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アニメ映画にエコの風!? いよいよ『崖の上のポニョ』公開
時代は、ようやく宮崎駿に追いつきつつあるのか?

2008/06/30

環境破壊に警鐘を鳴らす、アニメ大作

『崖の上のポニョ』7月19日から全国東宝系にて日本公開。配給:東宝
『崖の上のポニョ』7月19日から全国東宝系にて日本公開。配給:東宝
 春休みや夏休み、依然強いのがアニメ映画。映画館は平日だろうが土日だろうが、人気アニメの上映時には子どもたちの賑やかな笑い声が常に響いている。だがそんなよくある風景にも、このところエコの波が押し寄せているのをご存知だろうか? 春休みに公開された『クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ金矛の勇者』、『映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝』など誰もが知る人気アニメも、それぞれテイストは大きく違えど、環境破壊に警鐘を鳴らす内容だった。昨年にさかのぼれば、多くの評論家も絶賛した『河童のクゥと夏休み』(名作!)も失われつつある日本の自然の素晴らしさを描くと共に、都会に生きる人間たちのエゴを浮き彫りにしてみせた。今、確実にアニメーション界はエコを見据え始めている。

 そしてこの夏、その真打ちとも言えるべき大作がいよいよ公開される。あの宮崎駿が4年ぶりに手がける『崖の上のポニョ』だ。思えば日本アニメの底力を世界に知らしめたこの天才は、世間がやれエコだ、地球温暖化だと騒ぎ出す随分前から、作品を通じて強烈なメッセージを放ち続けていた。一貫して子どもを主役に置きながら、“アニメ=子ども向きの娯楽”という方程式をことごとく覆してきた宮崎監督。

実写顔負けの大自然の神々しさを感じて

© 2008 二馬力・GNDHDDT
© 2008 二馬力・GNDHDDT
 宮崎監督の作品は時に本気で子どもを怖がらせ(実際、劇場で恐怖のあまり泣き出す子どもを見たこともある)、そして時に大人たちを号泣させた。そしてほとんどすべての作品には緑があふれ、実写顔負けの雄大な大自然が神々しく描かれている。我々は『風の谷のナウシカ』の時点で、既に気付くべきだったのだ。『~ナウシカ』から実に24年! 世界はやっと宮崎監督のメッセージに追いつきつつあるのかもしれない。

 そして、VFX全盛の今、あえて手書きにこだわって制作されているという『~ポニョ』。とにかく「単純な映画に」と言う宮崎監督の、ある意味“原点回帰的”な作品に仕上がっているようだ。「人間になりたい」と願った、さかなの子=ポニョと5歳の少年・宗介の物語。瀬戸内海に面した港町に2カ月滞在したことをきっかけに、本作の舞台を海辺の町にしたという監督は、徹底して“波と水”に固執したそうである(その証拠に、画面のほとんどに海の画が映りこんでいるらしい)。

 だが、宮崎監督は決して声高にエコを叫んでいるわけでも、ましてやエコ・アニメを作っているつもりでもないだろう。ただ確かなことは宮崎アニメを見て育つ子どもたちこそ、これからの地球を守っていかなければならない存在だという事実。子どもたちの心に『~ポニョ』で見た海の青さ、森の濃い緑の陰が刻まれれば。まだ希望はある……と信じたい。


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