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求む!パルムドール候補
バラエティ記者がカンヌ・コンペ出品作を一刀両断

2008/05/20
 カンヌ映画祭も折り返し地点を過ぎた。現地のバラエティ記者、トッド・マッカーシーが、これまで上映されたコンペ部門の10作品をズバリと斬った。

“Waltz With Bashir”
“Waltz With Bashir”
 これまでにお披露目された作品に共通点があるとすれば、そのシリアスさだろう。どの作品も、世界を取り巻く現代的な問題に焦点を当てており、都会のスラムや刑務所、病院、望まぬ妊娠、暴力といったイメージが頻出する。

 これまでのところこれといった作品は存在せず、批評家の評価はまちまちだが、映像的なインパクトで突出しているのは“Waltz With Bashir”だろう。イスラエル出身のアリ・フォルマン監督が、レバノン難民キャンプ虐殺事件をアニメーションで描いた意欲作だ。 

“A Christmas Tale”
“A Christmas Tale”
 映画的な価値だけを見れば、“A Christmas Tale”と“Three Monkeys”という2つの家族ドラマが秀逸。フランス人監督アルノー・デプレシャンによる“A Christmas Tale”は、いつもながら編集に難があるものの、熱のこもった演出と豪華出演陣が見ものだ。

 トルコ人監督ヌリ・ブルゲ・ジェイランの“Three Monkeys”はドラマと物語構成がかい離してしまっている欠点はあるが、ビジュアルは素晴らしい。

 ブラジルのウォルター・サレス、ダニエラ・トマス両監督の“Linha de passe”とイタリアのマッテオ・ガローネ監督の“Gomorra”、ブラジルのフェルナンド・メイレレス監督の『ブラインドネス』はそれぞれ、コントロール不能になった都市を描いているが、もっとも創造性に満ちているのは『ブラインドネス』だろう。 

『ブラインドネス』
『ブラインドネス』
 アルゼンチンのPablo Trapero監督の“Leonera”は、幼い子供を持つ女性囚の獄中生活を描いているが、そのユニークな舞台設定も、お決まりのメロドラマのせいで魅力が半減している。

  フィリピンのBrillante Mendoza監督の“Serbis”はハードコアなセックス場面があるだけで、コンペに出品するだけのクオリティを満たしていない。

 中国のジャ・ジャンクー監督の『二十四城記(原題)』にしても、今年のカンヌ上映において観客が退席するタイミングがもっとも早かった作品。

 ベルギーのリュックジャン・ピエール・ダルデンヌ兄弟のドラマ『ロルナの沈黙(原題)』は、ストーリー上の問題はあるが、これまでの彼らの作品と同様のアート映画に仕上がっている。

 これから上映される作品に期待したい。

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