
スシ王子、なぜニューヨークへ!?
かつて『星の王子ニューヨークへ行く』というエディ・マーフィ主演のヒット映画があった。理想の花嫁を求めて、ニューヨークにやってくるアフリカの某国の王子の話だが、こちらはニッポンの王子こと、堂本光一主演の『銀幕版 スシ王子!~ニューヨークへ行く~』である。“シャリの達人”を求めて、異国にやってきた米寿司(まいずつかさ)は、数々のトラブルに巻き込まれながら、エ~クセレントなパワーを発揮することになる。監督は、今年も数々の話題作が待機中、『TRICK トリック-劇場版-』、『自虐の詩』の堤幸彦。島好き、限定空間好きのこの人の手にかかれば、ニューヨークも自分のイメージを実現するための“ひとつのロケ地”になるのだ。
「3年ほど前、雪のニューヨークに閉じこめられて、その間の雑談の中で生まれてきた企画なんで、これ、ニューヨークじゃなければ成立しない映画なんですよ。マンハッタン島の中には寿司屋さんがものすごく多く、しかも半分くらいは日本人にとってはビミョーな店ばかり。“これは寿司なのか何なのか”っていうシュールな物体がいっぱい出てくるところもある(笑)。その一方で、ごく一部は東京よりも品(ひん)のいい店もあるんですけどね。そういった日米寿司文化事情をテーマにしてみると、面白いかなあって」
「3年ほど前、雪のニューヨークに閉じこめられて、その間の雑談の中で生まれてきた企画なんで、これ、ニューヨークじゃなければ成立しない映画なんですよ。マンハッタン島の中には寿司屋さんがものすごく多く、しかも半分くらいは日本人にとってはビミョーな店ばかり。“これは寿司なのか何なのか”っていうシュールな物体がいっぱい出てくるところもある(笑)。その一方で、ごく一部は東京よりも品(ひん)のいい店もあるんですけどね。そういった日米寿司文化事情をテーマにしてみると、面白いかなあって」
え、社会派ですか? お笑い社会派ですね。

©2008「スシ王子!」製作委員会
昨年先行放映されたTVシリーズのレギュラー、中丸雄一(KAT-TUN)に加え、北大路欣也、釈由美子、石原さとみ、伊原剛志など意表を突いたキャストを揃え、けれん味たっぷりに、インターナショナルな寿司対決を盛り上げていく。星の王子がニューヨークに行く以上の荒唐無稽な世界が展開するが、異文化バトルという隠しワサビもピリッと利かせ、そのあたり、彼が敬愛する伊丹十三監督の後継、食から社会戯評を繰り出している。
「え、社会派ですか? お笑い社会派ですね。スシ王子の敵、マフィアのペペロンチーノに“小麦粉と米が手を結べば、世界に勝てる”なんて意味不明なことを言わせているんだけど。あれはアメリカのトウモロコシのバイオエタノールに対抗して……って、ウソですが(笑)。寿司をテーマにした作品って、漫画も含めると無数にありますよね。ストーリーにしやすい題材だとは思うんですが、ただ、蘊蓄モノだとか寿司屋としての生きざまみたいなものは、どれもちょっと僕の世界観というか、やり口ではない(笑)。やっぱりそこに不思議な、琉球唐手みたいなものを足したりしないとね。ひとつ、真面目なことを言えば、今回一番やりたかったテーマは“米(こめ)”なんですよ。“お米について皆さん、もう少し考え、大事にしていきましょうよ”って。それを言いたかった。むりやり田んぼを作ってですね、北大路さんや堂本くんに田植えから稲刈りまでやらせてしまったり、相当ムチャしましたけど。僕は断然“米派”なんですね。海外行く前、帰ってきた後は必ず“寿司が食いたい”って人がいるように、僕にとっては、白米がそういうDNAの故郷(ふるさと)みたいなところがある。今回“シャリの達人”を出したのは、そのへんも描いてみたかったからなんですね」
