米脚本家組合(WGA)のストライキが始まってから9週間。直接的な打撃を受け続けてきたテレビ業界に比べ、事前に2009年までの公開作品製作の見通しを立てていた映画業界は、今回のストを甘く見ていた。そんな映画業界も、初めて経験する「ゴールデングローブ賞授賞式キャンセル」という非常事態に、ことの重大さを実感し始めている。
その理由はいくつかある。ゴールデングローブ賞授賞式は、各スタジオのアート系映画部門がアカデミー賞に向けた宣伝キャンペーンを行う上で、最も重要なクライマックスとなる。ビバリーヒルトン・ホテルで開催される授賞式がもたらす華やかなレッドカーペット、パーティーなどは宣伝費を払っても買うことのできない貴重なパブリシティだ。昨年の授賞式の視聴者は2000万人と言われているが、今年は、セレブリティのいない記者会見になるために、そのうちの何人がチャンネルを合わせるかは不明だ。
フォーカス・フィーチャーズの配給部門を統括するジャック・フォリー氏は「人々は華やかなレッドカーペットの様子を見て、作品や出演者の顔ぶれを目に焼きつけ、映画館に足を運ぶ。作品のインパクトを植えつける絶好の機会を失うのは、相当な痛手だ」と嘆く。
通常、配給会社はゴールデングローブ賞からアカデミー賞授賞式にかけて、作品の話題を高めるべく、公開スケジュールを練る。特にアート系作品に関しては、ゴールデングローブ賞授賞式シーズンに合わせて公開を拡大するケースが多い。複数部門にノミネートされているフォーカス・フィーチャーズ配給の『つぐない』とパラマウント・ヴァンテージ配給の“There Will Be Blood”は、ゴールデングローブ後の収入増を期待していたはずだ。
ドリームワークスとワーナー・ブラザース配給の『スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師』は、12月21日の米公開以来、1249館のみでの公開にとどまっているが、1月18日以降に拡大公開を狙っていた。ミラマックス配給の『潜水服は蝶の夢を見る』やフォックス・サーチライトの“The Savages”もゴールデングローブ賞発表後に拡大公開を計画している。公開後、ロングランを続けている作品も、賞の発表後に再度、本腰を入れたリリースをかける場合が多く、今月下旬の拡大公開を予定していたミラマックス配給の『ノーカントリー』はそのいい例だ。
また、アカデミー賞受賞という名誉を狙うスタジオにとって、アカデミー会員による作品投票締め切り前に発表されるゴールデングローブ賞のインパクトは大きい。
一方で、授賞式がキャンセルになっても、受賞結果を宣伝キャンペーンに使うことができるため、その影響を楽観視する配給関係者もいる。また、苦渋の決断を下したハリウッド外国人記者協会(HFPA)への同情の声も高まっているようだ。『ノーカントリー』のプロデューサーのひとり、スコット・ルーディンは「良質で、チャレンジ精神を持った映画をサポートし続けてきたHFPAが、組織とは無関係な問題に巻き込まれたことを残念に思う」と語る。
ゴールデングローブ賞の恩恵を受けた最近の映画としては、ミラマックスの『クィーン』やフォックス・サーチライトの『サイドウェイ』がある。06年9月に公開となった『クィーン』は、700館以下での上映を細々と続け、ホリデーシーズンを乗り切り、07年の1月19日に、一気に1586館での拡大公開に切り替えた。結果、ゴールデングローブ賞発表後の最初の週末だけで400万ドルを稼ぎ出し、興行ランキング(BOX OFFICE)8位にランクイン。最終的に国内興行収入5640万ドルを記録する結果となった。
04年10月に公開となった『サイドウェイ』も同様に、フォックス・サーチライトがゴールデングローブ賞後に拡大公開に打って出た。『バベル』も、昨年、ドラマ映画部門でゴールデングローブ賞を受賞して、恩恵を受けている。
その理由はいくつかある。ゴールデングローブ賞授賞式は、各スタジオのアート系映画部門がアカデミー賞に向けた宣伝キャンペーンを行う上で、最も重要なクライマックスとなる。ビバリーヒルトン・ホテルで開催される授賞式がもたらす華やかなレッドカーペット、パーティーなどは宣伝費を払っても買うことのできない貴重なパブリシティだ。昨年の授賞式の視聴者は2000万人と言われているが、今年は、セレブリティのいない記者会見になるために、そのうちの何人がチャンネルを合わせるかは不明だ。
フォーカス・フィーチャーズの配給部門を統括するジャック・フォリー氏は「人々は華やかなレッドカーペットの様子を見て、作品や出演者の顔ぶれを目に焼きつけ、映画館に足を運ぶ。作品のインパクトを植えつける絶好の機会を失うのは、相当な痛手だ」と嘆く。
通常、配給会社はゴールデングローブ賞からアカデミー賞授賞式にかけて、作品の話題を高めるべく、公開スケジュールを練る。特にアート系作品に関しては、ゴールデングローブ賞授賞式シーズンに合わせて公開を拡大するケースが多い。複数部門にノミネートされているフォーカス・フィーチャーズ配給の『つぐない』とパラマウント・ヴァンテージ配給の“There Will Be Blood”は、ゴールデングローブ後の収入増を期待していたはずだ。
ドリームワークスとワーナー・ブラザース配給の『スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師』は、12月21日の米公開以来、1249館のみでの公開にとどまっているが、1月18日以降に拡大公開を狙っていた。ミラマックス配給の『潜水服は蝶の夢を見る』やフォックス・サーチライトの“The Savages”もゴールデングローブ賞発表後に拡大公開を計画している。公開後、ロングランを続けている作品も、賞の発表後に再度、本腰を入れたリリースをかける場合が多く、今月下旬の拡大公開を予定していたミラマックス配給の『ノーカントリー』はそのいい例だ。
また、アカデミー賞受賞という名誉を狙うスタジオにとって、アカデミー会員による作品投票締め切り前に発表されるゴールデングローブ賞のインパクトは大きい。
一方で、授賞式がキャンセルになっても、受賞結果を宣伝キャンペーンに使うことができるため、その影響を楽観視する配給関係者もいる。また、苦渋の決断を下したハリウッド外国人記者協会(HFPA)への同情の声も高まっているようだ。『ノーカントリー』のプロデューサーのひとり、スコット・ルーディンは「良質で、チャレンジ精神を持った映画をサポートし続けてきたHFPAが、組織とは無関係な問題に巻き込まれたことを残念に思う」と語る。
ゴールデングローブ賞の恩恵を受けた最近の映画としては、ミラマックスの『クィーン』やフォックス・サーチライトの『サイドウェイ』がある。06年9月に公開となった『クィーン』は、700館以下での上映を細々と続け、ホリデーシーズンを乗り切り、07年の1月19日に、一気に1586館での拡大公開に切り替えた。結果、ゴールデングローブ賞発表後の最初の週末だけで400万ドルを稼ぎ出し、興行ランキング(BOX OFFICE)8位にランクイン。最終的に国内興行収入5640万ドルを記録する結果となった。
04年10月に公開となった『サイドウェイ』も同様に、フォックス・サーチライトがゴールデングローブ賞後に拡大公開に打って出た。『バベル』も、昨年、ドラマ映画部門でゴールデングローブ賞を受賞して、恩恵を受けている。






















































