
ピーター・バート
米バラエティ誌 編集長。ウォール・ストリート・ジャーナル紙とニューヨーク・タイムス紙のレポーターを経て、1967年にパラマウント・ピクチャーズへ。『ゴッドファーザー』『ペーパー・ムーン』『ローズマリーの赤ちゃん』など数々の名作のプロデュースに関わり、77年、独自の製作会社を設立。そこで『郵便配達は二度ベルを鳴らす』などの作品をプロデュースする。MGM/UAの上席副社長を経て、89年よりバラエティ誌の編集長兼副社長を務める。
米バラエティ誌 編集長。ウォール・ストリート・ジャーナル紙とニューヨーク・タイムス紙のレポーターを経て、1967年にパラマウント・ピクチャーズへ。『ゴッドファーザー』『ペーパー・ムーン』『ローズマリーの赤ちゃん』など数々の名作のプロデュースに関わり、77年、独自の製作会社を設立。そこで『郵便配達は二度ベルを鳴らす』などの作品をプロデュースする。MGM/UAの上席副社長を経て、89年よりバラエティ誌の編集長兼副社長を務める。
ディズニーのローティーン・ビジネスは急成長

Anil Ambani
インドの億万長者Anil Ambaniとドリームワークスとの契約が、先週ハリウッドを賑わした。この契約はいまのところまだ詳細を詰めている段階だが、Reliance Big Entertainment of Indiaがドリームワークスに5億ドルを投資するという。さらに5億ドルの極度貸付を手に入れる手伝いもしてくれるそうだ。そうなればドリームワークスはパラマウントと離れて自由になれるし(この契約は経済的には成功だった)、インドの会社にとっては、ハリウッドであっという間に影響力を持つことができる。
ハリウッドの重要人物たちの意見は世代によって分かれる傾向にある。極端に単純化していうと、 “新旧対決”といったところか。
新:「この契約は業界のグローバリゼーションの象徴である。これからの世界各国との提携がハリウッドの成長に拍車をかける」
旧:「これまでにも多くの外国人がハリウッドに大金を投資してきたが、こういった冒険が上手く行ったためしがない。松下のMCA買収を見てみるといい。ポリグラムやヴィヴェンディ、Credit Lyonnaisもだ。ハワード・ストリンガー以前のソニーの数十億ドルの評価損の例だってある」
新:「ドリームワークスは資金と自治権を得て、この積極的な新パートナーたちと独創的な目的の達成を目指すだろう」
旧:「ドリームワークスはパラマウントとの提携でこれまでにない繁栄を達成した。パラマウントにとっても、最高に優れたマーケティングと企画開発のチームとなった(だから、留まるべきだ)。ドリームワークスはパラマウントと共に、これまでで最も良い企画を開発することができた(それもパラマウントに残るべきだ)」
つまるところ、ドリームワークスは自分の夢を追求し、大企業のしがらみから離れたいのだろう。老いも若きも、この新しい提携が一体どう転ぶかはわからない。
ハリウッドの重要人物たちの意見は世代によって分かれる傾向にある。極端に単純化していうと、 “新旧対決”といったところか。
新:「この契約は業界のグローバリゼーションの象徴である。これからの世界各国との提携がハリウッドの成長に拍車をかける」
旧:「これまでにも多くの外国人がハリウッドに大金を投資してきたが、こういった冒険が上手く行ったためしがない。松下のMCA買収を見てみるといい。ポリグラムやヴィヴェンディ、Credit Lyonnaisもだ。ハワード・ストリンガー以前のソニーの数十億ドルの評価損の例だってある」
新:「ドリームワークスは資金と自治権を得て、この積極的な新パートナーたちと独創的な目的の達成を目指すだろう」
旧:「ドリームワークスはパラマウントとの提携でこれまでにない繁栄を達成した。パラマウントにとっても、最高に優れたマーケティングと企画開発のチームとなった(だから、留まるべきだ)。ドリームワークスはパラマウントと共に、これまでで最も良い企画を開発することができた(それもパラマウントに残るべきだ)」
つまるところ、ドリームワークスは自分の夢を追求し、大企業のしがらみから離れたいのだろう。老いも若きも、この新しい提携が一体どう転ぶかはわからない。

マイリー・サイラス
ところで、“映画の神様”にとっては、世間がどう考えるかなどはどうでもいい。市場がどうなっているかだけが気になるところだ。
