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日本で顕著なホラー映画の苦境

2007/11/29
『ソウ4』(C)MMVII Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.
『ソウ4』(C)MMVII Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.
 ホラー映画や残虐性が強い映画が、日本では苦境に陥っている。公開中の『ソウ4』や『モーテル』が公開2週目に入り、動員をかなり下げた。ここ最近、ホラーなどの類の作品はなかなかヒットが難しい状態が続いているのだが、上映中の2作品を見る限りにおいては、いまだその突破口は見えないと言える。暴力描写が売り物の作品も同じ傾向で、かつてと比べてヒットする作品のジャンルが、かなり限られるようになってきた。

 『ソウ4』はスタート時こそ、これまでのシリーズのファンを中心とした展開で、まずまずの成績だったのだが、2週目の24、25日は1週目の土日より50%近く興行収入を落とした(9大都市ロードショー館の集計)。このままでは、『ソウ3』の最終的な成績である4億8000万円に届くかどうか、微妙な情勢だ。

『モーテル』(C)2007 Screen Gems, Inc. All rights reserved.
『モーテル』(C)2007 Screen Gems, Inc. All rights reserved.
 『モーテル』は、メイン館の東京・東劇だけで見ると、2週目は実に70%近くも数字を落としている。ホラーなどはもともとが、公開が進むにつれ、他のジャンルより動員を下げていく傾向が強かったのだが、それにしてもこの2作品の推移は極端すぎる。

 ただ異色スリラーの『ソウ4』は、それでも4億円台の成績が狙えるだけに、健闘している部類に入る。しかし『モーテル』のように、典型的なホラー映画となると、より事態は悪化している。日本の観客は、ただいたずらに恐がらせたり、血しぶきを上げたりするホラー・スリラー映画には、かなり食傷気味になっているようなのだ。『モーテル』がそうした作品というわけではないが、それでもそうした匂いがある作品は、お金を出してまで見たくないという、抜けがたい先入観が蔓延しているのである。

 ホラーや残酷性の高い作品の“名誉”のために言っておくが、これは映画の側が悪いのではない。日本の観客の質が変わったのである。そうした類の映像は見たくないという感性の変化が、ここ日本においては他国より強く現れていて、それが興行に反映されていると思われる。ただこれは一時的なものなのか、今後さらに変化していくものなのか、現段階では判断が難しい。

 そのあたりを、ホラーやスリラーを送り出す側はよほど細心に見据えていかないと、そうした作品に厳しいという現状に、盲目的に甘んじることになってしまう。

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