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深作健太 
オトコの浪漫をかき立てるエンタテインメント漫画

2007/12/30

オトコ心漫画は断然「蒼天航路」

 昔から正月映画は大作揃いと決まっていたのに、今年はなんだか洋画も邦画もパッとしない、と部屋で寝正月をキメ込む僕自身のために、あえてオトコの浪漫をかき立てる大作エンタテインメント漫画を一挙紹介します。
 「蒼天航路」:大作オトコ心漫画といえば、なんといっても蒼天。ツライ時、何度読み返して泣いた事か。名啖呵の応酬、強烈な個性かつ地に足ついた生臭い登場人物達。子供の頃、熱中した横山版「三国志」から完全に親離れ出来ました。後半、「乱の華」を咲かせる錦馬超の孤高のテロリスト魂に泣け!
 「皇国の守護者」:実写化したい、でも絶対出来ない漫画第一位。かつての日本によく似た架空の国家「皇国」を舞台に、隣国「帝国」との侵略戦争に於ける最前線を活写した戦記ロマン。さしずめ主演は往年の仲代達矢か? あまりの面白さに原作小説まで読破。管理職や映画監督には効く苦境のリーダー論。惜しくも物語半ばで終了しましたが、乞う続編!

バトロワ好きだった貴方に

 「ぼくらの」:ポストEVA世代の代表作の一本でないの? 謎の巨大ロボットに乗り込み、散ってゆく14人の少年少女達の理不尽かつ壮絶な死に花。結局、日本人には昔から「生き花」より「死に花」が似合ってしまうんだなぁ。バトロワ好きだった貴方にもお薦めです。
 「GANTZ」:こんな痛烈な日本映画が観たいっ! なんて挑発してくるんだっ! なんて登場人物がリアルなんだっ! 普通の人々が、謎の宇宙人達と殺し合う極限バトル。その中では、友人や恋人を守ろうとするあたりまえの「正義」も、食欲や性欲と同レベル……いつも頁をめくる心が痛い。
 「ジョジョの奇妙な冒険」:かつてメジャーな娯楽大作揃いだったジャンプ勢にあって、唯一漫画を芸術の域にまで高めた異色作。まさか「ユリイカ」で増刊特集までされるとは。もはや説明不要。ジョジョ立ちやスタンドは、強烈なポーズや擬音と共にいつも僕の心の中に生きています。

  • 蒼天航路
    原案/李學仁
    漫画/王欣太
    講談社(全36巻)
  • 皇国の守護者
    原作/佐藤大輔
    漫画/伊藤悠
    集英社(全5巻)
  • ぼくらの
    鬼頭莫宏
    小学館(~7巻)
  • GANTZ
    奥浩哉
    集英社(~22巻)
  • ジョジョの奇妙な冒険
    荒木飛呂彦
    集英社(全63巻)

文:深作健太

映画プロデューサー。東京都生まれ。『バトル・ロワイアル』(00)でプロデュース・脚本家デビュー。『バトル・ロワイアルII【鎮魂歌〈レクイエム〉】』(03)では、撮影中に逝去した父・深作欣二の遺志を継ぎ、作品を完成させた。他の監督作は『同じ月を見ている』(05)など。最新作は『エクスクロス 魔境伝説』(07)。

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