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『王妃の紋章』プロデューサー インタビュー
凄腕ビル・コンに訊いてみた
ぶしつけな5つの質問。

2008/04/11
王妃役のコン・リー
王妃役のコン・リー


——ビル・コンさん、まずこの映画があまりにも絢爛豪華なので度肝を抜かれました。今年は北京オリンピックもありますし、今回の作品は、まず中国大陸のマーケットを制覇、という目的があったのでは?



 確かにおっしゃったとおり、チャン・イーモウ監督も私も、中国市場を意識してこの映画を制作したのです。さらに、私達は非常に野心的な夢を持っていまして、中国マーケットのみならず、世界マーケットにも通用する作品に仕上げていきたいと最初から考えていました。

——王妃役のコン・リーが身にまとう本物の金をふんだんに使った衣装や、目もくらむほどゴールド尽くしの王宮内のセットなどは、やはり“中国好み”ということを意識した?

 中国人は確かに金色が好きですね。紫禁城の色も、メインカラーは金ですし。あと、金は非常に尊い“王の色”だとされていますね。



——見目麗しき女官の数にしても、士官の数にしても、豪華なだけではなくスケールも大きい。いったいいくらかかったんですか?



(何気なさそうに)うーん、3500万から4000万USドルですね。



——そんな巨額を投資して、それに見合うリターンがある、という確信はどうやって得られたんでしょうか?



 中国マーケットに対する自信というより、アジアマーケットに対する自信は最初からありましたので、アジアの市場は大丈夫だと思っていました。映画市場を分析して、どんな映画が適しているか、適してないかと判断することは私は自信があります。むしろ、そういう分析力は自分の強みだと思う。なので、どんな脚本で、どんな出演者でいけばかならずイケる、という分析力を身につけているので、これはギャンブルではない。決して。正確に分析して、出した判断です。

王役のチョウ・ユンファ
王役のチョウ・ユンファ


——そうすると、この映画の舞台は中国ですが、中国マーケットで受けるということと、中国の歴史や文化背景もあまり知らず価値観も違うアジアを含めた世界マーケットと、“柳の下に二匹のどじょう”を狙っていたわけですが、それはそんなに簡単なことではないですよね?  



 そうですね。まず、ストーリーの分かりやすさが大事だったと思います。それはもちろん監督の力によるわけですが、ハリウッド映画は何かと批判されることがあるけれども、「世界の誰もが楽しめる映画」ですよね。ですからわたしたちも今回は最初からストーリーの分かりやすさを追求したわけです。原作自体、非常に分かりやすいお話です。一族の話ですので、とてもシンプルです。

 だがしかし、まずチャン・イーモウ監督、彼ありきです。彼のような力量のある人が監督する作品、コン・リー、チョウ・ユンファとアジアのみならずハリウッドでも活躍する俳優達……これだけの要素をそろえれば、映画はまず大丈夫です。全部の必要なファクターがひとつづつ欠けずに揃っている。だから、大丈夫なんです。

 そういう、映画を成功させるために備えるべきファクターをきちんと揃えること。それがプロデューサーの役目だと、私は思っています。

——でもそれってみんなが揃えられる力量があるわけじゃないですよね。

 (笑)日本にもそういう人はいると思いますよ。

撮影中のチャン・イーモウ監督
撮影中のチャン・イーモウ監督


—この映画でももちろん世界制覇を狙っている。以前にもあなたは、ご自身がプロデュースする作品は全世界で公開される、ということを基本だと思って、それを判断基準にしている、とおっしゃってました。



 (少し考え込んで)訂正させていただきたいと思います。世界の映画市場に通用しなければプロデュースしないということは、かつて言っていたかもしれないが、今はそれをまた再考し、自分の考えを改めているんです。なぜかというと、ひょっとしたら世界のマーケットに通用しないけれども撮らなくちゃならない、そういうアート映画もあるんだと考えるようになった。だから自分はそういう映画も撮りたいという風に変わってきたんです。

(C)Film Partner International Inc.
(C)Film Partner International Inc.
王妃の紋章
4月12日(土)、東劇ほか全国ロードショー

STAFF
監督:張藝謀(チャン・イーモウ)
製作:江志強(ビル・コン)、
配給:ワーナー・ブラザース映画
www.ouhi-no-monsho.jp

Photograph by Kenta Aminaka Text by Shoko Yamamoto(Variety Japan Tokyo)


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