
PFD社は英国で最も古い大手代理店
英国で最も古い大手代理店PFDに反旗を翻した29人のエージェントたちが立ち上げた、ユナイテッド・エージェント社。PFDとの間で、1年近く続いた混乱と喧騒に終止符が打たれ、平和の光が見えてきた。
数カ月に及ぶ自宅作業や仮事務所での仕事を余儀なくされた後、同社は本社オフィスをソーホーのレキシントン・ストリートに構える事ができた。
コメディ界の重鎮ピーター・ベネット=ジョーンズ(ローワン・アトキンソンのエージェント)が、PFDの株式上場会社であるCSSステラー社との仲介役を担ってきた。彼はユナイテッド・エージェントの株を取得し、リンディ・キング(キーラ・ナイトレイのエージェント)と共同チェアマンとして同社に携わる。
ベネット=ジョーンズは、自身のエージェント会社タイガー・アスペクトを2006年に5000万ドル以上で売却。しかし現在でも、小さな広告代理店であるPBJマネージメントの経営は続けている。PBJの経営は、向こう5年間のユナイテッド・エージェントの銀行ローン返済を助けることになる。
そして彼らは、自社が抱えるクライアントに全神経を注ぐ事ができるようになった。同社の顧客として名を連ねるのは、ケイト・ウィンスレット、リッキー・ジャーヴェイス、マイク・リー、アラン・ベネット、それにリチャード・カーティスらという、イギリスを代表する俳優・監督・作家である。
もちろん、エージェントたちは今回の新会社設立に伴う大混乱がクライアントたちに影響を及ぼさないよう、細心の注意を払ったと主張する。だが、料理中に片手で持つ携帯電話越しに昔の上司から甚だしい契約違反を訴えられたとしたら、多少注意がそれることは責められないだろう。
とはいえ、実際のところほとんどのクライアントは、そのままユナイテッド・エージェントに移行した。「我々の顧客が持っていた唯一の心配は、私たちに対するものでした。特に、メディアに情報が流れ始めた時は」と話したのは、ジェームズ・マカヴォイを担当するルース・ヤング氏。「クライアントを巻き込まないように努力しました。いかにこの期間が辛く、酷いものだったのかを、彼らが知る必要はないのですから」。
エージェントたちは、CSSステラーからの分離は、何よりもクライアントのためだと言う。ウィンスレットのほか、シエナ・ミラー、ロザムンド・パイクらのエージェントを務めるダラス・スミス氏は、「共同経営の最大の問題点は、親会社のきまぐれに振り回されることです。エージェントとして、クライアントのその時点で最高のキャリアを作ることが最優先事項であり、社の利益ありきではないのです」と打ち明けた。
スポーツとエンタテインメントのプロモーション会社であるCSSステラーは、PFDを2001年に買収。しかし、伸び悩んでいる自社子会社のため、PFDの利益が混合させられるようになり、また、約束されていた投資が実現しなかったことから、2社の関係に亀裂が生じ始めるようになる。そして昨年、CSSがエージェントたちからの買収提案を退け、代わりに当事者たちへの相談無しにPFDを他社に売却しようとしたことから、エージェントたちの幻滅は怒りへと変わった。ベテランのマイケル・シッソンズを除いたエージェント全員がPFDを退社し、自分たちのエージェント会社を設立したというわけだ。
一連の騒動は、ロンドンの社交界やゴシップ・コラムで、格好の噂のネタになった。登場人物が個性派揃いなのだから仕方ない。片やイギリスの最も有名なスターや小説家を抱えるエージェント軍団で、それに対立するのはCSSが昨年9月にウィリアム・モリスから引き抜いた、出版界に君臨する女王カロリーヌ・ミッチェルなのだから。同社はミッチェルにPFDの経営を委託し、エージェントたちの逃亡を防ごうとしたが、この招かれざる客の登場は、ただエージェントたちの決意を後押ししただけだった。
「我々全員が、ユナイテッド・エージェントの自社株を所有しています。投資額は同じではないでしょうが、全ての社員が、平等な権利を持っています」と説明するのは、映画&テレビ部門のトップをダンカン・ヘイズと共に務めるナターシャ・ギャロウェイ。「全員が自らの意思で選んだのです。他の仕事を選ぶことは簡単だったでしょうし、もし目指すべき方向性が違っていたら、すぐにバラバラになっていたでしょう。ですが私たちには、忠誠心と信頼があったのです。世代を超え、専門分野を超えた、本当に良い仲間の集まりなのです」。
同社が抱える問題は、膨大な量の既刊書、現在有効な契約の利益、そしてこれから3年間のうちに発生する、元PFDのクライアントとの新契約利益の一部をPFDが持っているという事だ。しかし裏を返せば、かつては帝国として君臨したPFDが、一握りのクライアントしか保有していないことにもなる。
だが、CSSが今年1月に経営陣を一新したことで、和解案にも光明が開けてきた。ユナイテッド側の交渉人を率いているのは、ベネット=ジョーンズ。両者の話し合いは現在進行中だが、昨秋に飛び交った辛辣な言葉は、今や懐柔的な言葉に代わっている。
ベネット=ジョーンズは、自分の役割がユナイテッドを牽引することではなく、企業家としての経験を社員のために役立てることだと言う。「現在の課題は、まず立ち上がって走り始めること。そしてクライアントたちがしっかりとケアされていることを確証すること」と話し、「制作会社になろうという野望はないが、クライアントにとって良いプロデューサーを見つける機会や、彼らがすることを一緒に提携していくチャンスはある」と展望に思いをめぐらせた。