故ロディ・マクドウォールは私の親友だったが、彼が昔のMGMスタジオ(現ソニー)にあった学校の話をしていたのを思い出す。当時10代の“契約俳優”たちの1人だった彼は、エリザベス・テイラーの横の席に座っていた。スタジオはこういう若手俳優たちを “普通の学校”に行かせる時間も惜しんでいた。ロディが言うには、みんな、 “若い魔性の女”を装って、全身を飾り立てていたという。「スタジオは、男は男らしく見えるようにと言っていたが、女は恋愛の対象を演じるために身繕いさせられたんだ」と彼は私に話した。
先日デミ・ロヴァートの写真を見て、ロディのクラスメイトたちのことを考えた。デミはディズニーのマーケティング・マシーンによって作り上げられた15歳のテキサス出身の少女だ。初のソロ・アルバムを完成したばっかりで、同じく15歳のマイリー・サイラスの後に続くアイドルとして売り出されている。サイラス扮するアイドル “ハンナ・モンタナ”はコンサートツアーやメディアイベントなど、6530万ドルのビジネスを担っている。
ディズニーの “トウィーン”(ローティーン) 向け市場のスターたちは、ピカピカに清潔感がある。ディズニー・チャンネルのイメージに相応しいように、ということだ。しかし、シャープなイメージのデミはジーンズをはいて帽子をかぶり、サスペンダーをして、という出で立ちだから、ピカピカの清潔感という言葉の複雑さを考えさせられる。
ミス・サイラスは、今年の初め、裸にシーツを巻きつけただけという写真がVANITY FAIR (バニティ・フェア)誌に掲載され、ちょっとしたスキャンダルになった。もう1人のディズニーのスターである “High School Musical”のヴァネッサ・ハジェンズは、インターネットにヌードを掲載された。両ケースとも、もちろん平謝りだった。バニティ・フェアは、「雑誌販売のため」ミス・サイラスの写真撮影を巧みに操った、とディズニーのスポークスマンが言った(その直後、いくつかのウェブサイトが、下着姿のマイリー・サイラスのセルフポートレートを含め、少女たちがレースの下着姿で写っている世界中のディズニーの広告を掲載した)。
ディズニーが護りに入るのもよくわかる。「ハンナ・モンタナ」の番組は、毎週平均240万人が見ている。この子役スターの帝国は、コンサートツアーやディズニー・チャンネル、映画、CD、その他のイベントなどを抱えているのだ。
今週のウォール・ストリート・ジャーナルの記事によると、ティーン・スターの候補者を選ぶには、試写やマーケット・テストなど、詳細な過程を経なければならないそうだ。ディズニーの重役は、子どもたちをとりこにするために、これまで長い間、たくさんの子どもタレントを育ててきたことを強調する。ジャスティン・ティンバーレイクやクリスティーナ・アギレラ、ケリー・ラッセルなどもそこから育ってきたのだ。
たまには、ブリトニー・スピアーズの様に、出来上がったものが必ずしも育てた者たちの思い通りにならなかったケースもある。ヒラリー・ダフにいたっては、金にまつわる揉め事で会社との関係を断ち切らなければならなかった。
「年齢の問題があるので、こういったタレントたちを溜め込んでおくわけにはいきません。ですから、また新たに探さなければならないし、番組に添ったタレントでないとだめなのです」とディズニー・チャンネル・ワールドワイドのエンタテインメント部門のプレジデント、ゲイリー・マーシュは同紙に語っている。
故ロディ・マクドウォールは私の親友だったが、彼が昔のMGMスタジオ(現ソニー)にあった学校の話をしていたのを思い出す。当時10代の“契約俳優”たちの1人だった彼は、エリザベス・テイラーの横の席に座っていた。スタジオはこういう若手俳優たちを “普通の学校”に行かせる時間も惜しんでいた。ロディが言うには、みんな、 “若い魔性の女”を装って、全身を飾り立てていたという。「スタジオは、男は男らしく見えるようにと言っていたが、女は恋愛の対象を演じるために身繕いさせられたんだ」と彼は私に話した。
先日デミ・ロヴァートの写真を見て、ロディのクラスメイトたちのことを考えた。デミはディズニーのマーケティング・マシーンによって作り上げられた15歳のテキサス出身の少女だ。初のソロ・アルバムを完成したばっかりで、同じく15歳のマイリー・サイラスの後に続くアイドルとして売り出されている。サイラス扮するアイドル “ハンナ・モンタナ”はコンサートツアーやメディアイベントなど、6530万ドルのビジネスを担っている。
