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アカデミー作品賞ノミネート、単館系作品が席巻

2008/01/24
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』© 2007 by PARAMOUNT VANTAGE, a Division of PARAMOUNT PICTURES and MIRAMAX FILM CORP. All Rights Reserved.
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』© 2007 by PARAMOUNT VANTAGE, a Division of PARAMOUNT PICTURES and MIRAMAX FILM CORP. All Rights Reserved.

 先日、アカデミー賞のノミネート発表が行われたが、主要な賞のノミネート作品は、日本公開がこれからのものがほとんどで、興行へはずみをつけたい各配給会社の目の色も変わってきた。ただ興味深いのは、作品賞の候補だけをみると、ほとんどが日本では単館系公開となる作品で占められていることだ。

 作品賞候補5本のうち、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ノーカントリー』『JUNO/ジュノ』の3本が、都内はシャンテシネがメインの公開。『つぐない』はテアトルタイムズスクエアがメインで、以上4本が単館系。残り1本の『フィクサー』は、東宝洋画系チェーンのみゆき座系となっている。

 これは、2005年(第78回)のノミネート結果を思い起こさせる。作品賞で、『ブロークバック・マウンテン』『クラッシュ』『カポーティ』などが揃い、そのときもそれらの作品は、ほとんどが日本では単館系での公開だった。独立系作品の強さを印象づけたわけだが、今年もまた日本においては、公開形態を見るかぎりでは、独立系に近い作品のオンパレードになっている。

 これは、アメリカ映画の質を担うのが、米インディペンデント系映画会社の作品となっているのも一因だろう。これは、冒険的な映画に出資する米メジャー系スタジオの経営者が少なくなってきたことも影響しているかもしれない。いずれにしろ、近年のアカデミー賞のノミネート結果は、米メジャー系スタジオにとって、実に厳しい現状になっている。

 実はこうした傾向は、日本の興行にも少なからぬ影響が出ていることも見逃してはならない。かつては絶大だったアカデミー賞効果だが、賞にからんでくる作品が上映館数の少ない単館系ばかりなので、昨今、アカデミー効果による飛躍的な興行成績アップが望みにくくなっている。おそらくこれは、米国でも似たり寄ったりだろう。とにかく、アカデミー賞は、米映画の現状をストレートに反映していることだけは間違いなく、プラス面、マイナス面を併せても、その影響力にはやはり計り知れないものがある。

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