
『ホートン ふしぎな世界のダレダーレ』のプレミアに参加したジム・キャリー
ディズニーとドリームワークスが独占していたアメリカの長編アニメーション業界が、急激に競争化社会となりつつある。各スタジオはそれぞれに知恵を絞り、“アニメの王国”を脅かすチャンスを狙っている。
米20世紀フォックス・アニメーションが、CGIスタジオのブルー・スカイと手を組んで製作した『ホートン ふしぎな世界のダレダーレ』は、全米興行成績(BOX OFFICE)で1位を獲得。このヒットは、同社のアニメ業界での地位も確立した。
他のスタジオも、後れを取るまいと息巻いている。
米ユニバーサル・ピクチャーズは、元フォックス・アニメの幹部だったクリス・メレダンドリを招へいすることに成功。『ホートン』や、『アイス・エイジ』シリーズのヒットを見越していた辣腕で、彼の独立系家族向けエンタテインメント会社イルミナシオンの設立をユニバーサルが手伝うことで、力を貸してもらうことを約束した。だ契約には、イルミナシオン社の部分オーナーシップが含まれている。
最初の2作品が苦戦しているものの、米ソニー・ピクチャーズも最近になってアニメーション部門のトップを変更。再び、アニメ界への参戦を図る。
『ハッピー フィート』で大成功を収めた米ワーナー・ブラザースには、製作待機中の企画が山ほどある。アニメに興味のある実写映画監督や、独立系アニメーション・スタジオと手を組めればと考えている。
相変わらず王座に君臨しているのは、米ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ。しかしその貢献者は、ディズニー・アニメーション・スタジオより、ピクサーだろう。ドリームワークス・アニメーションは、1年間に2作品を製作。パラマウントが配給し、今では『シュレック』と『マダガスカル』という強いシリーズ作品を持っている。
ここ数年の間、“CGIアニメは確実にヒットする”という業界の格言を、ことごとく打ち砕いてきたアニメーション。『マウス・タウン ロディとリタの大冒険』(日本未公開)、『ルイスと未来泥棒』、そして『サーフズ・アップ』……。とはいえ、やはりアニメが最も頼れるジャンルであることに変わりはなく、特にホームビデオ業界では依然強い。
特に、米国の経済が揺らいでいる時には重要なポイントになってくる。家族を対象とした娯楽の中で、映画は今でも“お得なレジャー”になっている。アメリカ映画協会の調べによると、2007年に4人家族が遊園地に出かけたチケット代は、計141ドル20セント。野球観戦なら94ドルだ。では劇場に映画を見に行く場合はどうか? たった27ドル52セントで収まる。
3-Dに対する興味も、スタジオ側がアニメーションに力を注ぐきっかけになっている。CGIアニメは3-D化するのが簡単で、新しい技術に興味を持つ若い観客層もターゲットになる。ドリームワークスは、これからのアニメ作品をすべて3-D化することを決定し、09年の“Monsters vs. Aliens”から始める。現在製作されている他の3-Dアニメには、フォックスの“Ice Age: Dawn of the Dinosaurs”と、ディズニーが再リリースする『トイ・ストーリー』がある。
アニメ界での快進撃を楽しんでいるのはフォックスだ。メレダンドリがいなくなっても『ホートン』を成功に導くことができ、持久戦を戦う力があることを証明してみせた。また、『ホートン』のヒットだけでなく、“Alvin and the Chipmunks”も予想外のヒット作となった。「多くの評論家が目を回しました」と話すのは、フォックス・フィルムド・エンタテインメエントのトム・ロースマン共同チェアマン。「CGIアニメーションが素晴らしかった。そして私たちも、この作品を家族向け映画だと宣伝するだけでなく、様々な方面に働きかけました」。
“Alvin~”は結果的に、アメリカ国内だけで興収2億410万ドルを記録。現時点での国外記録は、3億5000万ドルだ。外部発注された部分はあったものの、大半は『ホートン』や『アイス・エイジ』を手がけたブルー・スカイが制作。次回作は、夏の大作“Ice Age: Dawn of the Dinosaurs”だ。
