“色”が語るストーリー
「さらにシェカールと話していたら、ドレスの色がキャラクターの色を表すのにとても重要だと思い始めたのです。ポートレートを見ていると、色あせたドレスばかり着ているように見えるけれど、当時、野菜を基にした染料もあり、鮮やかな色の衣装を着ていたはずなのです。映画の中の紫のドレスのような色は化学染料でしか出せないのですが、それが現代の観客向けに翻訳されたらこうなる、というような信憑性は保てる、ということです。危険だけどね(笑)」
衣装で物語を語ることが目的—だから批判にも胸を張っていられる
「あるイギリス人の歴史家が映画を観て、ローリー(クライヴ・オーウェン演じる登場人物の名前)の宮廷での衣装は史実と違う、と批判したんです。でも、もちろんそんなことは私もわかっていました。ローリーがエリザベスにとってどういう存在だったかということがこの映画には大切で、その物語を語る上で、その衣装がいいと判断したのです。エリザベスの映画はたくさん作られているし、一般的に誰もがエリザベスについて知っている。だからこそ、その知識の上に、さらに発展させたものを作る必要があったのです」
紫のドレスには愛着がある
「今回デザインした衣装の中で、一番愛着があるのは、紫のドレス。これはあまり観客は気づかないでいてくれたほうがいいのですが、実は5つのパターンがあります。スコットランド女王メアリーの処刑の際に着ている時には、エリザベスは傷ついているので、衣装もあまり装飾がなくシンプルです。その後、また力を取り戻した時には、襟元のデザインも変わり、装飾もたくさん、そしてドレスの広がりも大きく、人が近寄れない雰囲気を出しています。教会の中をエリザベスがこの衣装を着て歩くシーンを最初の頃に撮影したのですが、ケイト(・ブランシェット)があのドレスを身に着けて歩いているのを見た時、「これでよかったんだ」と思いました(笑)」


























