
『石内尋常高等小学校 花は散れども』(08年秋公開予定)
日本の代表する映画人の一人、新藤兼人監督が新作を製作中だ。今年95歳の新藤監督が、元気に撮影を進めているだけでも驚くべきことだけれど、実際に撮影現場を訪ねると、衰えるということを知らない創作意欲に圧倒された。現場の様子を伝えよう。
07年10月25日、広島県呉市蒲刈町。今は橋で結ばれて本州から自動車で行けるが、一昔前は船で渡った瀬戸内海の島だ。その小高い山の中腹に建つ民家を借りて撮影は行われていた。映画の題名は『石内尋常高等小学校 花は散れども』。広島出身の新藤監督自身の体験を下に、少し風変わりだが温かい心を持った小学校教師と、教え子たちとの数十年にわたる交流を描いていく。この日撮影されていたのは、大人になった教え子の一人である主人公が、病で身体の自由が利きにくくなっている先生を、自宅に訪ねてくるシーン。俳優は、主人公を演じる豊川悦司に、先生役の柄本明、それに先生の妻役の川上麻衣子。
07年10月25日、広島県呉市蒲刈町。今は橋で結ばれて本州から自動車で行けるが、一昔前は船で渡った瀬戸内海の島だ。その小高い山の中腹に建つ民家を借りて撮影は行われていた。映画の題名は『石内尋常高等小学校 花は散れども』。広島出身の新藤監督自身の体験を下に、少し風変わりだが温かい心を持った小学校教師と、教え子たちとの数十年にわたる交流を描いていく。この日撮影されていたのは、大人になった教え子の一人である主人公が、病で身体の自由が利きにくくなっている先生を、自宅に訪ねてくるシーン。俳優は、主人公を演じる豊川悦司に、先生役の柄本明、それに先生の妻役の川上麻衣子。

モニターを真剣に見つめる新藤兼人監督と新藤風さん
小ぢんまりとした、でも感じのいい家の内部と庭に20人以上のスタッフが助監督の指示で動き回っている。助監督に指示を与えるのは新藤監督だ。立ち上がって動くときには、新藤監督の孫で、自身も映画監督である新藤風さんに脇を支えられているが、モニターの前に腰を下ろし、スタッフの仕事や俳優の演技を見つめる眼差しは力強い。この日も、シナリオ通りに主人公が花を持ってくると、「ちょっと思いついたんだけど……」と切り出し、急遽その花にまつわるセリフを増やし、シーン全体の印象を花を軸にしたもの変えてしまった。アイデアの泉も全然枯れていないのだ。監督に映画について話を訊いた。
「小学校の先生というのは、子供が社会に出て最初に出会う人物なんですね。僕は、この最初に出会った人に強い感銘を受けたんです。それがどういったものかはよくわからない。でも、その出会いが後の人生に大きな影響を与えたことは間違いないんですね。また、その感銘というのは、先生が持っておられた知識などによるものじゃない。先生の人格そのものから受けたものなんです。歳をとるにつれそのことが強く思い出され、いつか映画にしたいと思っていました」
「小学校の先生というのは、子供が社会に出て最初に出会う人物なんですね。僕は、この最初に出会った人に強い感銘を受けたんです。それがどういったものかはよくわからない。でも、その出会いが後の人生に大きな影響を与えたことは間違いないんですね。また、その感銘というのは、先生が持っておられた知識などによるものじゃない。先生の人格そのものから受けたものなんです。歳をとるにつれそのことが強く思い出され、いつか映画にしたいと思っていました」

助監督に指示を出す新藤監督
現在も残る、石内小学校の教師や生徒たちにも撮影に協力してもらっているという。
「広島の話ですからね。広島の風土や人々にこだわりました。先生役の柄本さんはどことなく似てるんですよ、僕が教わった先生に。シナリオを書いてるときからイメージしてました。豊川さんとは初めてご一緒しましたが、自然体でいながら演技の技術はしっかりしてますね。川上さんや、今日は来てないけど、大竹しのぶさん、六平直政さんといった個性の強い人たちの群像劇でもあるので楽しいですよ」。そして、こう締めくくってくれた。
「教育をテーマにした映画を撮ろうとしたわけではないんです。でも、子供にとって小学校の先生とはどういった存在なのか。今、大人と子供の絆はどうなのか。そんなことを少しでも考えてもらえれば、と思います」
08年の秋の公開(予定)が待ち遠しい。
「広島の話ですからね。広島の風土や人々にこだわりました。先生役の柄本さんはどことなく似てるんですよ、僕が教わった先生に。シナリオを書いてるときからイメージしてました。豊川さんとは初めてご一緒しましたが、自然体でいながら演技の技術はしっかりしてますね。川上さんや、今日は来てないけど、大竹しのぶさん、六平直政さんといった個性の強い人たちの群像劇でもあるので楽しいですよ」。そして、こう締めくくってくれた。
「教育をテーマにした映画を撮ろうとしたわけではないんです。でも、子供にとって小学校の先生とはどういった存在なのか。今、大人と子供の絆はどうなのか。そんなことを少しでも考えてもらえれば、と思います」
08年の秋の公開(予定)が待ち遠しい。

助監督の指示で動き回る20人以上のスタッフ


























































