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山口圭二

2007/11/12

アメリカ人には真似できない、日本人の緻密な創造性の秘密

 
 今年『トランスフォーマー』の変身シーンで世界中の度肝を抜いたCGアーティストの山口圭二に、日本のアニメーションが世界的に優れている理由を訊いた。


ストレスを発散する時に
凄まじくクリエイティブな緻密さが生まれる

  「まず日本の場合は、実写映画の予算が無いので特撮に制限があって、爆破とかすごいシーンをやりたいと思うとアニメでやるしかない。それで多くの才能ある人達がアニメに走った。それで進化したんだと思う」

 どのへんが世界で評価されているのでしょう?

 「細かい描写。例えば『AKIRA』の、生き物のようにうねるパイプとか、もう病的なくらい細かい動きはアメリカには無い。こっちでアニメっていうと、スポンジボブとかシンプソンズとかだから。『トランスフォーマー』の変身シーンもそういうエッセンスを参考にして創りました」

 なぜアメリカではそういった描写が生まれない?

 「土地が広いからじゃないですか? あまり細かい事は気にしないで、着てるものとかにもこだわらず、他人が何をしていようが構わなくてっていう土壌からはそんな細かい描写は生まれないんじゃないかと。日本みたいに土地も家も狭くて、電車の中にぎゅうぎゅうづめになって、つねに流行におくれまいとして世間様を気にして生きていると、ストレスを発散する時に凄まじくクリエイティブな緻密さが生まれるんだと思う」

英語ができないと話にならない

 CGに関してはアメリカの方が優れているようですが?

 「予算が潤沢にあって、CPUとかメモリのサイズが大きいからできている事で、僕がアメリカに来たのもそういう理由です。ひとりひとりのつくる力は変わらなくても、日本では予算的にそれに見合うマシンが用意できないとか、制作期間が短くていいものがつくれないとか、そういう事が邪魔してるんだと思う」

 日本人クリエイターがアメリカで成功するには?

 「英語ができないと話にならない。その上でアメリカの文化、特に物事の考え方にとけ込むことじゃないですかね」

Keiji Yamaguchi 今やハリウッドを代表するCGアーティストの一人。ジェームズ・キャメロンが設立したCGプロダクション、デジタル・ドメインで『タイタニック』『X-メン』などのプロジェクトに携わったあと、2001年からは、ジョージ・ルーカスが設立したILMで『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』『M:i:III』『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』などを手がける。今年担当した『トランスフォーマー』の変身シーンは、マイケル・ベイ監督をもって「ヤマグチは天才だ」と言わしめ、今後の賞レースにも期待がかかる。

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