CGIアニメをすべて自社製作しているのはソニー。しかし、手堅い成功があったとは言い難い。アカデミー賞にノミネートされたものの、『サーフズ・アップ』は興行面で沈没。06年公開の『オープン・シーズン』も、波乗りペンギンの記録を少し上回っただけだった。しかしソニー・ピクチャーズ・デジタル・プロダクションの新社長ボブ・オシャーは、「良質なアニメを作り出すことができることを証明しました。さらに多くの観客に見てもらえる物語を探します。また、実写とアニメをミックスした低予算映画にも、可能性を見ています」と話した。
ソニーは、すでにビデオ&DVD用の『オープン・シーズン』続編を製作。“Alvin~”の成功にも注目しており、イメージワークスが持つ実写映画における特殊効果の経験を生かした作品を作りたい、と考えている。
『300<スリーハンドレッド>』の成功で、ワーナーは“実写映画における特殊効果部門”で、すでに足掛かりを作っている。デジタル・プロダクションのクリス・デファリア上級副社長は、06年にワーナーとして初のCGIアニメ作『アントブリー』を公開し、で大打撃を食らった。しかしその後すぐに、『ハッピー フィート』で挽回。現在発表されているワーナーの唯一のアニメ作品は、80年代のテレビアニメ“Tundercats”を映画化したもの。しかし、『ハッピー フィート』の制作会社アニマル・ロジックと共同で資金調達している新企画もあり、デファリア副社長は、近いうちに製作段階に持ち込みたい作品が数本あると話す。
メレダンドリのイルミナシオン社は、内部にアニメーターを持たず、映画製作者たちとともに企画を発展させ、その後、独立系アニメ・スタジオから協力を得る手法を取る。ユニバーサルからいくらかの援助を受け、その他は外部から募ったお金で設立した新会社が、少しの経験と才能、そして山のようなアイディアで込み合った業界に参入したとしても、市場にはまだまだ空席があると言う。自分のチームを集めて、作品ごとにスタジオを転々とできるからだ。
「ここ5年間で、クリエイティブな才能が次々と浮上してきた。1つの作品ごとに、それぞれのスタジオに出入りできるんだ。僕らがチームを作り、予算を立てることが、これまでになく自由になったよ」。
アニメの勢いは、まだまだ衰えそうに無い。
米20世紀フォックス・アニメーションが、CGIスタジオのブルー・スカイと手を組んで製作した『ホートン ふしぎな世界のダレダーレ』は、全米興行成績(BOX OFFICE)で1位を獲得。このヒットは、同社のアニメ業界での地位も確立した。
他のスタジオも、後れを取るまいと息巻いている。
米ユニバーサル・ピクチャーズは、元フォックス・アニメの幹部だったクリス・メレダンドリを招へいすることに成功。『ホートン』や、『アイス・エイジ』シリーズのヒットを見越していた辣腕で、彼の独立系家族向けエンタテインメント会社イルミナシオンの設立をユニバーサルが手伝うことで、力を貸してもらうことを約束した。だ契約には、イルミナシオン社の部分オーナーシップが含まれている。
最初の2作品が苦戦しているものの、米ソニー・ピクチャーズも最近になってアニメーション部門のトップを変更。再び、アニメ界への参戦を図る。
『ハッピー フィート』で大成功を収めた米ワーナー・ブラザースには、製作待機中の企画が山ほどある。アニメに興味のある実写映画監督や、独立系アニメーション・スタジオと手を組めればと考えている。
相変わらず王座に君臨しているのは、米ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ。しかしその貢献者は、ディズニー・アニメーション・スタジオより、ピクサーだろう。ドリームワークス・アニメーションは、1年間に2作品を製作。パラマウントが配給し、今では『シュレック』と『マダガスカル』という強いシリーズ作品を持っている。
ここ数年の間、“CGIアニメは確実にヒットする”という業界の格言を、ことごとく打ち砕いてきたアニメーション。『マウス・タウン ロディとリタの大冒険』(日本未公開)、『ルイスと未来泥棒』、そして『サーフズ・アップ』……。とはいえ、やはりアニメが最も頼れるジャンルであることに変わりはなく、特にホームビデオ業界では依然強い。
