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『ニュートンは林檎から エンタテインメント・コンテンツ業界への投資アプローチ』
第3回 サブプライムとエンタメ業界投資の密接な関係

 
2008/04/14

白井久也
1996年東京大学経済学部経営学科卒業後、数々の証券会社を経て、2005年5月にモルガン・スタンレー証券㈱に入社。コーポレート・クレジット部にてプリンシパル投資業務に従事。特に、メディア・エンタテインメント・コンテンツ業界とのネットワークを生かし、当該業種への幅広い投融資を検討・実行。今般、メディア・エンタテインメント・コンテンツ業界の分野に特化したブティック型の投資および金融サービスを提供するホワイト・ノーツ( http://www.whitenotes.jp)を設立。

昨今の投資環境と投資家の期待利回りについて

 最近よく耳にする「サブプライム」問題。

 一見、メディア・エンタテインメント・コンテンツ(MEC)業界とはあまり関連がないように思われるこの問題が、実は、投資環境においては少なからず影響を及ぼしている。例えば、資金提供者、すなわち投資家の投資に対するスタンスが保守的になった。現時点における投資スタンスの優先順位を簡単にいうと、

① 当面は「何もしない」
② 「投資する場合は、リスクが低くリターンが高いもの」

の2点に絞られているのではないか。

 そこで問題となるのは②。言葉だけ読むと、あまりにも当たり前すぎる。しかしながら、「リスクが低く、リターンが高いもの」など、この世の中に極めて限定的にしか存在しない。
 
 だからこそ、よりよい投資案件を求める競争環境が創り出され、その結果、「リスクが低く、リターンが高いもの」にたどり着くことはさらに難しくなる。そこで、投資家は少し視野を広げて、「リターンは低いが、リスクも低いもの」か「リスクは高いが、リターンも高いもの」に落ち着いていく。その中で、MEC業界に対し興味を持つ投資家には、後者の嗜好性を持つ方が多い。つまり、高リスク高リターンの嗜好性を持つ投資家からの資金を導入すればMEC業界の資金循環は保たれる。
 
 ところが、「サブプライム」問題の影響で、投資家が「①当面は何もしない」というスタンスを取り始めたため、資金を必要としている側と資金を提供する側(投資家)の需給バランスが崩れ始めてきた。つまり、高いリスクを取って高いリターンを追求してきた投資家が、わざわざ高いリスクを取らなくても高いリターンが得られるような買い手市場な環境になってきたということだ。この状況が一体どのくらい続くのかを判断するのは非常に難しいが、残念ながら、当面はMEC業界に対する投資家の見方は厳しいと予想される。
 
 このような一種の非常事態ではない環境であれば、通常は、MEC業界に対する投資は、「リスクは高いが、リターンも高いもの」の典型と思われる。「不確実性や不透明性が高い=リスクが高い」ということが原点にあり、その分だけ高いリターンが求められる。投資家や投資手法によっても様々であるが、弊社のヒアリングによると、MEC業界への資金供給には相応のリターンが求められている。

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