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アントン・コービンのアーティストと向き合う初監督作品

2008/01/11
初の映画監督を務めたアントン・コービン
初の映画監督を務めたアントン・コービン
 デイヴィッド・ボウイ、U2など世界のロック・シーンを撮り続けるフォトグラファー、アントン・コービンが、初めて映画監督に挑戦した作品『コントロール』。すでに世界の映画祭で高い評価を受けている本作だが、2008年春の日本公開を前に、コービン監督が1月10日(木)に来日記者会見を行った。

 大人気ロックバンド、ニュー・オーダーの前身として伝説となっているジョイ・ディヴィジョン。そのボーカリスト、イアン・カーティスの短くも波乱の生涯を描き出す『コントロール』は、2007年カンヌ国際映画祭でカメラドール/スペシャル・メンション賞を受賞したほか、メルボルン、エジンバラ、ハンブルク、シカゴなどの国際映画祭でも数々の賞を受賞している。

 もともとフォトグラファーであり、グラフィック・デザイナーとしても活躍するコービンが今回、映画監督を務めた背景には、新たなチャレンジとして映画の仕事に関心を持っていたことがある。そこに、かねてよりその音楽に惹かれていたジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスに関する脚本に出会ったことから実現した。

『コントロール』
(c)Northsee Limited 2007
『コントロール』
(c)Northsee Limited 2007
 写真は独学で学んだというコービンだが、初めての映画監督を務めるにあたっても、「尊敬する映画監督はいるが、その影響を受けないように、撮影前はあえて観ることを避けた」と語る。そして、ジョイ・ディヴィジョンのフォトグラファーを務め、ミュージックビデオの製作にも携わっていたコービンは、彼らの音楽や衣装、アルバムなどのイメージ、そして当時のイギリスの雰囲気を出すためにモノクロの映画にするなど、自らの経験と感性、アーティストとしてのこだわりを映した、独特な作品に仕上げている。

 また、本作の特徴のひとつが劇中で使用される音楽が少ないことだ。コービンは「最近の映画は、あらゆるシーンで音楽が流れているものが多い。今回、あえて音楽を少なくしたのは、静かなほうがそのシーンが印象に残るから」と語る。

 これまでに多くのミュージシャンらの写真を撮ってきた彼だが、今のところ映画監督として向き合いたいアーティストはいないという。しかし、映画監督としてはこれからも活動する。「次は音楽とは関係ないフィクションの作品を撮ろうと考えています」。

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