主演の堂本光一とは、オープニングタイトルのみを担当した『銀狼怪奇ファイル 2つの頭脳を持つ少年』(96/日本テレビ系)を皮切りに、『ぼくらの勇気 未満都市』(97/日本テレビ系)、『ハルモニア この愛の涯て』(98/日本テレビ系)など、『スシ王子!』(07/テレビ朝日系)をやる前からTVドラマでタッグを組んできた。
「実は、アクションがうまい人ってなかなかいないんです。皆さん“やれます!”って言うけれど、見せるカタチにするのってホントーに難しいんですよ。だからアクションコーディネーターが必要になってくる。それはやっぱり難しいから必要不可欠なんですが、そんな百戦錬磨のアクションコーディネーターが舌を巻く技能を、彼、堂本光一は持っている。単純な殴り合いから始まって、吹っ飛んだり落ちたりっていう、立ち居振る舞いを、彼はささっと覚えていくんですね。そして、覚えたら自分のものにしてしまう。その勘の良さ、たゆまぬ努力は“素晴らしい”の一語ですね」
「え、社会派ですか? お笑い社会派ですね。スシ王子の敵、マフィアのペペロンチーノに“小麦粉と米が手を結べば、世界に勝てる”なんて意味不明なことを言わせているんだけど。あれはアメリカのトウモロコシのバイオエタノールに対抗して……って、ウソですが(笑)。寿司をテーマにした作品って、漫画も含めると無数にありますよね。ストーリーにしやすい題材だとは思うんですが、ただ、蘊蓄モノだとか寿司屋としての生きざまみたいなものは、どれもちょっと僕の世界観というか、やり口ではない(笑)。やっぱりそこに不思議な、琉球唐手みたいなものを足したりしないとね。ひとつ、真面目なことを言えば、今回一番やりたかったテーマは“米(こめ)”なんですよ。“お米について皆さん、もう少し考え、大事にしていきましょうよ”って。それを言いたかった。むりやり田んぼを作ってですね、北大路さんや堂本くんに田植えから稲刈りまでやらせてしまったり、相当ムチャしましたけど。僕は断然“米派”なんですね。海外行く前、帰ってきた後は必ず“寿司が食いたい”って人がいるように、僕にとっては、白米がそういうDNAの故郷(ふるさと)みたいなところがある。今回“シャリの達人”を出したのは、そのへんも描いてみたかったからなんですね」
主演の堂本光一とは、オープニングタイトルのみを担当した『銀狼怪奇ファイル 2つの頭脳を持つ少年』(96/日本テレビ系)を皮切りに、『ぼくらの勇気 未満都市』(97/日本テレビ系)、『ハルモニア この愛の涯て』(98/日本テレビ系)など、『スシ王子!』(07/テレビ朝日系)をやる前からTVドラマでタッグを組んできた。
「実は、アクションがうまい人ってなかなかいないんです。皆さん“やれます!”って言うけれど、見せるカタチにするのってホントーに難しいんですよ。だからアクションコーディネーターが必要になってくる。それはやっぱり難しいから必要不可欠なんですが、そんな百戦錬磨のアクションコーディネーターが舌を巻く技能を、彼、堂本光一は持っている。単純な殴り合いから始まって、吹っ飛んだり落ちたりっていう、立ち居振る舞いを、彼はささっと覚えていくんですね。そして、覚えたら自分のものにしてしまう。その勘の良さ、たゆまぬ努力は“素晴らしい”の一語ですね」
支持されれば、どこにでも行きます(笑)。
堤監督、ニューヨークを活動の拠点にしていたこともあり、ハイビジョンで撮ったオノ・ヨーコ主演の『ホームレス』や『恋愛寫眞Collage of Our Life』でも、ニューヨークを映像化していた。さて、国内修業編ともいうべきTV ドラマ版を経てのこの銀幕版。またまたTVドラマに戻る可能性もありか!?