ディズニーの “トウィーン”(ローティーン) 向け市場のスターたちは、ピカピカに清潔感がある。ディズニー・チャンネルのイメージに相応しいように、ということだ。しかし、シャープなイメージのデミはジーンズをはいて帽子をかぶり、サスペンダーをして、という出で立ちだから、ピカピカの清潔感という言葉の複雑さを考えさせられる。
ミス・サイラスは、今年の初め、裸にシーツを巻きつけただけという写真がVANITY FAIR (バニティ・フェア)誌に掲載され、ちょっとしたスキャンダルになった。もう1人のディズニーのスターである “High School Musical”のヴァネッサ・ハジェンズは、インターネットにヌードを掲載された。両ケースとも、もちろん平謝りだった。バニティ・フェアは、「雑誌販売のため」ミス・サイラスの写真撮影を巧みに操った、とディズニーのスポークスマンが言った(その直後、いくつかのウェブサイトが、下着姿のマイリー・サイラスのセルフポートレートを含め、少女たちがレースの下着姿で写っている世界中のディズニーの広告を掲載した)。
ディズニーが護りに入るのもよくわかる。「ハンナ・モンタナ」の番組は、毎週平均240万人が見ている。この子役スターの帝国は、コンサートツアーやディズニー・チャンネル、映画、CD、その他のイベントなどを抱えているのだ。
今週のウォール・ストリート・ジャーナルの記事によると、ティーン・スターの候補者を選ぶには、試写やマーケット・テストなど、詳細な過程を経なければならないそうだ。ディズニーの重役は、子どもたちをとりこにするために、これまで長い間、たくさんの子どもタレントを育ててきたことを強調する。ジャスティン・ティンバーレイクやクリスティーナ・アギレラ、ケリー・ラッセルなどもそこから育ってきたのだ。
たまには、ブリトニー・スピアーズの様に、出来上がったものが必ずしも育てた者たちの思い通りにならなかったケースもある。ヒラリー・ダフにいたっては、金にまつわる揉め事で会社との関係を断ち切らなければならなかった。
「年齢の問題があるので、こういったタレントたちを溜め込んでおくわけにはいきません。ですから、また新たに探さなければならないし、番組に添ったタレントでないとだめなのです」とディズニー・チャンネル・ワールドワイドのエンタテインメント部門のプレジデント、ゲイリー・マーシュは同紙に語っている。

ジョナス・ブラザーズ
これは大変な投資でもある。ミス・ロヴァートが出演している “Camp Rock”という番組がディズニー・チャンネルで始まり、その後、ABCネットワークとABCファミリーチャンネルを回っている。そして、すでにチケットが売り切れになっているジョナス・ブラザーズのサマーツアーに参加する。ジョナス・ブラザーズもトウィーン・ビジネスの商品の1つだ。
ジョナス兄弟はまさにティーンといった風貌。もしいまだに学校に行っているなら、きっとミス・ロバートやミス・サイラスたちをデートに誘うことで頭が一杯だったことだろう。この女の子たちは、ロディ・マクドウォールのクラスメートだった女の子たちにちょっと似ているのだから。
ショーマンシップを称賛していたロディは、マイリーとデミのキャリアの裏にある驚くべき “製造過程”を知ったら、大いに感心することだろう。可愛そうにロディといえば、『わが谷は緑なりき』や『猿の惑星』といった映画の中の素晴らしい役どころを与えられただけだったのだ。
ジョナス兄弟はまさにティーンといった風貌。もしいまだに学校に行っているなら、きっとミス・ロバートやミス・サイラスたちをデートに誘うことで頭が一杯だったことだろう。この女の子たちは、ロディ・マクドウォールのクラスメートだった女の子たちにちょっと似ているのだから。
ショーマンシップを称賛していたロディは、マイリーとデミのキャリアの裏にある驚くべき “製造過程”を知ったら、大いに感心することだろう。可愛そうにロディといえば、『わが谷は緑なりき』や『猿の惑星』といった映画の中の素晴らしい役どころを与えられただけだったのだ。






















