
今や、世界で最も有名なスタイリストとなったパトリシア・フィールド。ファッションによって4人のキャラクターを際立たせることに成功した『セックス・アンド・ザ・シティ』において、5人目の主役とも言われている。赤く染めたロングヘアをうねらせながら、シャネルのミニドレス姿で颯爽と登場。素足にピンヒールという脚を大胆に組み、人懐っこい笑顔をたたえる姿は十数年後のSATC的?
「世界中の何百万人という女性たちをつなぐことができたのが、何より嬉しいわ。SATCは女性専用クラブ。何世紀もの間、男性専用クラブから締め出されてきた女性たちが、『そろそろ自分たちのためのクラブがあってもいいじゃない?』と思い始めた。インタラクティブなパーティ、まるで『ロッキー・ホラー・ショー』みたいな感じよ」
事実、女性同士で着飾って出かけ、わいわいとおしゃべりを楽しむライフスタイルは、キャリーたちが好んで飲んだカクテル、コスモポリタンとともにマンハッタン島を飛び出して、世界中へと広まった。
「世界中の何百万人という女性たちをつなぐことができたのが、何より嬉しいわ。SATCは女性専用クラブ。何世紀もの間、男性専用クラブから締め出されてきた女性たちが、『そろそろ自分たちのためのクラブがあってもいいじゃない?』と思い始めた。インタラクティブなパーティ、まるで『ロッキー・ホラー・ショー』みたいな感じよ」
事実、女性同士で着飾って出かけ、わいわいとおしゃべりを楽しむライフスタイルは、キャリーたちが好んで飲んだカクテル、コスモポリタンとともにマンハッタン島を飛び出して、世界中へと広まった。
結婚式には、どんなドレスを?
キャリーの内側を描くための巧みな作戦

「青い鳥を頭にのせた」シーンがパパラッチによって出回るや、巷は「YES!」「NO!」の大論争に。(c) MMVlll New Line Productions, Inc. Sex and the City(tm) is a trademark of Home Box Office, Inc. All Rights Reserved.
「現実より少しだけ上」なイメージ設定で女性たちを虜(とりこ)にしてきたパトリシアのSATCスタイリングだが、映画版では大スクリーンでこそ堪能できるお楽しみも用意されている。最たるものは、キャリーのウエディング・ドレス。「VOGUE」誌用の撮影という設定で数着のオートクチュールを身にまとうキャリーが最後に選んだ1着は、ドレープたっぷりのクラシカルな“お姫様”風で……。
「20着以上の候補から最終的にヴィヴィアン・ウエストウッドのドレスを選んだのは、どれよりもプリンセスを感じさせるドレスだったから。キャリーの中には『お姫様になりたい』というトラディショナルな側面があって、その気持ちを体現できるドレスだったからなのよ。もっとセクシーだったり、もっと洗練されたデザインもあったけれど、キャリーに最適だったのはこのプリンセス・ドレスだった」
ウエディング・シーンにまつわるエピソードはまだあるわよ、とパトリシアは話を続ける。ヴィヴィアンのドレスをまとったキャリーのヘッドドレスとして、パトリシアは鮮やかなブルーの羽飾りを用意した。そのシーンはパパラッチによってリークされ、たちまち賛否両論が渦巻いたという。
「20着以上の候補から最終的にヴィヴィアン・ウエストウッドのドレスを選んだのは、どれよりもプリンセスを感じさせるドレスだったから。キャリーの中には『お姫様になりたい』というトラディショナルな側面があって、その気持ちを体現できるドレスだったからなのよ。もっとセクシーだったり、もっと洗練されたデザインもあったけれど、キャリーに最適だったのはこのプリンセス・ドレスだった」
ウエディング・シーンにまつわるエピソードはまだあるわよ、とパトリシアは話を続ける。ヴィヴィアンのドレスをまとったキャリーのヘッドドレスとして、パトリシアは鮮やかなブルーの羽飾りを用意した。そのシーンはパパラッチによってリークされ、たちまち賛否両論が渦巻いたという。
キャリーが頭に……青い鳥!?
秀逸なダイアローグを、スタイリングが導き出すこともある
「あのシーンを撮った後、脚本も担当した監督はその先のセリフを書いたんです。キャリーは『あの男のために、私は頭に“青い鳥”までのせたのよ!』って嘆くのよ(笑)。するとミランダが冷静に『あれ、羽じゃなかったの? きれいだったわよ』と受け応えるの」
監督が脚本を書き、パトリシアが脚本を解釈して、女優たちをスタイリングする。そのことが、再び脚本に生かされて……という好循環。SATCの衣装は、ファッショナブルさだけで成立しているわけではなかったのだ。
「あのミランダとの会話がいい例なのだけれど、SATCでは観客とパーソナルな対話ができるの。オープニングの、巨大なコサージュがついた白のドレスも、『みなさん、帰ってきたわよ!』という観客へのキャリーのメッセージになっていて。そうした、メッセージは劇中で何度も出てきます」
監督が脚本を書き、パトリシアが脚本を解釈して、女優たちをスタイリングする。そのことが、再び脚本に生かされて……という好循環。SATCの衣装は、ファッショナブルさだけで成立しているわけではなかったのだ。
「あのミランダとの会話がいい例なのだけれど、SATCでは観客とパーソナルな対話ができるの。オープニングの、巨大なコサージュがついた白のドレスも、『みなさん、帰ってきたわよ!』という観客へのキャリーのメッセージになっていて。そうした、メッセージは劇中で何度も出てきます」

ドレスの丈以上に、その立ち姿が潔いパトリシア・フィールド。脚本・監督・制作を担当したマイケル・パトリック・キングとともに。
衣装デザイナーの仕事とは「女優がそのキャラクターになるのを助けること」とパトリシア。現場は、コラボレーションの連続だという。
「私が薦めた衣装でも、役作りに取り組む女優が『なんだか着心地がよくない』と言われれば、『オーケー、着なくていいわよ』と言いますし、別の何かを着たいと言えば、『わかった。それであなたが素敵に見えるようにスタイリングするわ』と。『パトリシアが持ってきた衣装は何でも着るわ』というのは、逆に問題なの。『なるべくたくさんのものをちょうだい。そうすれば、私もたくさんあげるから』って」
パトリシア・フィールド Patricia Field
衣装デザイナー・スタイリスト。『マイアミ・ラプソディー』でサラ・ジェシカ・パーカーと初めて組み、テレビシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」の衣装を担当。2度のエミー賞、4度のコスチュームデザイナー組合賞を受賞する。『プラダを着た悪魔』ではアカデミー賞、BAFTAにノミネートされた。ニューヨーク出身で、マンハッタンには自身のブティックも持つ。
「私が薦めた衣装でも、役作りに取り組む女優が『なんだか着心地がよくない』と言われれば、『オーケー、着なくていいわよ』と言いますし、別の何かを着たいと言えば、『わかった。それであなたが素敵に見えるようにスタイリングするわ』と。『パトリシアが持ってきた衣装は何でも着るわ』というのは、逆に問題なの。『なるべくたくさんのものをちょうだい。そうすれば、私もたくさんあげるから』って」
パトリシア・フィールド Patricia Field
衣装デザイナー・スタイリスト。『マイアミ・ラプソディー』でサラ・ジェシカ・パーカーと初めて組み、テレビシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」の衣装を担当。2度のエミー賞、4度のコスチュームデザイナー組合賞を受賞する。『プラダを着た悪魔』ではアカデミー賞、BAFTAにノミネートされた。ニューヨーク出身で、マンハッタンには自身のブティックも持つ。
Photos / Hirano Tezuro











































