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『恋空』が描き出す理想の男性像、世代を超えて女性に訴求

2007/12/12
ブーム的な大ヒットとなった『恋空』
ブーム的な大ヒットとなった『恋空』
 11月3日公開以来、ブーム的な大ヒットとなった『恋空』。12月9日現在では、ついに興行収入30億円を超えた。女子中高生や20代女性中心という、最近では珍しい客層も話題になった。ケータイ小説の人気を背景にしたことが、もっとも大きなヒットの要因だが、映画もズバリ、理想的な男性との恋愛を、女性側の視点から明確に描いており、これが若い女性たちの気持ちを強く捉えたのだろう。

 『恋空』で描かれる女子高校生の美嘉と男子校高校生のヒロとの恋愛で特徴的なのは、ヒロが女性の気持ちをとことんくすぐる態度の持ち主であることことだ。飛行機雲をケータイで一緒に撮影して記念にすることから始まって、美嘉の一日遅れの誕生日に花を摘んでもっていき、拒否されるやもとの位置に即座に戻すデリカシー。彼が彼女にかける、ちょっと浮き世離れしたくらいかっこいい言葉の数々や、軽くキスしたりする優しいそぶりなど、それら男性の理想像を数え上げたらきりがない。もちろん、理想像のもっとも重要な点は、ヒロが“イケメン”であることだ。そんなヒロを、子役出身の17歳、三浦春馬が演じる。

 とにかく、女性から見て、究極の理想の男性が描かれているのが、本作の真骨頂なのだ。これを、いまだ現実の男性の何たるかを知らない若い女性ならではの理想像と言ってしまっては、身も蓋もない。女性は世代、年齢関係なく、男性の理想像を抱いていると、強引だが言ってしまいたい。若い女性のほうが、そうした理想像によりわかりやすさを求めるだけなのだ。そのわかりやすさを描いたのが、『恋空』である。

 もちろん、こうした世界を現実離れしたファンタジーだと思う女性もいるだろうし、いなくてはならない。お手軽なファンタジー、夢物語に浸っていて、果たしてそこから何が生まれるのかという疑問も当然あろう。そうした批判も合わせのむ形で、『恋空』は大ヒットした。時代が『恋空』を生んだ。

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