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川喜多かしこさんトリビュート、カンヌで“開幕”
生誕100年記念「A Wreath for Madame Kawakita」

2008/05/18
挨拶するウルリッヒ・グレゴール氏
挨拶するウルリッヒ・グレゴール氏
 長年にわたりヨーロッパと日本映画の懸け橋として大きな足跡を残した、故川喜多かしこさんを称えるイベントが17日(土)、カンヌ映画祭で行われた。

 かしこさんの生誕100年を祝って、川喜多記念映画財団が企画した24本の日本映画を世界各国で上映する「A Wreath for Madame Kawakita」のスタートにあたって開催されたもの。“オープニング”の鈴木清順監督の『ツィゴイネルワイゼン』の上映に先立ち、60年代からカンヌをはじめ各地の映画祭で交流があったというベルリン国際映画祭フォーラム部門の元責任者ウルリッヒ・グレゴール氏が挨拶。20年代からヨーロッパ映画を日本に紹介した先駆者としてのかしこさんの活躍を紹介した。

 かしこさんは、東和商事社長だった川喜多長政氏とともに、東和映画(現東宝東和)を設立。『天井桟敷の人々』『第三の男』など多くの名作を輸入するとともに、黒澤明監督の『羅生門』をヴェネチア国際映画祭で紹介するなど、フィルム・ライブラリー助成協議会(川喜多記念映画文化財団の前身)を立ち上げ、日本映画の保存・収集から海外への普及まで、私財を投じて尽力した。

 グレゴール氏は、ドイツ本国では失われたと信じられていた20年代のドイツのアヴァンギャルド映画『朝から夜まで』が、東和商事が日本に輸入していたおかげで、60年代にプリントが日本で発見され、ドイツで修復上映されたこと。そして、このおかげで主演俳優が初めて出演作を見ることができたことを例にあげ、「映画への愛がなければ、このような奇跡は起こらない」と称えた。

 また、川喜多記念映画財団が、現在もなお日本映画を海外へ紹介する中心となって活動を続けていることに触れ、このような私的な組織は世界のどこにもないと称賛。そして、川喜多記念映画財団の坂野ゆか氏から企画の簡単な説明があった後、映画を心から愛したかしこさんの精神は今も常に財団の中心にある、という力強い宣言で締めくくった。

 川喜多かしこ生誕100年記念海外巡回上映「A Wreath for Madame Kawakita」は、カンヌを皮切りに、シネマテーク・フランセーズ(フランス)、BFI(イギリス)、モントリオール世界映画祭(カナダ)など各国を巡回し、日本では7月25日から東京国立近代美術館フィルムセンターで「生誕100年 川喜多かしことヨーロッパ映画の黄金時代 ヨーロッパ映画名作上映」として9月28日まで上映される予定。

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