世界中が熱い視線を注ぐキャメロン監督の3-D巨編“Avatar”。
『タイタニック』以来、初の長編映画となる本作では、長年の夢であったステレオ撮影による立体映像と長編映画の共演が実現。
そんなキャメロン監督がビジネス面、クリエイティブ面、技術面から見た3-Dの魅力をとことん語ってくれた。
『タイタニック』以来、初の長編映画となる本作では、長年の夢であったステレオ撮影による立体映像と長編映画の共演が実現。
そんなキャメロン監督がビジネス面、クリエイティブ面、技術面から見た3-Dの魅力をとことん語ってくれた。

監督・脚本家の立場から見て、3-D映像がクリエイティブ面に及ぼす影響とは?
ジャン=リュック・ゴダールは、「映画は、1秒に24回の真実だ」と語っていたが、それはまったく正反対だと思う。ぼくに言わせれば、映画は、1秒に24回の嘘でできている。カメラの前に立った俳優たちは、赤の他人のふりをしているにすぎない。映画の撮影においては、昼間に夜のシーンを撮ったり、晴天時に人工雨を降らせたり、ニューヨークの場面をバンクーバーで撮影したり、あるいは、ジャガイモを削って雪に見立てたりする。つまり、すべてがイリュージョンなんだ。物語世界に観客を感情的・感覚的に引き込むために、いかにリアルな嘘を作り上げることができるか? この点が映画監督の力の見せ所となるわけだ。
つまるところ、映画作りとは、リアルさの追求に他ならない。そして、ステレオ撮影が生み出す立体的イリュージョンは、映画監督にとってとてつもない武器となる。これまでぼくが得意としてきたジャンルの映画では、ストーリーの一瞬一瞬を支えるディテールやテクスチャーのリアリティこそが、観客にその空想世界を信じ込ませるうえで重要な役割を果たしてきた。登場人物から台詞、美術、撮影、視覚効果に至るまで、映画を支えるすべての構成要素が、最高の形で交わったときに初めて、今、見ていることが、実際に起きていることなんだという幻想を観客に提供できる。たとえ、それが「歴史を改変するためにウェイトレスを殺しにやってきた、未来のサイボーグ」なんて現実離れした物語設定だとしても、ね。
つまるところ、映画作りとは、リアルさの追求に他ならない。そして、ステレオ撮影が生み出す立体的イリュージョンは、映画監督にとってとてつもない武器となる。これまでぼくが得意としてきたジャンルの映画では、ストーリーの一瞬一瞬を支えるディテールやテクスチャーのリアリティこそが、観客にその空想世界を信じ込ませるうえで重要な役割を果たしてきた。登場人物から台詞、美術、撮影、視覚効果に至るまで、映画を支えるすべての構成要素が、最高の形で交わったときに初めて、今、見ていることが、実際に起きていることなんだという幻想を観客に提供できる。たとえ、それが「歴史を改変するためにウェイトレスを殺しにやってきた、未来のサイボーグ」なんて現実離れした物語設定だとしても、ね。
「3-D映画への移行は、ぼくが映画作家として成長していくうえで、至極自然な流れなんだ」
3-D映画は、観客の現実感を過度に高めることができる。認知できないほどのレベルで視覚野があちこち刺激を受けて、目にしているものをリアルなものだと認識するんだ。ぼくがこれまでに作ったすべての映画も、もしその時代に現在のような3-D技術が存在していれば、とてつもない恩恵を受けていたはずだ。だから、3-D映画への移行は、ぼくが映画作家として成長していくうえで、至極自然な流れなんだ。
3-D映画には圧倒的な臨場感があるから、あたかも映画のシーンのなかに入ってしまったかのような感覚を観客に提供することができる。3-D映画と聞くと、いかにも立体映画っぽいショットを連想する人が多い。登場人物や物体が空を舞ったり、浮遊したり、観客席に向かって突進してくる、というような。でも、こうしたショットは、良質の立体映画を作る上では、例外として扱われるべきだと思うんだ。
3-D映画には圧倒的な臨場感があるから、あたかも映画のシーンのなかに入ってしまったかのような感覚を観客に提供することができる。3-D映画と聞くと、いかにも立体映画っぽいショットを連想する人が多い。登場人物や物体が空を舞ったり、浮遊したり、観客席に向かって突進してくる、というような。でも、こうしたショットは、良質の立体映画を作る上では、例外として扱われるべきだと思うんだ。
「クリエイティブ面では、どんなジャンルのどんな映画であっても3-D映像の恩恵を受けるはず」
3-D映画を見るという行為は、ある窓から「もうひとつの現実」を覗き見する行為に近い。だから、アクションやファンタジー、アニメーションといった非現実的な世界を描く映画ジャンルにおいてこそ、3-D映像の持つ臨場感が生きるんだ。この点については、すでに映画界全体が認識している。
ただし、すべてのシーンにおいて、3-D映像の圧倒的なリアリティがどれほどの効果をもたらすかという点については、まだ広く認識されていない。例えば、親密なドラマの場面とかね。費用対効果を考えると、全ての映画が3-Dで作られるべきだとは言わないが、クリエイティブ面を考えれば、どんなジャンルのどんな映画であっても3-D映像の恩恵を受けるはずだよ。
一過性のブームで終わった1950年代の立体映画と違って、この新たな3-D映画は、映写の不具合や眼精疲労といった旧来の問題を解決するだけでなく、注目の大作映画に次々と採用されている。キワモノ映画のためのこけおどしじゃないんだ。また、3-Dは映画の既成概念を書き換えるチャンスでもある。誰もが納得する付加価値を提供する代わりに、チケット代を上げるチャンスでもあるんだ。
*次は、監督の手法、俳優の心構え、撮影方法など3-Dが製作面で及ぼす影響について、聞いてみたい。
【ジェームズ・キャメロン監督が3-Dを語り尽くす パート2へ】
ただし、すべてのシーンにおいて、3-D映像の圧倒的なリアリティがどれほどの効果をもたらすかという点については、まだ広く認識されていない。例えば、親密なドラマの場面とかね。費用対効果を考えると、全ての映画が3-Dで作られるべきだとは言わないが、クリエイティブ面を考えれば、どんなジャンルのどんな映画であっても3-D映像の恩恵を受けるはずだよ。
一過性のブームで終わった1950年代の立体映画と違って、この新たな3-D映画は、映写の不具合や眼精疲労といった旧来の問題を解決するだけでなく、注目の大作映画に次々と採用されている。キワモノ映画のためのこけおどしじゃないんだ。また、3-Dは映画の既成概念を書き換えるチャンスでもある。誰もが納得する付加価値を提供する代わりに、チケット代を上げるチャンスでもあるんだ。
*次は、監督の手法、俳優の心構え、撮影方法など3-Dが製作面で及ぼす影響について、聞いてみたい。
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