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イスラエル映画、日本で20年ぶりの快挙へ

2008/01/25
『迷子の警察音楽隊』
『迷子の警察音楽隊』
 昨年の東京国際映画祭でグランプリを受賞したイスラエル映画『迷子の警察音楽隊』が、正月映画が苦戦するなか、ミニシアター系作品のなかでも順調に興行成績を伸ばしている。

 エジプトの警察音楽隊が、イスラエルの田舎町で迷子になり住人たちから宿を提供されて心の交流が生まれるという一夜の物語『迷子の警察音楽隊』。昨年12月22日にシネカノン有楽町2丁目で満席続きのスタートをきり、現在、首都圏では5館に拡大して公開中。女性層が多く、レディースデイはとくに好調という。公開4週目で1週目対比85%と落ちが少なく、5週目で動員2万人、最終動員10万人を見込むヒットとなっている。

 本作は、1月26日(土)より大阪、神戸でも公開され、全国約50館で順次公開される。これまで、東京、大阪など主要都市でしか公開されなかったイスラエル映画が、ミニシアターとはいえ全国50館以上で公開されるのは、1979~1987年にわたりシリーズ公開された『グローイング・アップ』以来。イスラエル大使館関係者も20年ぶりのイスラエル作品の快挙に驚いている。

 配給の日活では、ヒットの要因として、2007年東京国際映画祭でのグランプリ受賞によるパブリシティ露出を挙げ、さらに、世界各国の映画祭でも絶賛されたクォリティの高さや、優しくあたたかい感動を届ける内容が、受賞効果とともにじわじわと口コミで広がっていると説明する。

東京サクラグランプリを受賞した『迷子の警察音楽隊』のエラン・コリリン監督(左)。右はアラン・ラッド・Jr審査委員長
東京サクラグランプリを受賞した『迷子の警察音楽隊』のエラン・コリリン監督(左)。右はアラン・ラッド・Jr審査委員長
 これまで、日本で劇場公開される外国映画としては、イスラエル映画はまれであった。1997年から昨年11月までの11年間に日本で劇場公開されたイスラエル映画はわずか3本。1997年『セイント・クララ』(アリー・フォルマン、オリー・シヴァン監督)、2001年『キプールの記憶』(アモス・ギタイ監督)そして、2007年『ジェイムズ聖地へ行く』(ラアナン・アレクサンドロヴィッチ監督)。

 しかし2007年は、東京国際映画祭東京サクラグランプリなど世界15カ国の映画祭で34賞を獲得した『迷子の警察音楽隊』を筆頭に、東京フィルメックスのグランプリもイスラエル映画『テヒリーム』(ラファエル・ナジャリ監督)が受賞、山形国際ドキュメンタリー映画祭でも優秀賞にイスラエル人監督の『旅-ポトシへ』(ロン・ハビリオ監督)が選ばれるなど、世界で注目を浴びるイスラエル映画が日本でも多く紹介された。

 さらに『迷子の警察音楽隊』に続き、昨年のカンヌ国際映画祭カメラ・ドールを受賞した『ジェリーフィッシュ』(エドガー・ケレット、シーラ・ゲフェン監督)は3月に劇場公開される。

 年間の映画製作本数が約18作品という製作環境ながら、今年のアカデミー賞外国語映画賞に“Beaufort”がノミネートされるなど、世界で注目されるイスラエル映画。『迷子の警察音楽隊』の好調な興行成績も追い風になり、日本の配給会社の間でもイスラエル映画への注目が高まっていくかもしれない。

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