数カ月に及ぶ自宅作業や仮事務所での仕事を余儀なくされた後、同社は本社オフィスをソーホーのレキシントン・ストリートに構える事ができた。
コメディ界の重鎮ピーター・ベネット=ジョーンズ(ローワン・アトキンソンのエージェント)が、PFDの株式上場会社であるCSSステラー社との仲介役を担ってきた。彼はユナイテッド・エージェントの株を取得し、リンディ・キング(キーラ・ナイトレイのエージェント)と共同チェアマンとして同社に携わる。
ベネット=ジョーンズは、自身のエージェント会社タイガー・アスペクトを2006年に5000万ドル以上で売却。しかし現在でも、小さな広告代理店であるPBJマネージメントの経営は続けている。PBJの経営は、向こう5年間のユナイテッド・エージェントの銀行ローン返済を助けることになる。
そして彼らは、自社が抱えるクライアントに全神経を注ぐ事ができるようになった。同社の顧客として名を連ねるのは、ケイト・ウィンスレット、リッキー・ジャーヴェイス、マイク・リー、アラン・ベネット、それにリチャード・カーティスらという、イギリスを代表する俳優・監督・作家である。
もちろん、エージェントたちは今回の新会社設立に伴う大混乱がクライアントたちに影響を及ぼさないよう、細心の注意を払ったと主張する。だが、料理中に片手で持つ携帯電話越しに昔の上司から甚だしい契約違反を訴えられたとしたら、多少注意がそれることは責められないだろう。
とはいえ、実際のところほとんどのクライアントは、そのままユナイテッド・エージェントに移行した。「我々の顧客が持っていた唯一の心配は、私たちに対するものでした。特に、メディアに情報が流れ始めた時は」と話したのは、ジェームズ・マカヴォイを担当するルース・ヤング氏。「クライアントを巻き込まないように努力しました。いかにこの期間が辛く、酷いものだったのかを、彼らが知る必要はないのですから」。
エージェントたちは、CSSステラーからの分離は、何よりもクライアントのためだと言う。ウィンスレットのほか、シエナ・ミラー、ロザムンド・パイクらのエージェントを務めるダラス・スミス氏は、「共同経営の最大の問題点は、親会社のきまぐれに振り回されることです。エージェントとして、クライアントのその時点で最高のキャリアを作ることが最優先事項であり、社の利益ありきではないのです」と打ち明けた。
スポーツとエンタテインメントのプロモーション会社であるCSSステラーは、PFDを2001年に買収。しかし、伸び悩んでいる自社子会社のため、PFDの利益が混合させられるようになり、また、約束されていた投資が実現しなかったことから、2社の関係に亀裂が生じ始めるようになる。そして昨年、CSSがエージェントたちからの買収提案を退け、代わりに当事者たちへの相談無しにPFDを他社に売却しようとしたことから、エージェントたちの幻滅は怒りへと変わった。ベテランのマイケル・シッソンズを除いたエージェント全員がPFDを退社し、自分たちのエージェント会社を設立したというわけだ。
一連の騒動は、ロンドンの社交界やゴシップ・コラムで、格好の噂のネタになった。登場人物が個性派揃いなのだから仕方ない。片やイギリスの最も有名なスターや小説家を抱えるエージェント軍団で、それに対立するのはCSSが昨年9月にウィリアム・モリスから引き抜いた、出版界に君臨する女王カロリーヌ・ミッチェルなのだから。同社はミッチェルにPFDの経営を委託し、エージェントたちの逃亡を防ごうとしたが、この招かれざる客の登場は、ただエージェントたちの決意を後押ししただけだった。
「我々全員が、ユナイテッド・エージェントの自社株を所有しています。投資額は同じではないでしょうが、全ての社員が、平等な権利を持っています」と説明するのは、映画&テレビ部門のトップをダンカン・ヘイズと共に務めるナターシャ・ギャロウェイ。「全員が自らの意思で選んだのです。他の仕事を選ぶことは簡単だったでしょうし、もし目指すべき方向性が違っていたら、すぐにバラバラになっていたでしょう。ですが私たちには、忠誠心と信頼があったのです。世代を超え、専門分野を超えた、本当に良い仲間の集まりなのです」。
同社が抱える問題は、膨大な量の既刊書、現在有効な契約の利益、そしてこれから3年間のうちに発生する、元PFDのクライアントとの新契約利益の一部をPFDが持っているという事だ。しかし裏を返せば、かつては帝国として君臨したPFDが、一握りのクライアントしか保有していないことにもなる。
だが、CSSが今年1月に経営陣を一新したことで、和解案にも光明が開けてきた。ユナイテッド側の交渉人を率いているのは、ベネット=ジョーンズ。両者の話し合いは現在進行中だが、昨秋に飛び交った辛辣な言葉は、今や懐柔的な言葉に代わっている。
ベネット=ジョーンズは、自分の役割がユナイテッドを牽引することではなく、企業家としての経験を社員のために役立てることだと言う。「現在の課題は、まず立ち上がって走り始めること。そしてクライアントたちがしっかりとケアされていることを確証すること」と話し、「制作会社になろうという野望はないが、クライアントにとって良いプロデューサーを見つける機会や、彼らがすることを一緒に提携していくチャンスはある」と展望に思いをめぐらせた。
























































