
『クローバーフィールド』
異色のパニック映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』が8日までに、興行収入11億3000万円を記録した。4月5日の公開から、好調に推移してきたこの成績は、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズをメインにしたチェーン系以外の拡大公開作品としては、海洋ドキュメンタリー『ディープ・ブルー』(興収11億円)を抜き、過去最高となった。
『クローバー~』は、登場人物の手持ちビデオカメラがニューヨークで起こった惨劇を生々しくとらえた映像が評判となり、若者層を中心に人気を得た。ただ、公開当初は極めて似た映像スタイルを持っていた『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99年、興収18億円)の成績を上回る見通しもあったが、残念ながらそれは難しいようだ。
これは、『ブレア~』以上のキワモノ性がなかったからだろう。『ブレア~』には、迫真の映像が生んだドキュメンタリー性があった。そのリアリズム指向においては、殺人の実際性が見るものの関心を呼んだのである。むろんのこと、殺人の実際性などあるわけはないのだが、観客は真実と虚構の皮膜のような映像を楽しんだ。
対する『クローバー~』の映像には、虚構と真実のせめぎ合いがない。ある意味、手法はともかく、まっとうな娯楽作品そのものであり、中身のキワモノ性の点において『ブレア~』にかなり及ばない。11億円を超えた成績は評価していいが、見るものの欲望を挑発していく力は、『ブレア~』のほうが上だった。その差が、興行にしっかりと表れている。
『クローバー~』は、登場人物の手持ちビデオカメラがニューヨークで起こった惨劇を生々しくとらえた映像が評判となり、若者層を中心に人気を得た。ただ、公開当初は極めて似た映像スタイルを持っていた『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99年、興収18億円)の成績を上回る見通しもあったが、残念ながらそれは難しいようだ。
これは、『ブレア~』以上のキワモノ性がなかったからだろう。『ブレア~』には、迫真の映像が生んだドキュメンタリー性があった。そのリアリズム指向においては、殺人の実際性が見るものの関心を呼んだのである。むろんのこと、殺人の実際性などあるわけはないのだが、観客は真実と虚構の皮膜のような映像を楽しんだ。
対する『クローバー~』の映像には、虚構と真実のせめぎ合いがない。ある意味、手法はともかく、まっとうな娯楽作品そのものであり、中身のキワモノ性の点において『ブレア~』にかなり及ばない。11億円を超えた成績は評価していいが、見るものの欲望を挑発していく力は、『ブレア~』のほうが上だった。その差が、興行にしっかりと表れている。


















































