『ベオウルフ/呪われし勇者』の興行成績が好調で、配給会社の米パラマウント・ピクチャーズが喜んでいる。しかし同作品のヒットに拍手を送っているのは、パラマウントだけではない。
ロバート・ゼメキス監督のモーション・キャプチャー映画では、近年公開された子ども向け以外の3-D作品のなかで、もっとも大規模なもの。ライバル会社たちも同作の興行成績には目を光らせており、来年に控える自社3-D映画の動向を占っている。
『ベオウルフ』は、3-D映画としてアメリカで史上初となる規模の上映館数を誇り、その成功によって、さらに多くの3-Dスクリーン搭載映画館を増やそうと、スタジオ幹部は考えている。今のところ、約740の3-Dスクリーン搭載館で『ベオウルフ』は上映されている。また、映画館側にとっても、本作の成功は予想外だった。3-Dシアターのチケットは、通常のそれより値が張るからだ。
11月30日から12月2日の週末にかけて、『ベオウルフ』の3-D上映成績(デジタル3-DとIMAX両方を含む)は公開3週目にして初めて、通常の劇場からの興行記録を抜くかたちになった。上映館数の割合で見ると3-D搭載館は全体のわずか22%ほどだが、興行成績でみると約半分以上が、これらの映画館からの売上なのである。
「この結果にとても満足しています」と話すのは、パラマウント・ワールドワイド・マーケティング&ディストリビューション部のロブ・ムーア部長。「これから続く3-D映画の後押しをする形になりました。劇場に足を運ぶ観客たちは、家族向け映画以外でも、3-Dで見ることに興味を示しています」。
映画が公開されてすぐ、パラマウントはテレビでの宣伝を、3-Dをフィーチャーしたものに切り替えた。緑と赤色のセロファンがついた紙メガネの時代は終わったということを訴えなくてはならなかった。現在の3-Dメガネは使いやすいし、レンズもクリアだ。
3-D搭載館のチケット額は、通常のものより平均して2.5ドル程度高い。IMAXとなると3ドル~4ドルは値上がりするし、地方によってはさらに高くなる。ロサンゼルスの一部では、IMAXシアターのチケットは1枚17.25ドルだ。それにも関わらず、『ベオウルフ』の国内興行成績は3-D搭載館からの収入で大きく飛躍した。映画の累計国内興行収入は、12月5日までの間で7090万ドル。3249館で公開されており、そのうち84館がアイマックス、640館がリアルDシステムによるデジタル3-Dスクリーン搭載の映画館だ。また、少ないながらもドルビー3-Dデジタルが投入されている3-D映画館もある。
「3-D搭載館での高記録のおかげで、予定より公開日数を延ばせそうだ」とムーア氏は話す。
IMAXのチェアマン兼代表のグレッグ・フォスター氏も、『ベオウルフ』の成績に驚いたことを認める。11月30日~12月2日の間で、IMAXは興行成績の2割を稼いだ。「人々は3-DとIMAXでアクション映画を見たいと望んでいる。まるでそこにいるかのような臨場感を与えるから」とフォスター氏は話す。
IMAXは12月6日に、AMCシアターと手を組むことを発表した。100のデジタルIMAXシステムを、AMCが持つ33の映画館に導入する。
米ウォルト・ディズニー・ピクチャーズの配給部門代表、チャック・ヴィアン氏は、3-D映画の先駆者として活躍してきた。同社が送るティム・バートン監督『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス・ディズニー デジタル3-D』は毎年クリスマス前に公開され、好成績をマークしている。今年初めにディズニーは、『ルイスと未来泥棒』を3-Dと2-Dの両方で公開(日本公開は12月22日)。累計9780万ドルとし、そのうち3040万ドルは3-Dからの収入だった。
通常、各スタジオは競合する関係にある。しかし話題が3-Dとなると、彼らは肩を組んで協力体制に入る。少なくとも、今のところは。スクリーンにデジタルや3-Dを搭載してくださいと、劇場主に一緒に頼めるからだ。
7月11日に、ニューライン・シネマは“Journey 3-D”というアクション・アドベンチャー作品を公開する。ジュール・ヴェルヌの「地底旅行」を原作にした、ブレンダン・フレイザー主演作品だ。
また、3-Dで撮影されたコンサート・フィルムも2本待機している。1月に公開されるのは“U2 3D”。続く2月1日には、アメリカで大人気のテレビドラマから生まれた“Hannah Montana/Miley Cyrus: Best of Both Worlds Concert Tour”が封切られる。
3-D映画は、2009年にさらに盛り上がりを見せる。米ドリームワークス・アニメーションは“Monsters vs. Aliens”を3月26日に公開し、そのすぐ後には、ジェームス・キャメロン監督の“Avatar”の公開が控えている。ドリームワークス・アニメーションのジェフリー・カッツェンバーグは、3-D映画の熱烈な支持者のうちのひとり。すでに“Monsters”以降の作品を、全て3-D作品にすると公言している。
製作側の盛り上がりに負けじと、今度は劇場側の対応も競争となってくる。3-Dの上映を可能にするため、デジタル・スクリーン投入が増えてくるだろう。
「もし『ベオウルフ』が成功しなかったら、3-Dスクリーンの投入を説き伏せるのは難しくなっていただろう」。立体映写システムを開発するリアルD社のマイケル・ルイスCEOは、『ベオウルフ』の成功がきっかけで、興行主たちに3-D搭載を薦めやすくなったと言う。「よりリアルに、より生きているように見せる事が、過去30年の間にはなかった価値を持ち始めた」。
