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VARIETY HISTORY
~バラエティ102年の歴史~

2007/11/01
〈トレンド・セッティング・シリーズ〉広告で「バラエティ」に読みふける名子役ダコタ・ファニング。
〈トレンド・セッティング・シリーズ〉広告で「バラエティ」に読みふける名子役ダコタ・ファニング。

04.ハリウッドにおける「バラエティ」

 昨年日本でも公開された『2番目のキス』(原題:Fever Pitch)という秀作コメディは、全編にボストン・レッドソックスをフィーチャーした、レッドソックスおたくの恋愛物語である。監督は『メリーに首ったけ』などのピーター&ボビー・ファレリー兄弟。このファレリ—兄弟の最新作“The Heartbreak Kid”のプレミアがハリウッドで行われ、我々「バラエティ・ジャパン」もレッドカーペットで取材した。

 アカデミー賞の中継などでわかるように、レッドカーペット脇にはおびただしい数のメディアが押しかけ、それぞれが必死に呼びかけを行い、セレブに立ち止まってもらうのが常だが、「Variety」とロゴの入ったマイクを持っていた我が取材班を見つけたファレリー兄弟は、「オー! アイ・ラブ・バラエティ!!」と叫びながら、向こうからこちらに近づいてきてくれたのだ。しかも一度は通り過ぎたものをわざわざ戻ってきてインタビューに応じてくれた。これ全て「バラエティ」の名前の威光によるものなのである。

 日本ではこれまであまり知られていなかった「バラエティ」。だが、きらびやかなハリウッドの映画業界人にとって、その名前はまるで誘蛾灯のように魅惑的な響きを持つ。

アカデミー賞の鍵を握る米「バラエティ」

「バラエティ」のハリウッドにおける影響力の大きさを最も実感するのは、アカデミー賞やゴールデングローブ賞、エミー賞などを控えた時期である。毎年その一年に公開され、各賞を狙う、錚々たるラインナップの映画やテレビドラマが、大衆に向けてではない広告を一斉に「バラエティ」誌に掲載する。
 揃って“ For Your Consideration”と銘打たれたそれらの広告は、 言うまでもなく、業界人・主に投票権を持つ協会員達に向かって放たれている。その作品をもう一度彼らに思い出させ、賞レースの俎上に乗せるための必死の呼びかけを「バラエティ」紙上で行うのだ。この時期には、同様の広告で「バラエティ」の厚さは普段の2倍から3倍に膨れあがる。

交流の場も「バラエティ」が提供

 また、「バラエティ」が一年を通じて行っている「バラエティ・スクリーニング・シリーズ」は、公開間近の映画の中から有力作品をピックアップして、購読者など業界向けに開催する試写会だ。上映後には作品の監督や出演者がステージに上がり、その場でインタビューや質疑応答が行われる。この試写会に訪れる「バラエティ」読者にはアカデミー賞やゴールデングローブ賞などの投票権を持つ業界人が多いため、その場は制作者サイドと、観る側の双方にメリットがある有益な場になっている。映画界内部と密接に関係している「バラエティ」だからこそ実現できる、シリーズ・イベントだと言える。

一流の映画人たちが登場する広告

 さらに、「バラエティ」の〈トレンド・セッティング・シリーズ〉と呼ばれる自社広告には、世界の映画界を代表する豪華な俳優陣やクリエイター達が登場し、思い思いのポーズで「バラエティ」を両手で広げてみせている。時代をリードする<トレンド・セッター=トレンドを創り出す人々>は「バラエティ」を読んでいる、という強烈なメッセージになっているのだが、長年の実績と、揺るぎないジャーナリズムによる信頼関係によって、この広告の趣旨に賛同した一流の映画人たちが快く出演している。


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“ For Your Consideration”と銘打たれた『ドリームガール』表紙号。
“ For Your Consideration”と銘打たれた『ドリームガール』表紙号。
〈トレンド・セッティング・シリーズ〉Ⅱ登場したフランク・シナトラ。
〈トレンド・セッティング・シリーズ〉Ⅱ登場したフランク・シナトラ。
〈トレンド・セッティング・シリーズ〉のフランシス・フォード・コッポラとロバート・デ・ニーロ。
〈トレンド・セッティング・シリーズ〉のフランシス・フォード・コッポラとロバート・デ・ニーロ。
〈トレンド・セッティング・シリーズ〉のメリー・スチュアート。
〈トレンド・セッティング・シリーズ〉のメリー・スチュアート。

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