
ピーター・バート
米バラエティ誌 編集長。ウォール・ストリート・ジャーナル紙とニューヨーク・タイムス紙のレポーターを経て、1967年にパラマウント・ピクチャーズへ。『ゴッドファーザー』『ペーパー・ムーン』『ローズマリーの赤ちゃん』など数々の名作のプロデュースに関わり、77年、独自の製作会社を設立。そこで『郵便配達は二度ベルを鳴らす』などの作品をプロデュースする。MGM/UAの上席副社長を経て、89年よりバラエティ誌の編集長兼副社長を務める。
米バラエティ誌 編集長。ウォール・ストリート・ジャーナル紙とニューヨーク・タイムス紙のレポーターを経て、1967年にパラマウント・ピクチャーズへ。『ゴッドファーザー』『ペーパー・ムーン』『ローズマリーの赤ちゃん』など数々の名作のプロデュースに関わり、77年、独自の製作会社を設立。そこで『郵便配達は二度ベルを鳴らす』などの作品をプロデュースする。MGM/UAの上席副社長を経て、89年よりバラエティ誌の編集長兼副社長を務める。

カリフォルニア州知事アーノルド・シュワルツェネッガー
カリフォルニア州知事アーノルド・シュワルツェネッガーの盛大な誕生日パーティーが準備されている。彼の61歳を祝うためと、当然のことながら資金集めも兼ねている。このイベントは、どこにでも姿を現すリック・カルーソが主催しているのだが、これをきっかけに、アーノルドのことを考えさせられた。というよりも、なぜ私はアーノルドのことを滅多に考えないのだろう、と考えさせられた。
どういう意味か説明しよう。シュワルツェネッガーは注目と論議のドラムロールの中、権力の座に着いた。ただの知事候補ではなく、彼はムービースターだったのだ。しかも、地味なレーガン・タイプのスターではなく、外国生まれのアクション・アンドロイドで性格も短気、その上、面白いことにケネディ家の親戚でもある。
5年前、シュワルツェネッガーが“即位”した時には政治システム全体への非難の様に思われた。カリフォルニアはまたしても現行体制に「ノー」と言っているのだ、と。有権者たちはもうただの政治家を求めているのではない、 “ターミネーター”(終止符を打つ者)を求めているのだ、と。
そして、このメロドラマの驚くべき結末はこうだ。あれほどの大騒ぎにも関わらず、シュワルツェネッガーは比較的退屈な知事だった。初期の環境計画があったにも関わらず、 “シュワルツェネッガー伝説”の幕開けを感じさせるような立法的功績の継承は見られない。マリア・シュライバーは相変わらず彼のことを信じて着いて行っているようだが、サクラメント周辺にケネディ家の様なオーラを感じることは出来ない。つまり、堂々としたスタイルや実質が一切ないのだ。
選挙運動中、アーノルドは名台詞の才能を見せ始めた。しかし、この2年間の在任中に行った演説や投げかけたメッセージには、記憶に残るものはほとんどない。大統領絡みの政治に至っても、彼は同じく全く面白みがない。マッケイン(共和党)をそこそこ承認しているようにも思われるが、絶対的な肩入れはしていないことは明らかだ(先週彼は、オバマ内閣(民主党)に地位を獲得する気があると表明したのだから)。
さらに、ハリウッドでこれほどトラブルが続いているにも関わらず、この“ターミネーター”は先週まで“労働問題”の解決について何の努力もしなかった。要請があれば仲裁すると言ったが、彼に “要請”する者は誰1人いない。本当のところ、彼はいかなる現実的な部分においても、奇妙なほどハリウッドと関係を持つのに躊躇しているように見える。
どういう意味か説明しよう。シュワルツェネッガーは注目と論議のドラムロールの中、権力の座に着いた。ただの知事候補ではなく、彼はムービースターだったのだ。しかも、地味なレーガン・タイプのスターではなく、外国生まれのアクション・アンドロイドで性格も短気、その上、面白いことにケネディ家の親戚でもある。
5年前、シュワルツェネッガーが“即位”した時には政治システム全体への非難の様に思われた。カリフォルニアはまたしても現行体制に「ノー」と言っているのだ、と。有権者たちはもうただの政治家を求めているのではない、 “ターミネーター”(終止符を打つ者)を求めているのだ、と。
そして、このメロドラマの驚くべき結末はこうだ。あれほどの大騒ぎにも関わらず、シュワルツェネッガーは比較的退屈な知事だった。初期の環境計画があったにも関わらず、 “シュワルツェネッガー伝説”の幕開けを感じさせるような立法的功績の継承は見られない。マリア・シュライバーは相変わらず彼のことを信じて着いて行っているようだが、サクラメント周辺にケネディ家の様なオーラを感じることは出来ない。つまり、堂々としたスタイルや実質が一切ないのだ。
選挙運動中、アーノルドは名台詞の才能を見せ始めた。しかし、この2年間の在任中に行った演説や投げかけたメッセージには、記憶に残るものはほとんどない。大統領絡みの政治に至っても、彼は同じく全く面白みがない。マッケイン(共和党)をそこそこ承認しているようにも思われるが、絶対的な肩入れはしていないことは明らかだ(先週彼は、オバマ内閣(民主党)に地位を獲得する気があると表明したのだから)。
さらに、ハリウッドでこれほどトラブルが続いているにも関わらず、この“ターミネーター”は先週まで“労働問題”の解決について何の努力もしなかった。要請があれば仲裁すると言ったが、彼に “要請”する者は誰1人いない。本当のところ、彼はいかなる現実的な部分においても、奇妙なほどハリウッドと関係を持つのに躊躇しているように見える。

