ヘッダーの始まり

グローバルナビゲーションの始まり
ホームニュース(選択中)特集インタビュー動画コラムレビューランキングフォトギャラリーピックアップ
最新映画情報V ブログ教えて!エンタ業界転職情報フロムジャパンV プラスメールマガジンプレゼント映画データベース
左側ナビゲーションの始まり
注目記事
「劇的3時間SHOW」見学記
“ササる”言葉を集めてみた
パンくず式ナビゲーション

中国からまた新たなる才能誕生
第29回ナント三大陸映画祭

2007/12/05
 毎年11月下旬(今年は11月20日~27日)にフランス西部の町ナントで開催される三大陸映画祭(Festival des 3 Continents, Nantes 2007)が、今年で29年目を迎えた。三大陸とはアジア・アフリカ・ラテンアメリカのことで、北米と欧州は含まない。“国際”の名のつかない、地方都市の小規模な映画祭だが、台湾の侯孝賢やイランのアッバス・キアロスタミの映画をいち早くヨーロッパに知らしめ、今では知る人ぞ知る、老舗の映画祭になっている。

 今年、コンペティション部門で金賞(金の気球船賞)を獲得したのは、中国のザオ・リャン(趙亮)のドキュメンタリー映画『罪と罰(罪與罰)』(今年からフィクションとドキュメンタリーがコンペ部門に1本化された)。この作品は、北朝鮮との国境に面した中国北部の寒村に駐屯する警察隊に取材したもの。

金賞を受賞したドキュメンタリー映画『罪と罰(罪與罰)』
金賞を受賞したドキュメンタリー映画『罪と罰(罪與罰)』
 市場で捕まったスリや許可証を持たずにゴミを集めていた農夫を逮捕し、ときには暴力を使って自白を強要する。業務にうんざりした隊員が酔って愚痴をこぼすのを、同僚が“これも一つの経験だ”と言って慰める場面まで映像に捉えられている。ザオ・リャンは、逮捕する側とされる側との差は法という権力を握るか握らないかでしかないことを意識しながら、画面の奥にそれを隠し、国家権力という目に見えない束縛を、隊員達が毎朝念入りに行う寝具の畳み方に集約してみせている。頭のいい、優れたドキュメンタリーである。

 もう1本、ジュ・チュアンミン(朱传明)の長編デビュー作『冬の物語(冬天的故事)』に強く惹かれた。再開発が進む北京の下町で、洋品店で働く青年がマッサージ店で売春する娘と知り合い、セックスを介した恋愛を始めるというのが基本のストーリー。やがて青年はナイキの偽スニーカーを売っていたのがバレて店が営業停止になり、娘も街角に立つようになる。つかず離れずのふたりの関係には、現実がそうであるように、答えが用意されていない。見終わって、青年のニヒリスティックな性愛観と浮遊感からか、なんとなく吉行淳之介的な世界を連想した。が、何よりも凄いと思ったのはドキュメンタリーと見紛うばかりのカメラと俳優たちの自然な存在感だった。恐い監督が出てきたものだ。ただし検閲のため、この映画は他の作品同様、未だに公開されていない。

ジュ・チュアンミン(朱传明)の長編デビュー作『冬の物語(冬天的故事)』
ジュ・チュアンミン(朱传明)の長編デビュー作『冬の物語(冬天的故事)』
 実はザオとジュは同じ71年生まれの36歳。「鉄西区」で世界の映画界を震撼させたワン・ビンは40歳、彼らよりひと足先に世に出たジャ・ジャンクーは37歳だ。中国からどんどん逸材が輩出されていることに驚く。しかも彼らの視点は人間を通して社会を見据え、少しもぶれていない。“敵”がよく見えているのだろう。

 翻って日本映画の現状を考えると、新人の数は多いが、どの映画も自分の半径数メートルほどにしか視点が及んでいないことに気づく。今年ナントで回顧特集された大島渚の政治性と作家性を兼ね備え、しかも優れて同時代的だった60年代から70年代の傑作を見ていると、日本映画はいつから“子供”になってしまったのか、そのことが気になって仕方なかった。【齋藤敦子/映画評論家】

BOOKMARK Yahoo!ブックマークに登録 livedoorクリップに登録 Buzzurlにブックマーク はてなブックマークに登録   E-MAILメールで送る   PRINT印刷する

パンくず式ナビゲーション
広告エリアの始まり
(2008/11/12)
新プロジェクトを楽しむ人気俳優への密着ルポや、人気エシカル企業訪問など...
(2008/10/08)
昨年、大ヒットを記録した映画『恋空』以降、彼女の笑顔を見ない日はない。...
(2008/11/22)
 俳優、そしてアーティストでもある伊勢谷友介と、建築を学び、映画監督に...
DETAIL
ニュース一覧

フッターナビゲーションの始まり
フッターの始まり