ロバート・ゼメキス監督のモーション・キャプチャー映画では、近年公開された子ども向け以外の3-D作品のなかで、もっとも大規模なもの。ライバル会社たちも同作の興行成績には目を光らせており、来年に控える自社3-D映画の動向を占っている。
『ベオウルフ』は、3-D映画としてアメリカで史上初となる規模の上映館数を誇り、その成功によって、さらに多くの3-Dスクリーン搭載映画館を増やそうと、スタジオ幹部は考えている。今のところ、約740の3-Dスクリーン搭載館で『ベオウルフ』は上映されている。また、映画館側にとっても、本作の成功は予想外だった。3-Dシアターのチケットは、通常のそれより値が張るからだ。
11月30日から12月2日の週末にかけて、『ベオウルフ』の3-D上映成績(デジタル3-DとIMAX両方を含む)は公開3週目にして初めて、通常の劇場からの興行記録を抜くかたちになった。上映館数の割合で見ると3-D搭載館は全体のわずか22%ほどだが、興行成績でみると約半分以上が、これらの映画館からの売上なのである。
「この結果にとても満足しています」と話すのは、パラマウント・ワールドワイド・マーケティング&ディストリビューション部のロブ・ムーア部長。「これから続く3-D映画の後押しをする形になりました。劇場に足を運ぶ観客たちは、家族向け映画以外でも、3-Dで見ることに興味を示しています」。
映画が公開されてすぐ、パラマウントはテレビでの宣伝を、3-Dをフィーチャーしたものに切り替えた。緑と赤色のセロファンがついた紙メガネの時代は終わったということを訴えなくてはならなかった。現在の3-Dメガネは使いやすいし、レンズもクリアだ。
3-D搭載館のチケット額は、通常のものより平均して2.5ドル程度高い。IMAXとなると3ドル~4ドルは値上がりするし、地方によってはさらに高くなる。ロサンゼルスの一部では、IMAXシアターのチケットは1枚17.25ドルだ。それにも関わらず、『ベオウルフ』の国内興行成績は3-D搭載館からの収入で大きく飛躍した。映画の累計国内興行収入は、12月5日までの間で7090万ドル。3249館で公開されており、そのうち84館がアイマックス、640館がリアルDシステムによるデジタル3-Dスクリーン搭載の映画館だ。また、少ないながらもドルビー3-Dデジタルが投入されている3-D映画館もある。
「3-D搭載館での高記録のおかげで、予定より公開日数を延ばせそうだ」とムーア氏は話す。
IMAXのチェアマン兼代表のグレッグ・フォスター氏も、『ベオウルフ』の成績に驚いたことを認める。11月30日~12月2日の間で、IMAXは興行成績の2割を稼いだ。「人々は3-DとIMAXでアクション映画を見たいと望んでいる。まるでそこにいるかのような臨場感を与えるから」とフォスター氏は話す。
IMAXは12月6日に、AMCシアターと手を組むことを発表した。100のデジタルIMAXシステムを、AMCが持つ33の映画館に導入する。
米ウォルト・ディズニー・ピクチャーズの配給部門代表、チャック・ヴィアン氏は、3-D映画の先駆者として活躍してきた。同社が送るティム・バートン監督『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス・ディズニー デジタル3-D』は毎年クリスマス前に公開され、好成績をマークしている。今年初めにディズニーは、『ルイスと未来泥棒』を3-Dと2-Dの両方で公開(日本公開は12月22日)。累計9780万ドルとし、そのうち3040万ドルは3-Dからの収入だった。
通常、各スタジオは競合する関係にある。しかし話題が3-Dとなると、彼らは肩を組んで協力体制に入る。少なくとも、今のところは。スクリーンにデジタルや3-Dを搭載してくださいと、劇場主に一緒に頼めるからだ。
7月11日に、ニューライン・シネマは“Journey 3-D”というアクション・アドベンチャー作品を公開する。ジュール・ヴェルヌの「地底旅行」を原作にした、ブレンダン・フレイザー主演作品だ。
また、3-Dで撮影されたコンサート・フィルムも2本待機している。1月に公開されるのは“U2 3D”。続く2月1日には、アメリカで大人気のテレビドラマから生まれた“Hannah Montana/Miley Cyrus: Best of Both Worlds Concert Tour”が封切られる。
3-D映画は、2009年にさらに盛り上がりを見せる。米ドリームワークス・アニメーションは“Monsters vs. Aliens”を3月26日に公開し、そのすぐ後には、ジェームス・キャメロン監督の“Avatar”の公開が控えている。ドリームワークス・アニメーションのジェフリー・カッツェンバーグは、3-D映画の熱烈な支持者のうちのひとり。すでに“Monsters”以降の作品を、全て3-D作品にすると公言している。
製作側の盛り上がりに負けじと、今度は劇場側の対応も競争となってくる。3-Dの上映を可能にするため、デジタル・スクリーン投入が増えてくるだろう。
「もし『ベオウルフ』が成功しなかったら、3-Dスクリーンの投入を説き伏せるのは難しくなっていただろう」。立体映写システムを開発するリアルD社のマイケル・ルイスCEOは、『ベオウルフ』の成功がきっかけで、興行主たちに3-D搭載を薦めやすくなったと言う。「よりリアルに、より生きているように見せる事が、過去30年の間にはなかった価値を持ち始めた」。


























































