自ら映画製作に乗り出すマンガやコミックの出版社
最近は新たな動きとして、コミックやマンガの出版社自らが映画の製作に乗り出すことが多くなった。つまり、自社の作品の映画化権を映画スタジオに売り渡さずに、独自で資金調達したり、キャスティングをしたりして、映画製作のプロセスに根底からかかわるのだ。

TOKYOPOPのオフィス
アメリカのマンガ出版界で常に革新的な役割を果たしてきたマンガ出版社のトウキョウポップ(TOKYOPOP)は、かなり前から自社作品の映画製作には力を入れていた。今年6月には、会社を出版と映画製作の2つに分け、現在TOKYOPOPのCEOスチュウアート・リービー氏は10本以上のメジャー映画とインディーズ作品をハリウッドで企画、製作中だ (ビデオ参照)。
今のところ、メジャーな映画になるマンガは、アメリカ人の作家がマンガ風のスタイルで描いた英語作品だ。しかし、インディーズ系の映画になる3作品のうち2作品『羊のうた』(Lament of the Lamb) と『一騎当千(いっきとうせん)』(Battle Vixens)(作:塩崎雄二)は、日本のマンガだ。
「羊のうた」は”Love Like Blood”というタイトルの3-D実写映画を想定しているそうで、リービー氏自身が製作、脚本を手がける。監督は、『HINOKIO』を監督し、『FINAL FANTASY』『河童』のVFXを担当した秋山貴彦。リービー自身も共同で監督する。主要キャストや投資家とは現在交渉中。撮影準備を秋に始め、来年の初めに撮影を開始を予定しているとのこと。また、『一騎当千』のほうは、出演者や監督に渡せるように、脚本の書き直しを行っている段階だという。
今のところ、メジャーな映画になるマンガは、アメリカ人の作家がマンガ風のスタイルで描いた英語作品だ。しかし、インディーズ系の映画になる3作品のうち2作品『羊のうた』(Lament of the Lamb) と『一騎当千(いっきとうせん)』(Battle Vixens)(作:塩崎雄二)は、日本のマンガだ。
「羊のうた」は”Love Like Blood”というタイトルの3-D実写映画を想定しているそうで、リービー氏自身が製作、脚本を手がける。監督は、『HINOKIO』を監督し、『FINAL FANTASY』『河童』のVFXを担当した秋山貴彦。リービー自身も共同で監督する。主要キャストや投資家とは現在交渉中。撮影準備を秋に始め、来年の初めに撮影を開始を予定しているとのこと。また、『一騎当千』のほうは、出演者や監督に渡せるように、脚本の書き直しを行っている段階だという。

アメリカ版「NARUTO -ナルト-」
NARUTO © 1999 by Masashi Kishimoto/SHUEISHA Inc.
NARUTO © 1999 by Masashi Kishimoto/SHUEISHA Inc.
また、アメリカでのマンガ出版社の最大手、ビズメディア(VIZ Media)も今年の4月から映画製作を目的としたVIZ Productionsを立ち上げた。その代表には、ドリームワークスで多くの映画をプロデュースしてきた映画製作畑出身のジェイソン・ホフス氏を迎えた。
まだスタートしたばかりだが、「理想を言えば来年あたりに2本ぐらい、再来年にはそれ以上の自社の出版マンガを実写映画にしたい。予算は4000万ドル以上のハリウッド大作を考えています」とその展望を語った。一方で、「映画スタジオは年間25本ほどの映画しか製作しませんから、その中に食い込むのは大変なことです」とその競争の激しさも指摘する。ビズは集英社、小学館、小プロの共同出資会社のため、「NARUTO-ナルト-」「BLEACH ブリーチ」など集英社や小学館の人気作品が多い。4月からスタッフ3人で始まったVIZ Productionsがどこまでの日本のマンガをハリウッドで実写映画化にしていけるか注目される。
まだスタートしたばかりだが、「理想を言えば来年あたりに2本ぐらい、再来年にはそれ以上の自社の出版マンガを実写映画にしたい。予算は4000万ドル以上のハリウッド大作を考えています」とその展望を語った。一方で、「映画スタジオは年間25本ほどの映画しか製作しませんから、その中に食い込むのは大変なことです」とその競争の激しさも指摘する。ビズは集英社、小学館、小プロの共同出資会社のため、「NARUTO-ナルト-」「BLEACH ブリーチ」など集英社や小学館の人気作品が多い。4月からスタッフ3人で始まったVIZ Productionsがどこまでの日本のマンガをハリウッドで実写映画化にしていけるか注目される。
出版社が映画業界に参入した一番の理由