ケネディ家親族の妻マリア・シュライバーと
公正を期して言うと、シュワルツェネッガーは映画界では非常に幸運だったが、経済界では不運である。カリフォルニアの素晴らしい繁栄の時代は消え去り、赤字が不気味に迫ってきた。知事は保守的にならざるを得ず、彼自身でさえ提議するのが心苦しいような幾何学的削減をして謝罪していた。
もちろん、海沿いの邸宅が火事で燃えている時には、きちんと写真撮影の機会を儲けることは忘れない。彼は政治的指導者としての時間を享受するというよりは、むしろ映画のワンシーンに出演中といった感じがする。
言っておくが、彼は今でも自分が偶像的存在であることを楽しんでいる。事務所には、立派なガラスケースに入った『コナン・ザ・グレート』の剣が飾られている。側には、ウォホールによる巨大な妻のポートレート。そして会議室には、まるで自分の共和党のルーツを訪問者に示すかのように、レーガン(元米大統領)のブロンズ胸像が飾ってある。(葉巻を吸うレズビアンの民主党員をスタッフのチーフに任命したため、サクラメントの共和党仲間たちは動揺していたのだ)。
しかし関係者によると、アーノルドは時折、完全に退屈しているという。カリフォルニア州民も退屈している。結局のところ、ここは単なる州ではない。合衆国全体の12%の人口を持ち、西ヨーロッパのほとんどの国よりも強い経済を誇る国民国家カリフォルニアである。州民は変化を切望し、国の他の州のほとんどを嫌悪している、せっかちな人々である。
カリフォルニア州民たちは南部の人々のように福音主義でもなければ、テキサスの人々のように戦士でもない。多様性に対して寛容でもある。バーリンゲームやランチョ・クカモンガ(注:両方ともカリフォルニア州内の市。白人が7割以下で、少数民族が多く居住する地域)とハリウッドが共存できる場所なんて、他にどんなところがあるというのだ?
カリフォルニア人たちは裕福になることを望み、当てにならない人間でもある。だからこそ、知事が立候補を表明した瞬間、即ヒットとなった。(立候補の表明は人気テレビ・トークショー、「ジェイ・レノ・ショー」の出演中だった)。彼もまた、裕福で当てにならず、それ自体は究極のお手本だ。
たぶん、そのうち彼も復活することだろう。
ロサンゼルス・タイムス紙が先週書いていたように、州の予算承認の法的期限を2週間過ぎているが、知事はまだそこに意識を向けていない。シュワルツェネッガーは有権者たちに地球温暖化や禁煙運動の宣言をしていないだけでなく、実行可能な予算の取り決めへの努力も見せなければならない。
恐らくこれは日常的な仕事だ。テレビのインタビューはないだろう。しかし、これこそ知事の仕事なのだ。
今こそコナンの剣をケースから出して、救いの道を切り開けばいいのだ。
もちろん、海沿いの邸宅が火事で燃えている時には、きちんと写真撮影の機会を儲けることは忘れない。彼は政治的指導者としての時間を享受するというよりは、むしろ映画のワンシーンに出演中といった感じがする。
言っておくが、彼は今でも自分が偶像的存在であることを楽しんでいる。事務所には、立派なガラスケースに入った『コナン・ザ・グレート』の剣が飾られている。側には、ウォホールによる巨大な妻のポートレート。そして会議室には、まるで自分の共和党のルーツを訪問者に示すかのように、レーガン(元米大統領)のブロンズ胸像が飾ってある。(葉巻を吸うレズビアンの民主党員をスタッフのチーフに任命したため、サクラメントの共和党仲間たちは動揺していたのだ)。
しかし関係者によると、アーノルドは時折、完全に退屈しているという。カリフォルニア州民も退屈している。結局のところ、ここは単なる州ではない。合衆国全体の12%の人口を持ち、西ヨーロッパのほとんどの国よりも強い経済を誇る国民国家カリフォルニアである。州民は変化を切望し、国の他の州のほとんどを嫌悪している、せっかちな人々である。
カリフォルニア州民たちは南部の人々のように福音主義でもなければ、テキサスの人々のように戦士でもない。多様性に対して寛容でもある。バーリンゲームやランチョ・クカモンガ(注:両方ともカリフォルニア州内の市。白人が7割以下で、少数民族が多く居住する地域)とハリウッドが共存できる場所なんて、他にどんなところがあるというのだ?
カリフォルニア人たちは裕福になることを望み、当てにならない人間でもある。だからこそ、知事が立候補を表明した瞬間、即ヒットとなった。(立候補の表明は人気テレビ・トークショー、「ジェイ・レノ・ショー」の出演中だった)。彼もまた、裕福で当てにならず、それ自体は究極のお手本だ。
たぶん、そのうち彼も復活することだろう。
ロサンゼルス・タイムス紙が先週書いていたように、州の予算承認の法的期限を2週間過ぎているが、知事はまだそこに意識を向けていない。シュワルツェネッガーは有権者たちに地球温暖化や禁煙運動の宣言をしていないだけでなく、実行可能な予算の取り決めへの努力も見せなければならない。
恐らくこれは日常的な仕事だ。テレビのインタビューはないだろう。しかし、これこそ知事の仕事なのだ。
今こそコナンの剣をケースから出して、救いの道を切り開けばいいのだ。






















