なぜ今、アニメやマンガがハリウッド映画に?
今、ハリウッドで日本のアニメやマンガがベースとなった映画が立て続けに製作されている。7月5日に公開される『スピード・レーサー』はご存じの通り往年のアニメ「マッハGoGoGo」の実写版。また、2009年春に公開される『ドラゴンボール』も鳥山明原作のマンガをハリウッドで実写化したものだ。昨年公開されたマイケル・ベイ監督の『トランスフォーマー』はタカラのおもちゃが元となった。そのほか、これから「鉄腕アトム」のフルCGアニメ“Astro Boy”、「ガッチャマン」のフルCGアニメ、『AKIRA』の実写版、『攻殻機動隊』の3-D実写版など、続々と企画が進んでいる。
いったい、なぜ今、日本のアニメやマンガがハリウッドで注目されるようになったのか。ハリウッド業界の動き、アニメ&マンガ事情、またグラフィックノベルやコミック出版社の市場の動きを含めて分析する。
いったい、なぜ今、日本のアニメやマンガがハリウッドで注目されるようになったのか。ハリウッド業界の動き、アニメ&マンガ事情、またグラフィックノベルやコミック出版社の市場の動きを含めて分析する。

(C)2008 Warner Bros.Ent. All Rights Reserved
注:この記事では、「コミック」はアメリカやヨーロッパのコミックのことを指し、「マンガ」は日本のマンガを北米用に英訳したものと定義します。そのため、「コミック出版社」と「マンガ出版社」も別のものとして扱います。「コミック出版社」はアメコミやマンガ以外のグラフィックノベルを扱った出版社。「マンガの出版社」は英訳されたマンガを専門に扱った出版社のことになります。アメリカでは、マンガ出版は英訳作業が大切なので、マンガ専門の出版社が行うことがほとんどです。
また、「グラフィックノベル」とは、大人向けのコミックのことを指します。アメコミがヒーローの活躍などをテーマにしたものが多いのに対して、グラフィックノベルは、社会派や歴史ものなど大人向けのテーマの作品が多い。また、ほとんどがカラー刷りで、芸術性の高いカラー絵本のような形態をしています。英語では、「マンガ」もグラフィックノベルのジャンルに入りますが、この記事では、マンガ以外のものを「グラフィックノベル」と呼ぶことにします。
また、「グラフィックノベル」とは、大人向けのコミックのことを指します。アメコミがヒーローの活躍などをテーマにしたものが多いのに対して、グラフィックノベルは、社会派や歴史ものなど大人向けのテーマの作品が多い。また、ほとんどがカラー刷りで、芸術性の高いカラー絵本のような形態をしています。英語では、「マンガ」もグラフィックノベルのジャンルに入りますが、この記事では、マンガ以外のものを「グラフィックノベル」と呼ぶことにします。
スパイダーマンの成功で新たなヒーローを求めるハリウッド
「ハリウッドはお金の流れに沿って動いているんです」と語るのは、アニメーション暦20年、1967年イギリス生まれのベテランアニメーター、ジェームス・バクスター氏だ。 『美女と野獣』、『ライオン・キング』、『魔法にかけられて』などを手がけ、業界ではよく知られた存在だ。
「マーベル・コミック原作の『スパイダーマン』、『X-メン』などの大ヒットで、ハリウッドのプロデューサーたちは、アメコミに注目し始めました。でも、アメコミのヒーローは数が限られているので、新たなキャラクターを求めて日本のマンガやコミックに注目したのが大きな理由の一つでしょう」と、現在、アニメ、マンガ、コミックがハリウッドで次々と映画化されている現象について説明する。
「マーベル・コミック原作の『スパイダーマン』、『X-メン』などの大ヒットで、ハリウッドのプロデューサーたちは、アメコミに注目し始めました。でも、アメコミのヒーローは数が限られているので、新たなキャラクターを求めて日本のマンガやコミックに注目したのが大きな理由の一つでしょう」と、現在、アニメ、マンガ、コミックがハリウッドで次々と映画化されている現象について説明する。

ジェームス・バクスター氏
確かに、過去10年間の米国内興行収入トップ20を調べても、コミックが原作の映画が圧倒的に強い。コミック原作の映画で最もヒットした『スパイダーマン』は、世界興行収入が8億670万ドルにものぼる。
コミック原作の映画はこんなにヒットしている!
| タイトル | 米公開日 | 米興行収入 | 世界興行収入 |
| スパイダーマン | 2002 5月 | 4億370万ドル | 8億670万ドル |
| トランスフォーマー | 2007 7月 | 3億1870万ドル | 7億70万ドル |
| アイアンマン(公開中) | 2008 5月 | 2億9740万ドル | 5億4640万ドル |
| バットマン | 1989 6月 | 2億5120万ドル | 4億1320万ドル |

1960年代、日本とほぼ同時にアメリカでも放映された「鉄腕アトム」
(C)手塚プロダクション・虫プロダクション
(C)手塚プロダクション・虫プロダクション
「現在、ハリウッドの業界で仕事をしている監督やプロデューサーたちは、子どものころ、テレビで日本やアメリカのアニメを見て育った世代です。子どものころからずっと慣れ親しんできたアニメを映画にしたいと思うのも当然の流れでしょう。ちょうど今のトレンドと、その人たちの作りたいものとが合致したのも理由の一つだと思います」とも語る。
日本のマンガが一般のアメリカの少年少女たちに読まれるようになったのは2000年に入ってからだが、日本のアニメはすでに1960年代からアメリカの一般家庭で見られていた。60年代の「鉄腕アトム」、「スピード・レーサー」(日本では「マッハGoGoGo」)、70年代の「ガッチャマン」、80年代の「トランスフォーマー」など、日本のアニメはごく当たり前のようにアメリカ人の生活の中に浸透していた。そんな背景で育ったハリウッドの映画人たちが、真っ先に「トランスフォーマー」、「スピードレーサー」、「鉄腕アトム」、「ガッチャマン」などのアニメの映画化に乗り出したのもうなずける。
日本のマンガが一般のアメリカの少年少女たちに読まれるようになったのは2000年に入ってからだが、日本のアニメはすでに1960年代からアメリカの一般家庭で見られていた。60年代の「鉄腕アトム」、「スピード・レーサー」(日本では「マッハGoGoGo」)、70年代の「ガッチャマン」、80年代の「トランスフォーマー」など、日本のアニメはごく当たり前のようにアメリカ人の生活の中に浸透していた。そんな背景で育ったハリウッドの映画人たちが、真っ先に「トランスフォーマー」、「スピードレーサー」、「鉄腕アトム」、「ガッチャマン」などのアニメの映画化に乗り出したのもうなずける。































