ヘッダーの始まり

グローバルナビゲーションの始まり
ホームニュース特集インタビュー(選択中)動画コラムレビューランキングフォトギャラリーピックアップ
最新映画情報V ブログ教えて!エンタ業界転職情報フロムジャパンV プラスメールマガジンプレゼント映画データベース
パンくず式ナビゲーション

『チーム・バチスタの栄光』竹内結子
「私の恥ずかしいところや弱いところが全部田口になっている」

2008/02/01

いい意味で原作を裏切る新しい作品に

 バチスタ手術(難易度が高い拡張型心筋症に対する手術)の専門集団「チーム・バチスタ」内で起こった術中死の真相を解き明かしてゆく映画『チーム・バチスタの栄光』。原作は、第4回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した現役医師による医療ミステリー小説。そんな傑作原作の映画化でいちばんミステリアスなポイントは、原作では中年オヤジだった主人公が、若き女性・田口公子に変わっている点だ。その田口に挑んだのは、昨年『サイドカーに犬』(2007/根岸吉太郎監督)以降、『クローズド・ノート』(行定勲監督)、『ミッドナイトイーグル』(成島出監督)などで果敢な新境地開拓を続ける竹内結子。まずは難役に挑戦した意気込みから伺ってみた。

「私が田口を演じることになり、年齢や性別を越えてしまうことで、原作ファンの期待している作品の雰囲気がどこまで変わるのか? そんな不安が最初はありました。でも中村義洋監督とお話する中で、いい意味で原作を裏切る、新しい作品を作っていこうという面白さを感じたんですよね。そんな楽しさもあって。原作もこの作品にも共通なのは田口という人が何かに共感できる人であると。それを演じるのは、男性でなくても可能であるだろうというわけで。……こう言うとすごいことをやってのけた感じがしますけど、普通ですやん、この人(笑)」

 ……普通でしょうか!? どんな人物像を考えられましたか。

「心療内科医師という仕事柄なのか、自分の中に溜まっているものを吐き出すにはもってこいの人だなという反面、あまりにもマイペースなので、ちょっといじめたくなるというか(笑)。原作にない設定で、ソフトボールのピッチャーをしている一面があるんです。常に人の話を受けるばかりで、自分から働きかけをすることがない田口ですが、ソフトボールを好きになったことで何か解消される部分もあったのかなぁと思いました。私自身は初めてボールに触ったくらいのドシロウトなんですが、台本には『豪速球!』と書かれてあって。監督には『すごいプレーヤーと言うよりは、付き添いから無理やり始めさせられたソフトボールだが、始めてしまったら好きになってしまい、今ではソフトボールを愛してやまない。そんな人になってください』と。『……それは好きこそものの上手なれってことでいいんですよね?』と確認してから、フォームの練習を始めました(笑)。実は調査ファイルのイラストも、私が描いたものが採用されたのですが、そういう点では私の恥ずかしいところや弱いところが、全部田口になっているのかも知れません。でも田口自身がどういう生き物なのかを考えると見えなくて。たぶん自分とちょっと近いからなのかなって思ったりもします」



中村監督の現場はミステリー

 それにしても舌鋒冴えわたる中村監督、どんな演出でしたか。

「現場でキャストのみなさんとも『どういう展開になるかわからない、どんな雰囲気になるかさっぱり読めない』と話していました。こういう感じだろうなと想定して現場へ行くと、全てひっくり返されてしまうんです。セリフや動きのテンポにしても『田口は言われたことをひとつひとつ、解釈して反応できる人ではありません』、『全くそこに気づく人ではありません』、『そこに気づく人じゃあないんですよ(笑)』とか。なぜそういう演出になるのかわからなくて、現場ではずっと頭を抱えていました。隣では白鳥役の阿部(寛)さんも頭を抱えてらして。まさに“現場もミステリー”でした(笑)」

 その謎は、完成作を観て明らかになったのだとか!

「田口はいろんなものを見ているんですが、彼女自身がそのヒントを繋げて、何かを考えていくわけではないんです。つまり、田口は作品とお客さんを繋ぐレンズのような役割だったのだと。私たち役者陣は全員、結末を知った上で芝居をしているので、特に私はどうしても無意識に注意が働いてしまって。そんな思惑を外していくのが監督の演出だったんだな! って。相手に興味を持って接しているのに事件解決のヒントを拾えない田口が、私はもどかしくて。なのに本人(田口)はその自覚がなくて」

監督それぞれの世界観と可能性

 そう言えば、田口はずっと鍵のペンダントを身につけていましたよね?

「あれは監督が『それ、いいね』っておっしゃって。……あぁ、もしかすると“いち早く本当の鍵に近づいていたのはこの人です!”という意味合いで、田口が鍵を持っていたのかも。うわ〜監督ったら、ものすごい策士かも(笑)!」

 彼女の話を聞いていると、役者とはその役のいちばんの理解者なのだと改めて思う。役をふくよかにするこの女優は、去年からの自身の仕事っぷりをどう捉えているのだろう。

「これだけテイストの違う作品に参加してみて、監督それぞれに異なる世界観があるのだと改めて感じました。違う場所へ行けば、きっとまた新しいものが見つかるのかもしれないとどんどん興味が沸いてきます。自分が演じた役柄についても、人にはいろんな有り様があるんだなぁと思いますね。視点はいろんなところにあるのだという可能性に惹かれています」

 本作も、田口の女性らしい柔らかさが、結果、心地よいラストへと繋がった。まさに “可能性”という言葉が今、最も似合うミステリアス女優・竹内結子。今年もいろんな世界を駆け巡り、観客を魅了してくれることだろう。

text by Kana Ishimura
photographs by Kenta Yoshizawa
hair & make-up by Hiromi Sasaki
styling by Ikuko Utsunomiya

『チーム・バチスタの栄光』
●監督:中村義洋 プロデューサー:佐倉寛二郎、山内章弘 エグゼクティヴプロデューサー:間瀬康宏 企画:市川南 原作:海堂尊 脚本:斉藤ひろし、蒔田光治 音楽:佐藤直紀
●出演:竹内結子阿部寛、吉川晃司、佐野史郎、池内博之、田中直樹、玉山鉄二、田口浩正、井川遥、野際陽子、平泉成、國村隼
●2008年/日本/SRD/ビスタサイズ/120分/2月9日(土)全国東宝系にて日本公開
●配給:東宝

竹内結子
1980年4月1日生まれ、埼玉県出身。96年にテレビドラマ「新 木曜の怪談 サイボーグ Cyborg」で女優デビュー。中田秀夫監督作品『リング』(98)で映画デビューを飾る。続く2作目の映画『イノセントワールド』(98)で初主演。99年、連続テレビ小説「あすか」のヒロインに抜擢され、注目を浴びる。以後、『黄泉がえり』(03)、『いま、会いにゆきます』(04)といった大ヒット作に出演するなど、ドラマや映画を中心に活躍。エッセイ集なども出版している。現在、08年1月スタートの月9ドラマ「薔薇のない花屋」に出演中。



パンくず式ナビゲーション
広告エリアの始まり

フッターナビゲーションの始まり
フッターの始まり