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『クローバーフィールド』、大ヒットの理由

2008/01/22
J・J・エイブラムス
J・J・エイブラムス
 1月18日から全米で公開され、3日間で4100万ドルの興行成績を記録する大ヒットの出足を見せた『クローバーフィールド/HAKAISHA』。日本では4月5日からTOHOシネマズ六本木ヒルズほかで公開の運びとなった。同作は、『M:i:Ⅲ』の監督をつとめたJ・J・エイブラムスが製作。公開前に内容をほとんど明かさない戦略で人々の関心をあおった結果、その正体をいち早く見極めようと、劇場には若い男性たちが押し掛け、大ヒットに至った。

 日本での配給はパラマウント ピクチャーズ ジャパン。その関係者によると、本作は昨年の7月2日から“タイトルのない映画”として予告編の上映を開始。WEB上で様々な憶測が飛び、話題が飛び火していったという。タイトルのないポスター掲示や全編手持ちカメラによる撮影という以外、ほとんど情報のないなか、試写が行われたのも公開わずか2日前だった。

『クローバーフィールド/HAKAISHA』のポスター
『クローバーフィールド/HAKAISHA』のポスター
 こうした手法で大ヒットした作品としては、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』が思い出される。殺人の実態をめぐって、真偽のほどは定かでないが、ミステリアスな映像が展開される。手持ちカメラによるドキュメンタリー・タッチのこの作品は、米国のみならず日本でもヒットした。両作品に共通するのは、徹底して中身を伝えないということだ。情報過多のこの時代に、あえてそれを制限して、関心を高めるという手法である。

 すべてが露になってしまう時代にあって、こうした戦略は時として成功する場合がある。人々の中に眠っている観念に火をつけ、それを一種幻想にまで肥大させていく手法であり、人々は自身の幻想がどこまでリアリティがあるのか、確認するために劇場に足を運ぶのだろう。結果的に実物を見て幻滅するかもしれないが、それはたいした問題ではない。というより、観客はそのギャップをこそ求めているのかもしれない。
 日本でも、話題となることは間違いないだろう。アメリカ映画は、忘れた頃にこうした作品を送り出してくるからおもしろい。

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