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 身体の自由を失うという逆境に打ち勝ち、抑え切れない愛、創造、夢への衝動といったすべてのイメージを、“遺言”として残した男の真実の物語。最も情感にあふれ、勇気づけられるベストセラーの映画化だ。

 監督で写真家のジュリアン・シュナーベルの3作目となる『潜水服は蝶の夢を見る』。フランスの「エル」誌の高名な編集長で3児の父でもあるジャン=ドミニク・ボビー(通称ジャン=ドー)は、突然、脳梗塞で倒れ破滅のどん底へと投げ込まれる。かつては女性関係も華やかで人生を謳歌していたはずなのに、いまや身体の中で唯一動かせるのは左目だけ。悲嘆に暮れるしかない日々の中、言語療法士のアンリエットが瞬きによる会話の手段を教え、子供たちの母親セリーヌも献身的に支えていく。徐々に生きることへの希望を見いだしたジャン=ドーは、自らの記憶と想像力、そして瞬きで半生をつづることを決意する。

 大半を占めるジャン=ドーの視線による主観映像とモノローグ。下手をすれば冗長さが浮き彫りになる手法だが、時にユーモアを交えながら、視点を微妙にずらしフォーカスにも幅をもたせるなど、シュナーベルの技巧に魅せられてしまう。これに応えたマチュー・アマルリックの“静”の演技が秀逸。ジャン=ドーの“語り”に合わせて挿入される過去の描写がメリハリとなっている半面、より悲しみを強調する効果をもたらす。感動的な悲劇だ。

製作:パテ
アメリカ配給:ミラマックス
日本配給:アスミック・エース
ランニングタイム:112分
監督:ジュリアン・シュナーベル
原作:ジャン=ドミニク・ボビー
脚本:ロナルド・ハーウッド(『戦場のピアニスト』)
プロデューサー:キャスリーン・ケネディ(『シンドラーのリスト』『マディソン郡の橋』)、ジョン・キリク(『デッドマン・ウォーキング』『マルコムX』)
エグゼクティヴ・プロデューサー:ピエール・グルンステインジム・レムリー
出演:マチュー・アマルリック((『ミュンヘン』)、エマニュエル・セニエ(『赤い航路』『ヴァンドーム広場』)、アンヌ・コンシニー(『あるいは裏切りという名の犬』)、オラツ・ロペス・ヘルメンディアマリナ・ハンズ(『レディ・チャタレー』)、マックス・フォン・シドー(『ペレ』『愛の風景』)

2月9日(土)シネマライズ、新宿バルト9、シネカノン有楽町2丁目ほか全国にて日本公開

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