な体験談やアドバイスを聞かせていただきました。

乗馬初体験で感じた不安とあせり

 『ラスト サムライ』を観た方は覚えていらっしゃるかもしれませんが、僕の役、信忠は流鏑馬(やぶさめ : 疾走する馬上から的に矢を射る、日本の伝統的な技術)の達人という設定でした。僕は過去に乗馬の経験は全くなかったので、これには苦労しました。

 乗馬の訓練にはいちばん多くの時間を費やしました。撮影が始まる数ヶ月前から練習を始めたのですが、クランクインしてからも、撮影の間を縫って数時間、藤井先生という流鏑馬の指導の方に乗馬の稽古と流鏑馬の基本稽古、そして弓道の稽古をつけてもらいました。

 果たして本当に撮影までの限られた時間内で流鏑馬をうまくこなすことができるのだろうかと不安も感じていました。
 撮影がなかった週末にも、先生と一緒に弓道の道場に行って一日中稽古をしていました。あせる気持ちに容赦なく、流鏑馬のシーンを撮影する日は刻々と近づいてきました。(来週につづく)


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