オスカーレッドに染まるパーティ会場
天井にきらめく一日だけのオリジナル・シャンデリア
アカデミー賞のノミネーションも発表され、懸案のスト問題も解決、となれば、いよいよ賞レースの始まり。一年で一番大きなお祭りに沸き立つハリウッドで、現在続々とアカデミー賞がらみのイベントが催されている。
1月30日の朝開催されたのは、授賞式当日夜の晩餐会会場「ガバナーズ・ボール」の下見イベントだ。 取材陣だけを集め、アカデミー賞授賞式会場コダック・シアターに隣接した建物の5階の晩餐会会場で行われた。
当日は1500人の招待客を迎える大会場に入ってみると、一部がアカデミー賞にぴったりのエレガントな場所へとしつらえられていた。天井にはオスカーレッドのカーペットの豪華さを映しこんだ、無数のクリアなガラス飾りで構成されたシャンデリアがきらめいている……。
アカデミー賞らしくも斬新なインテリアを含め、この晩餐会の総合プロデュースを手がけたのはセコイア・プロダクションズ。アカデミー賞の晩餐会を長きにわたってプロデュースしてきたイベント会社だが、そのほかにもエミー賞ディナー、“Guess?”などファッション・ブランドの記念パーティなど、セレブリティが集まるイベントを得意とする。
自身もCNNに取材されるような有名イベンターである社長のシェリル・チェチェットが「公園でシャボン玉をふくらましていた女の子にインスピレーションを受けました」と、天井からつるされた丸く透き通った無数のガラス飾りついて説明した。
当日はこのガラスの球が天井全体をふわーっと包みこみ、その合間を無数の豆電球が星のように光る。テーブルの上にもオスカーレッドの真っ赤なバラのブーケが飾られるのだとか。賞の発表やその後のインタビューで興奮さめやらぬスターたちを迎える、かなりロマンチックな雰囲気が想像できるだろうか?
1月30日の朝開催されたのは、授賞式当日夜の晩餐会会場「ガバナーズ・ボール」の下見イベントだ。 取材陣だけを集め、アカデミー賞授賞式会場コダック・シアターに隣接した建物の5階の晩餐会会場で行われた。
当日は1500人の招待客を迎える大会場に入ってみると、一部がアカデミー賞にぴったりのエレガントな場所へとしつらえられていた。天井にはオスカーレッドのカーペットの豪華さを映しこんだ、無数のクリアなガラス飾りで構成されたシャンデリアがきらめいている……。
アカデミー賞らしくも斬新なインテリアを含め、この晩餐会の総合プロデュースを手がけたのはセコイア・プロダクションズ。アカデミー賞の晩餐会を長きにわたってプロデュースしてきたイベント会社だが、そのほかにもエミー賞ディナー、“Guess?”などファッション・ブランドの記念パーティなど、セレブリティが集まるイベントを得意とする。
自身もCNNに取材されるような有名イベンターである社長のシェリル・チェチェットが「公園でシャボン玉をふくらましていた女の子にインスピレーションを受けました」と、天井からつるされた丸く透き通った無数のガラス飾りついて説明した。
当日はこのガラスの球が天井全体をふわーっと包みこみ、その合間を無数の豆電球が星のように光る。テーブルの上にもオスカーレッドの真っ赤なバラのブーケが飾られるのだとか。賞の発表やその後のインタビューで興奮さめやらぬスターたちを迎える、かなりロマンチックな雰囲気が想像できるだろうか?