特に、米国の経済が揺らいでいる時には重要なポイントになってくる。家族を対象とした娯楽の中で、映画は今でも“お得なレジャー”になっている。アメリカ映画協会の調べによると、2007年に4人家族が遊園地に出かけたチケット代は、計141ドル20セント。野球観戦なら94ドルだ。では劇場に映画を見に行く場合はどうか? たった27ドル52セントで収まる。
3-Dに対する興味も、スタジオ側がアニメーションに力を注ぐきっかけになっている。CGIアニメは3-D化するのが簡単で、新しい技術に興味を持つ若い観客層もターゲットになる。ドリームワークスは、これからのアニメ作品をすべて3-D化することを決定し、09年の“Monsters vs. Aliens”から始める。現在製作されている他の3-Dアニメには、フォックスの“Ice Age: Dawn of the Dinosaurs”と、ディズニーが再リリースする『トイ・ストーリー』がある。
アニメ界での快進撃を楽しんでいるのはフォックスだ。メレダンドリがいなくなっても『ホートン』を成功に導くことができ、持久戦を戦う力があることを証明してみせた。また、『ホートン』のヒットだけでなく、“Alvin and the Chipmunks”も予想外のヒット作となった。「多くの評論家が目を回しました」と話すのは、フォックス・フィルムド・エンタテインメエントのトム・ロースマン共同チェアマン。「CGIアニメーションが素晴らしかった。そして私たちも、この作品を家族向け映画だと宣伝するだけでなく、様々な方面に働きかけました」。
“Alvin~”は結果的に、アメリカ国内だけで興収2億410万ドルを記録。現時点での国外記録は、3億5000万ドルだ。外部発注された部分はあったものの、大半は『ホートン』や『アイス・エイジ』を手がけたブルー・スカイが制作。次回作は、夏の大作“Ice Age: Dawn of the Dinosaurs”だ。
CGIアニメをすべて自社製作しているのはソニー。しかし、手堅い成功があったとは言い難い。アカデミー賞にノミネートされたものの、『サーフズ・アップ』は興行面で沈没。06年公開の『オープン・シーズン』も、波乗りペンギンの記録を少し上回っただけだった。しかしソニー・ピクチャーズ・デジタル・プロダクションの新社長ボブ・オシャーは、「良質なアニメを作り出すことができることを証明しました。さらに多くの観客に見てもらえる物語を探します。また、実写とアニメをミックスした低予算映画にも、可能性を見ています」と話した。
ソニーは、すでにビデオ&DVD用の『オープン・シーズン』続編を製作。“Alvin~”の成功にも注目しており、イメージワークスが持つ実写映画における特殊効果の経験を生かした作品を作りたい、と考えている。
『300<スリーハンドレッド>』の成功で、ワーナーは“実写映画における特殊効果部門”で、すでに足掛かりを作っている。デジタル・プロダクションのクリス・デファリア上級副社長は、06年にワーナーとして初のCGIアニメ作『アントブリー』を公開し、で大打撃を食らった。しかしその後すぐに、『ハッピー フィート』で挽回。現在発表されているワーナーの唯一のアニメ作品は、80年代のテレビアニメ“Tundercats”を映画化したもの。しかし、『ハッピー フィート』の制作会社アニマル・ロジックと共同で資金調達している新企画もあり、デファリア副社長は、近いうちに製作段階に持ち込みたい作品が数本あると話す。
メレダンドリのイルミナシオン社は、内部にアニメーターを持たず、映画製作者たちとともに企画を発展させ、その後、独立系アニメ・スタジオから協力を得る手法を取る。ユニバーサルからいくらかの援助を受け、その他は外部から募ったお金で設立した新会社が、少しの経験と才能、そして山のようなアイディアで込み合った業界に参入したとしても、市場にはまだまだ空席があると言う。自分のチームを集めて、作品ごとにスタジオを転々とできるからだ。
「ここ5年間で、クリエイティブな才能が次々と浮上してきた。1つの作品ごとに、それぞれのスタジオに出入りできるんだ。僕らがチームを作り、予算を立てることが、これまでになく自由になったよ」。
アニメの勢いは、まだまだ衰えそうに無い。





















