『スパイダーマン3』は2007年の米国内興行収入で1位を獲得した
アメリカのマンガやコミックの出版社が映画製作にかかわるようになった背景には、マーベル・コミックの残念な前例がある。マーベルは「スパイダーマン」、「X-メン」、「ファンタスティック・フォー」の映画化権を映画スタジオに譲ったが、それぞれ大ヒットしたにもかかわらず、たいした利益を得られなかった。
「スパイダーマン」の全3シリーズの全世界の収益は(劇場興行収入、DVDセールズ、TV放映権を含む)全世界で30億ドルだったが、マーベルがそのうち得た収入は6200万ドルだった。また、『X-メン』全3シリーズの興行収入は米国内、海外あわせて20億ドルだったのに対して、マーベルはたったの2600万ドルだった。また、『ファンタスティック・フォー』の2作は米国内海外合わせて6億2400万ドルだったのに対し、マーベルは1300万ドルの収入しか得られなかった。
このように、コミック出版社自らが映画製作にかかわるようになった主な理由は金銭面だが、もう一つはTOKYOPOPのリービー氏が語るように、自社作品の魅力を損なわずに映画化したいという理由もある。
「多くの映画関係者がTOKYOPOPの出版物のライツを買えないかとアプローチしてきますが、たいていお断りしています。収入になるので、断るのは勇気がいりますが、そうやって買われた作品が、まったく日の目を見ないままお蔵入りになるケースが多いんです。それは作家にとって悲しいことです。そんな状況は初めから避けたほうが長い目で見ると賢明です」
「スパイダーマン」の全3シリーズの全世界の収益は(劇場興行収入、DVDセールズ、TV放映権を含む)全世界で30億ドルだったが、マーベルがそのうち得た収入は6200万ドルだった。また、『X-メン』全3シリーズの興行収入は米国内、海外あわせて20億ドルだったのに対して、マーベルはたったの2600万ドルだった。また、『ファンタスティック・フォー』の2作は米国内海外合わせて6億2400万ドルだったのに対し、マーベルは1300万ドルの収入しか得られなかった。
このように、コミック出版社自らが映画製作にかかわるようになった主な理由は金銭面だが、もう一つはTOKYOPOPのリービー氏が語るように、自社作品の魅力を損なわずに映画化したいという理由もある。
「多くの映画関係者がTOKYOPOPの出版物のライツを買えないかとアプローチしてきますが、たいていお断りしています。収入になるので、断るのは勇気がいりますが、そうやって買われた作品が、まったく日の目を見ないままお蔵入りになるケースが多いんです。それは作家にとって悲しいことです。そんな状況は初めから避けたほうが長い目で見ると賢明です」
マンガをハリウッド映画にするときの大きな課題

TOKYOPOP CEOスチュウアート・リービー氏
ところで、日本のマンガをハリウッドで映画化するときの一番の苦労は何だろう?
「一番のチャレンジは、マンガを映画の脚本に書き換えることです。マンガのほとんどが何巻も続いていますが、それを90分から120分ほどの映画の脚本にしなければならないのがかなりのチャレンジです」とリービー氏は自らの経験から話す。
「また、マンガの主人公はおとなしい性格のことが多く、こういった主人公を映画の主役にするのは難しいんです。アメリカの映画の観客は主人公にはもっと積極的に行動してもらいたいと思っているので」と、説明する。
また、VIZ Productionsのホフス氏は、「すでにファンがいる作品を映画化するときは、より幅広い観客層を探しつつ、同時にファンの期待を裏切らない作品にすることが大切」と語る。
マンガがハリウッドで注目されているのは確かだが、それを映画化していくのは簡単ではない。そのあたりを踏まえたうえで、作家と映画関係者の間を上手に仲介していく作業が今後最大の課題となっていくだろう。
ホフス氏も、「漫画家と、出版社と、映画業界との間に入り、漫画家が大切にしている世界観を上手に映画の中に盛り込めるよう、コミニュケーションを図っていくことが必要不可欠だと思います」と、今後の展望も含めて語った。
リービー氏も、「情熱があり、クリエイティブで、経験のあるプロデューサーの存在がとても大切になってきます」と、マンガを映画化する際にポイントを語った。
「一番のチャレンジは、マンガを映画の脚本に書き換えることです。マンガのほとんどが何巻も続いていますが、それを90分から120分ほどの映画の脚本にしなければならないのがかなりのチャレンジです」とリービー氏は自らの経験から話す。
「また、マンガの主人公はおとなしい性格のことが多く、こういった主人公を映画の主役にするのは難しいんです。アメリカの映画の観客は主人公にはもっと積極的に行動してもらいたいと思っているので」と、説明する。
また、VIZ Productionsのホフス氏は、「すでにファンがいる作品を映画化するときは、より幅広い観客層を探しつつ、同時にファンの期待を裏切らない作品にすることが大切」と語る。
マンガがハリウッドで注目されているのは確かだが、それを映画化していくのは簡単ではない。そのあたりを踏まえたうえで、作家と映画関係者の間を上手に仲介していく作業が今後最大の課題となっていくだろう。
ホフス氏も、「漫画家と、出版社と、映画業界との間に入り、漫画家が大切にしている世界観を上手に映画の中に盛り込めるよう、コミニュケーションを図っていくことが必要不可欠だと思います」と、今後の展望も含めて語った。
リービー氏も、「情熱があり、クリエイティブで、経験のあるプロデューサーの存在がとても大切になってきます」と、マンガを映画化する際にポイントを語った。
































