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4時間半大作『CHE』に賛否両論
カンヌでお披露目、ソダーバーグ「チェと一緒にいる感覚を」

2008/05/23
『CHE(原題)』
『CHE(原題)』
 アルゼンチン人革命家チェ・ゲバラの激動の生涯を描いた注目作『CHE(原題)』が21日(水)、カンヌのコンペ部門でワールドプレミア上映され、評価が分かれている。

 翌22日に行われた記者会見には、監督のスティーヴン・ソダーバーグ、ゲバラを演じたベネチオ・デル・トロ、カストロ役のDemian Bichinら、総勢12人が出席。ソダーバーグ監督は、「キューバ革命より、チェ本人に興味があった。20世紀で最も魅力的な生きざまを見せた人物で、映画にはぴったりだ」と語った。

 7年を経て完成にこぎつけたそうで、前・後編合わせて4時間半近くとなる大作。カンヌでの上映までに編集が終了しないのではと言われていたが、クレジットのエンドロールがないプリントでぎりぎり間に合わせた。

 つまり、スタッフでさえ前・後編通して見るのは初めて。そんななか、評判は賛否両論に分かれている。その主な理由は、チェの描かれ方にあるようだ。彼の思想や感情、そして社会的カリスマ性よりも、1革命家として戦った姿がひたすら描かれている。 

『CHE(原題)』
『CHE(原題)』
 ソダーバーグ監督は「(反応を)面白いなと思った。脚本を読んだスタッフは、この作品は典型的だと思っていたのに、観客はそうではないと不満を言う。結局のところこの映画では、チェと一緒にいるような感覚を味わえるようにつくりたかった。それだけだ。そのために、映画に登場させる場面や思想を選んだ」と、ゲバラの最も身近なところに観客を置いたと説明する。

 演じたデル・トロでさえ、「この作品は何回も見ているうちにいろんなことが見えてくる。いろんな奥行きや角度が、目線や笑顔や道具の使い方でわかり、登場人物がより理解できるようになる。僕はこの作品を理解しているけれど、いまだに、見る度に新しい発見がある。『みんなも、もう一回見ないと』と思うはずだ」と援護した。

 一方、カストロがこの映画を見るかどうかという点が気になるところだが、デル・トロは役作りの間に、カストロと会う機会があったという。「5分くらいカストロと話した。僕たちがこの映画をやろうとしていることを知っていたようで、リサーチに時間をかけていることを喜んでいた。見てくれるとうれしいね」。

 情報筋によると、同作の6000万ドルの製作費の大半を負担したフランスの配給会社ワイルドバンチは、プレミア上映前に、上映時間を短縮するようソダーバーグ監督に要請していたという。ワイルドバンチは出資した分を取り戻すためには、アメリカの配給権を高額で販売する必要がある。

 プレミア上映後、ソダーバーグ監督はすぐに編集作業に取りかかった。いまは、2部作に膨れあがった作品を1本の映画にまとめ、上映時間を短くしようとしている最中だという。

 多くの人にとっての大切なヒーロー像だけに、作品にも厳しい目が注がれる。果たして、ショーン・ペンをはじめとする審査員はどう思ったのだろうか。

 『CHE(原題)』は、2009年日本全国拡大ロードショー。

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