海外で大切なのは、コミュニケーション能力

photographs by Kenta Yoshizawa
「アカデミー賞って一度ノミネートされると、会員証が送られてくるって聞いたんですけど……」
「そう、自動的に会員になるのよ。書類送られてこなかった?」
「まだみたいなんです。教えていただいてありがとうございます、ワダさん」
バラエティ・ジャパンの創刊記念パーティの楽屋裏からそんな会話がもれ聞こえてきた。アカデミー賞をめぐるこんな会話をワダエミさんと続けられる日本人は、まさしく菊池凛子以外にいないだろう。
『BABEL』 の鮮烈な演技と存在感で、あっという間に世界の映画界の注目を集めるに至った彼女だが、実はまだ26歳。楽屋での休憩中のちょっとした時間にも、何でも学びたい、吸収したい、そんな思いで、好奇心あふれる瞳がきらきら輝いている。注意深く話に耳を傾ける。シャネルやグッチの、アバンギャルドなオートクチュールをスレンダーな肢体で堂々と着こなしてレッドカーペットを歩く姿の輝きとはまた別の「存在感」がそこにはある。菊池凛子は、海外で何を学び、吸収して、「アカデミー賞ノミネートの菊池凛子」となったのだろう?
「そう、自動的に会員になるのよ。書類送られてこなかった?」
「まだみたいなんです。教えていただいてありがとうございます、ワダさん」
バラエティ・ジャパンの創刊記念パーティの楽屋裏からそんな会話がもれ聞こえてきた。アカデミー賞をめぐるこんな会話をワダエミさんと続けられる日本人は、まさしく菊池凛子以外にいないだろう。
『BABEL』 の鮮烈な演技と存在感で、あっという間に世界の映画界の注目を集めるに至った彼女だが、実はまだ26歳。楽屋での休憩中のちょっとした時間にも、何でも学びたい、吸収したい、そんな思いで、好奇心あふれる瞳がきらきら輝いている。注意深く話に耳を傾ける。シャネルやグッチの、アバンギャルドなオートクチュールをスレンダーな肢体で堂々と着こなしてレッドカーペットを歩く姿の輝きとはまた別の「存在感」がそこにはある。菊池凛子は、海外で何を学び、吸収して、「アカデミー賞ノミネートの菊池凛子」となったのだろう?
誰とでも平等に話すことができる 意外にイージーな雰囲気
「海外で映画に出て一番違いを感じたのは、コミュニケーション能力がとても大事ってことでしょうか。とにかく、会話が生まれることが大切。パーティに出る機会もおかげさまで増えたんですけれど、そこで自分が尊敬している監督やプロデューサーと意外と気軽に話せたり、会話がはずんだりする。そんなことで、つながっていく縁もあるんですね」
「あるときはショーン・ペンとパーティで会って、『カサヴェテスの映画のここがいい』という話ですごく盛り上がったりしました。ただ英語が話せるというだけじゃなく、やっぱり共通の話題がないとダメで。私、結局、映画が大好きだから、いくらでも、話したりないくらい」
その「とにかく話そう!」という雰囲気は、撮影現場でも同じ。
「海外の現場では、そこで仕事をしている一人ひとりがプロフェッショナルで、その映画に関わっているファミリーみたいなんです。だから、私も監督に『こうしたい』という演技プランから日常の会話まで気軽に話しかけることができるし、ヘンな話、ケータリングの人だってスコセッシに話しかけても大丈夫なんです。やりたくないことは『これはやりたくない』といえば、それも尊重される。ああ、こんな感じなのかあ、と思いました。とても居心地がよかったです」
「あるときはショーン・ペンとパーティで会って、『カサヴェテスの映画のここがいい』という話ですごく盛り上がったりしました。ただ英語が話せるというだけじゃなく、やっぱり共通の話題がないとダメで。私、結局、映画が大好きだから、いくらでも、話したりないくらい」
その「とにかく話そう!」という雰囲気は、撮影現場でも同じ。
「海外の現場では、そこで仕事をしている一人ひとりがプロフェッショナルで、その映画に関わっているファミリーみたいなんです。だから、私も監督に『こうしたい』という演技プランから日常の会話まで気軽に話しかけることができるし、ヘンな話、ケータリングの人だってスコセッシに話しかけても大丈夫なんです。やりたくないことは『これはやりたくない』といえば、それも尊重される。ああ、こんな感じなのかあ、と思いました。とても居心地がよかったです」
映画が好き、という思いが より強く出ている現場
その居心地の違いはどこにあるのだろう?
「そうですね、難しいですが……その映画に関わる人すべてが、『映画が好きだ』という思いで、動いているからのような気がします。『映画が好き』って、本当に基本の感情で、出発点だから大切だと思うんです。もちろん、日本でだって、みんな映画は好きだとは思うんだけれど、もっと別の思惑で制作されている場合もあるような気がして。それと、メリル・ストリープが主演しているような大人の映画があまりないですよね」
自らの演技が「日本を代表するコンテンツ」となって世界を凌駕した彼女だが、では、日本の何が世界の映画人の目を捉えると思うのか。
「うーん、そうですね。私自身は、昔の日本の映画にすごく学ぶヒントがあると思っています。例えば小津監督だとか、黒澤監督とか、一番最初に日本映画が世界をあっと言わせたときの作品が持っていたもの。それは奥ゆかしさだったり、品だったり、日本独自のものだと思うんです」
「そうですね、難しいですが……その映画に関わる人すべてが、『映画が好きだ』という思いで、動いているからのような気がします。『映画が好き』って、本当に基本の感情で、出発点だから大切だと思うんです。もちろん、日本でだって、みんな映画は好きだとは思うんだけれど、もっと別の思惑で制作されている場合もあるような気がして。それと、メリル・ストリープが主演しているような大人の映画があまりないですよね」
自らの演技が「日本を代表するコンテンツ」となって世界を凌駕した彼女だが、では、日本の何が世界の映画人の目を捉えると思うのか。
「うーん、そうですね。私自身は、昔の日本の映画にすごく学ぶヒントがあると思っています。例えば小津監督だとか、黒澤監督とか、一番最初に日本映画が世界をあっと言わせたときの作品が持っていたもの。それは奥ゆかしさだったり、品だったり、日本独自のものだと思うんです」
Rinko Kikuchi 1986年神奈川県生まれ。1999年新藤兼人監督『生きたい』を皮切りに、石井克人監督『茶の味』、大林宣彦監督『理由』、小田一生監督『笑う大天使』などに出演、映画女優としてキャリアを積む。2007年、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督作品『BABEL』の聾唖の女子高生役で、体当たりの演技を披露。その圧倒的な存在感でアカデミー賞助演女優賞ノミネート、一躍脚光を浴びる。その演技はゴールデングローブ賞、米映画俳優組合賞などにもノミネートされ、絶えず次作が注目される、国際スターへの道を歩みだした。
写真集「菊池凛子×篠山紀信 RINKKO」好評発売中。
11月20日~24日の期間、銀座シャネル・ネクサス・ホールにて写真集発売を記念した写真展を開催中。
http://www.chanel-ginza.com/nexushall/
写真集「菊池凛子×篠山紀信 RINKKO」好評発売中。
11月20日~24日の期間、銀座シャネル・ネクサス・ホールにて写真集発売を記念した写真展を開催中。
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