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お風呂で? 空港で? 携帯で? 
異例のゴールデングローブ受賞体験

2008/01/15
記者会見形式となった受賞者の発表
記者会見形式となった受賞者の発表
 米脚本家組合(WGA)のストライキの影響で、例年通りの華やかな授賞式ではなく、異例の記者会見形式となったゴールデングローブ賞。ホテルの一室で、自宅で、お風呂場で、空港で……、各々の状況で発表の瞬間を迎えた候補者たちは、いまだかつてない受賞体験を語ってくれた。

 ドラマ映画部門で作品賞に輝いた『つぐない』のプロデューサー、ポール・ウェブスターは、ジョー・ライト監督をはじめとするクルーやジェームズ・マカヴォイセルシャ・ローナンら俳優陣とともに、由緒あるウェストハリウッドのシャトーマーモント・ホテルに集合。シャンペンを開ける準備をし、発表の瞬間を待っていた。

 「(シャンペンの)コルクを飛ばすことができて、とても嬉しかった」と語るウェブスター。授賞式がないことについて、「皆、同じ状況なのだから仕方ない。自分たちでお祝いの場を演出すればいいんだよ」とコメントしながらも、簡略化された今年のスタイルに対して、「やっぱりこれは例外で、いつものようにお祝いされるべきものだと思う」と本音をチラリ。

 同じくシャトーマーモント・ホテルで喜びの瞬間を迎えたのは、AMCのテレビドラマ・シリーズ“Mad Men” のチーム。番組自体がテレビドラマ・シリーズ賞に、ジョン・ハムがテレビドラマ俳優賞に輝く快挙となった。

 「両部門の発表があったとき、全員が一緒に飛び上がったよ。皆でバルコニーに出て、サンセット大通りからの日没を見ていたときだった。至福の瞬間だったね。素晴らしい夜だった」と、その興奮を語る。

 コメディー/ミュージカル映画部門で、主演女優賞に輝いたマリオン・コティヤールも同じ気持ちだったようだ。ビバリーヒルズのフォーシーズンズ・ホテルでオリヴィエ・ダアン監督と記者会見の模様を見守っていた彼女は、「とても素晴らしい瞬間だった。これ以上を望むことなんてできないわ」とコメント。

 ビバリーヒルズにある息子の家で、「何が起きているのか知る由もない幼い孫たちとテレビを観ていた」と語るのは、コメディー/ミュージカル映画部門で作品賞に輝いた『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』のプロデューサーであるリチャード・ザナック。「いつもの華やかな授賞式とは全く違う体験だった。やっぱり、テーブルに座り、緊張しながら発表の瞬間を待つ、あの感覚は特別なものだよ。でも、受賞の喜びは変わらず、とても嬉しい」と語りつつ、「タキシードを着ないですむのは嬉しいね」と付け足した。

 長編アニメーション作品賞に選ばれた『レミーのおいしいレストラン』のブラッド・バード監督は、ロサンゼルスからベイエリアにある自宅に戻ったばかりで、授賞式発表の瞬間はテレビのチャンネルと格闘していた。「プロデューサーのブラッド・ルイスもチャンネルを見つけられなかったみたいで、僕から受賞したことを教えてあげたんだ」

 最もユニークな場所で受賞結果を受けたのは、ドラマ映画部門の監督賞と外国語作品賞をダブル受賞した『潜水服は蝶の夢を見る』のジュリアン・シュナーベル監督だろう。ニューヨークのケネディ空港の手荷物引渡し所で朗報を聞いたシュナーベル監督は、「とても不思議な体験だったよ。(授賞式がないからと)寂しがってばかりいられない。家で美味しいご飯を食べながら、ゆっくり喜びをかみしめるのもいいね」と語る。

 同様にユニークだったのは、「お風呂にゆっくり浸かりながら、受賞の喜びを感じるのも悪くはないね。結構、やみつきになるかも」とコメントするデイヴィッド・ドゥカブニー(ショータイムの“Californication”で、テレビコメディー部門の俳優賞を受賞)。授賞式がないことについて、「授賞式のキャンセル自体は全く気にしていないけれど、ストライキ全体がもたらす結果を残念に思うよ。プロジェクトは頓挫し、人々は解雇され、家を失う人まで出てきている。僕みたいに恵まれた人間が、ステージにあがってスピーチすることより、重要なことがあると思うんだ」と現状を危惧する。

 FXネットワークのテレビドラマ・シリーズ“Damages”でテレビドラマ部門の女優賞を受賞したグレン・クローズは、ニューヨークの精肉工場地区にあるブラス・モンキー・バーで、キャストやクルーたちと受賞の喜びを分かち合った。異例の体験を楽しみつつも、「新しい番組だからこそ、受賞によって露出が増えて、注目されてほしかった」とパブリシティ効果が薄くなってしまったことを残念そうに語る。

 地球の反対側からフライングで報告を受けてしまったのは、テレビミニシリーズ/テレビ映画部門で作品賞に輝いた“Longford”のトム・フーパー監督。サンタモニカのホテルで同部門の助演女優賞の発表を楽しみに待っていたところ、ロンドンにいる脚本家のピーター・モーガンから、サマンサ・モートンの受賞を知らせるテキスト・メッセージが届いたそう。複数のメディアが発表の模様を放映していることを知らなかったフーパー監督は冗談めかす。「封筒を開ける儀式はあってもいいけれど、来年は、事前に受賞した旨を知らせて欲しいね。その方が心臓にはいいだろう?」

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