「そりゃあもう、皆さんに支持されれば、何作でも作りますし、上海だろうがインドだろうがどこにでも行きます。南極まで行って、流水の天使を“ねた”にクリオネ握りとかね……食っていいのかっていう(笑)。握れるものなら何でも握ってやる……でもクジラはダメよとか(笑)。とにかく“この人、ここまでやっているのか!”と、堂本光一くんの新たな一面を見てもらいたいし、映画としても“よくまあ、こんなクダラナイことを真剣にやってるなあ”なんて、楽しんでほしいですね」
つぎに控える新作『20世紀少年』『まぼろしの邪馬台国』についても少し話を訊いたら、怒濤の面白トークであっという間に30分が経過……。
「よっ、スシ王子!」
ではなかった。映画の中の掛け声にならって、ここは「よっ、シネマ王子!」と勝手に呼ばせてもらおう。
「そりゃあもう、皆さんに支持されれば、何作でも作りますし、上海だろうがインドだろうがどこにでも行きます。南極まで行って、流水の天使を“ねた”にクリオネ握りとかね……食っていいのかっていう(笑)。握れるものなら何でも握ってやる……でもクジラはダメよとか(笑)。とにかく“この人、ここまでやっているのか!”と、堂本光一くんの新たな一面を見てもらいたいし、映画としても“よくまあ、こんなクダラナイことを真剣にやってるなあ”なんて、楽しんでほしいですね」
つぎに控える新作『20世紀少年』『まぼろしの邪馬台国』についても少し話を訊いたら、怒濤の面白トークであっという間に30分が経過……。
「よっ、スシ王子!」
ではなかった。映画の中の掛け声にならって、ここは「よっ、シネマ王子!」と勝手に呼ばせてもらおう。
『銀幕版スシ王子!~ニューヨークへ行く』
●4月19日(土)、サロンパス ルーブル丸の内ほか日本全国公開
●配給:ワーナー・ブラザース映画
●「銀幕版 スシ王子! ~ニューヨークへ行く~」オフィシャルサイト
http://www.sushi-movie.com
堤幸彦
●1955年愛知県出身。
1988年『バカヤロー!私、怒ってます/英語がなんだ』で映画監督として初デビュー。その後TVドラマ「金田一少年の事件簿」(NTV系)、「池袋ウエストゲートパーク」(TBS系)、「トリック」(テレビ朝日系)などで、斬新なスタイルを編み出し、多くの話題作の演出を手がけている。
本作も、TVドラマ「スシ王子!」(テレビ朝日系)に続き、メガホンをとった作品である。08年は本作の他に、浦沢直樹原作の『20世紀少年』(8月30日公開予定。配給:東宝)、吉永小百合、竹中直人主演の『まぼろしの邪馬台国』(秋公開予定。配給:東映)の映画公開が予定されている。
●4月19日(土)、サロンパス ルーブル丸の内ほか日本全国公開
●配給:ワーナー・ブラザース映画
●「銀幕版 スシ王子! ~ニューヨークへ行く~」オフィシャルサイト
http://www.sushi-movie.com
堤幸彦
●1955年愛知県出身。
1988年『バカヤロー!私、怒ってます/英語がなんだ』で映画監督として初デビュー。その後TVドラマ「金田一少年の事件簿」(NTV系)、「池袋ウエストゲートパーク」(TBS系)、「トリック」(テレビ朝日系)などで、斬新なスタイルを編み出し、多くの話題作の演出を手がけている。
本作も、TVドラマ「スシ王子!」(テレビ朝日系)に続き、メガホンをとった作品である。08年は本作の他に、浦沢直樹原作の『20世紀少年』(8月30日公開予定。配給:東宝)、吉永小百合、竹中直人主演の『まぼろしの邪馬台国』(秋公開予定。配給:東映)の映画公開が予定されている。
photographs by Keiju Takenaka
text by Yukio Todoroki
text by Yukio Todoroki


