カリスマシェフ、ウォルフガング・パックが
汗だくになる「勝負の2時間」
では、スターたちが舌鼓を打つディナーはいったいどういうメニューなのか? こちらも毎年恒例アカデミー賞晩餐会のディナーを受け持つシェフ、ウォルフガング・パック氏がメニューの詳しい説明と調理のデモンストレーションをおこなった。
ハリウッド業界人御用達の予約がとれないレストラン〈スパーゴ〉のオーナー・シェフとして知られる彼は、素材オタクとしても知られている。素材の持ち味を生かしクリームやバターをあまり使わないカリフォルニア・キュイジーヌの旗手は、農家とともに原種や野生種の野菜の栽培に積極的に取り組み、自身のレストランで使う素材は「すべてオーガニック」、もちろんこの晩餐会のディナー素材も「すべてオーガニック」である。
「今回のメニューはカジュアル&ラグジェリーです」と、パック氏が深いフライパンで“マカロニ&チーズ”を炒めながら話し始めると、記者の間からどよめきが起こった。
というのもマカロニ&チーズと言えば、アメリカでは家庭の主婦が手抜きをするときに作るあまりにも簡単な料理だ。そのどこがラグジェリーなのか。
「この中にね、こうやってトリュフを刻んで入れるんですよ」と、惜しげもなく高価な黒トリィフをたくさん散らす。
「そして、こちらはベークド・ポテト。でも、普通のベークド・ポテトではありません。キャビアを詰めて、オーブンで焼いたんです」
キャビアはもちろん、最高級のベルーガ。なるほど。カジュアルなメニューなのに、素材は超一級。カジュアルな雰囲気が似合うロスならではというメニューだ。
他にも、厳選されたアメリカ産和牛を使ったステーキ、24カラットの純金の粉をまぶしたオスカー像型チョコレートなども。また、当日はメインの料理のほかにも、お寿司のコーナー、麺のコーナー、シーフードのコーナーなどビュッフェ・セクションもあるそう。神戸牛を使った一口チーズバーガー、スモーク・サーモンのピザなども披露。このサーモンのピザを試食したら、さすが選び抜かれたサーモン、とろりと舌の上でとろけ、生地もサクッ、ちゃんと粉の味がする。シンプルなのに、味わい深い。今年のアカデミー賞のためだけに特別につくられた「レッドカーペット」という名称のワインや、その日のためにの特別カクテルなども試飲出来るようになっていた。
さて、このようなご馳走を前にして、スターたちは“大食い”なのか?
「ゲストの皆さんは、レッドカーペットから始まって授賞式が終わるまで5~6時間ほど、受賞者はそのあと矢継ぎ早の取材を何本も受けた後、ようやくこの晩餐会で息をつくんです。非常にお腹をすかせてこの晩餐会会場に来られますからね。すぐに何かつまめるように、オードブルをテーブルに出しておくんですよ。われわれシェフが死に物狂いで働く時間は、最初のゲストが到着してから2時間。そこが勝負です」
ハリウッド業界人御用達の予約がとれないレストラン〈スパーゴ〉のオーナー・シェフとして知られる彼は、素材オタクとしても知られている。素材の持ち味を生かしクリームやバターをあまり使わないカリフォルニア・キュイジーヌの旗手は、農家とともに原種や野生種の野菜の栽培に積極的に取り組み、自身のレストランで使う素材は「すべてオーガニック」、もちろんこの晩餐会のディナー素材も「すべてオーガニック」である。
「今回のメニューはカジュアル&ラグジェリーです」と、パック氏が深いフライパンで“マカロニ&チーズ”を炒めながら話し始めると、記者の間からどよめきが起こった。
というのもマカロニ&チーズと言えば、アメリカでは家庭の主婦が手抜きをするときに作るあまりにも簡単な料理だ。そのどこがラグジェリーなのか。
「この中にね、こうやってトリュフを刻んで入れるんですよ」と、惜しげもなく高価な黒トリィフをたくさん散らす。
「そして、こちらはベークド・ポテト。でも、普通のベークド・ポテトではありません。キャビアを詰めて、オーブンで焼いたんです」
キャビアはもちろん、最高級のベルーガ。なるほど。カジュアルなメニューなのに、素材は超一級。カジュアルな雰囲気が似合うロスならではというメニューだ。
他にも、厳選されたアメリカ産和牛を使ったステーキ、24カラットの純金の粉をまぶしたオスカー像型チョコレートなども。また、当日はメインの料理のほかにも、お寿司のコーナー、麺のコーナー、シーフードのコーナーなどビュッフェ・セクションもあるそう。神戸牛を使った一口チーズバーガー、スモーク・サーモンのピザなども披露。このサーモンのピザを試食したら、さすが選び抜かれたサーモン、とろりと舌の上でとろけ、生地もサクッ、ちゃんと粉の味がする。シンプルなのに、味わい深い。今年のアカデミー賞のためだけに特別につくられた「レッドカーペット」という名称のワインや、その日のためにの特別カクテルなども試飲出来るようになっていた。
さて、このようなご馳走を前にして、スターたちは“大食い”なのか?
「ゲストの皆さんは、レッドカーペットから始まって授賞式が終わるまで5~6時間ほど、受賞者はそのあと矢継ぎ早の取材を何本も受けた後、ようやくこの晩餐会で息をつくんです。非常にお腹をすかせてこの晩餐会会場に来られますからね。すぐに何かつまめるように、オードブルをテーブルに出しておくんですよ。われわれシェフが死に物狂いで働く時間は、最初のゲストが到着してから2時間。そこが勝負です」
用意されるのは
一生の思い出となる幸せな時間
当日は料理やインテリアだけではなく、雰囲気作りにも“格別”が用意されている。ゲストをまず迎えるのはバンド「ピンク・マティーニ」とDJジェイソン・ベントリーの特別な音楽。ハリウッド黄金時代のミュージカルにインスパイアされたニュー・クラシックには、思わず涙するスターも多いかもしれない。
ちなみに、アテンドするサービス・スタッフの数は900人、シェフは350人。スケールの話でいうと、カトラリーは1万本、アカデミー賞御用達シャンパーニュ、ローラン・ペリエは528本、赤いバラは1万5000本、ちょっとサラダに添えるだけのシトラス・チリ・ドレッシングでさえも42リットル、用意される。
アカデミー賞の晩餐会は、他の晩餐会と比べて何が違うのだろうか。そんなことを、プロデューサーのアシスタント、ローレン・ジョンソンさんに聞くと、こんな答えが帰ってきた。
「他の晩餐会とは、すべてが違います。ゲストの方々は、一流のものを知り尽くしていますからね。そんなかたがたに喜んでいただくには、一体どうすればいいのか。本当に悩みます。私たちは毎年、テーマを決めるだけで数ヵ月もかけるんですよ」と、目をきらきらさせながら、答えてくれた。
オスカーを手にした受賞者たちが着飾って一堂に会すこの会場では2月24日の夜、いったいどんなドラマが生まれるのだろう。
それは、招待客だけしか体験できない最高の特権なのだ。
ちなみに、アテンドするサービス・スタッフの数は900人、シェフは350人。スケールの話でいうと、カトラリーは1万本、アカデミー賞御用達シャンパーニュ、ローラン・ペリエは528本、赤いバラは1万5000本、ちょっとサラダに添えるだけのシトラス・チリ・ドレッシングでさえも42リットル、用意される。
アカデミー賞の晩餐会は、他の晩餐会と比べて何が違うのだろうか。そんなことを、プロデューサーのアシスタント、ローレン・ジョンソンさんに聞くと、こんな答えが帰ってきた。
「他の晩餐会とは、すべてが違います。ゲストの方々は、一流のものを知り尽くしていますからね。そんなかたがたに喜んでいただくには、一体どうすればいいのか。本当に悩みます。私たちは毎年、テーマを決めるだけで数ヵ月もかけるんですよ」と、目をきらきらさせながら、答えてくれた。
オスカーを手にした受賞者たちが着飾って一堂に会すこの会場では2月24日の夜、いったいどんなドラマが生まれるのだろう。
それは、招待客だけしか体験できない最高の特権なのだ。
text and photographs by Atsuko Kohata (Variety Japan LA)




























