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日本初!北アイルランド映画祭開幕
紛争の歴史、新たな時代を目撃する7日間

2008/02/10
マーゴ・ハーキン監督
マーゴ・ハーキン監督
 日本で初めて北アイルランド映画を特集する映画祭「N.アイルランド・フィルム・フェスティバル 2008」が9日(土)、東京・渋谷のユーロスペースで開幕した。

 北アイルランドに焦点を絞った映画祭は、世界的にも珍しい。初日には『秘密と嘘』でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したマイク・リー監督が、プロテスタントとカトリック系家族のある“偶然”を描いた『7月、ある4日間』(1984)や、マーゴ・ハーキン監督が6年をかけ、72年に起きた「ブラディ・サンデー」事件後の調査委員会の過程と事件の真実に迫ったドキュメンタリー『デリー・ダイアリー ブラディ・サンデーのその後』(07)などが上映された。

 この日の東京は、今冬いちばんの冷え込みと言われたが、学生や年配の男性、かつて北アイルランドに住んだ経験のある女性ら、関心の高いファンが数多く来場。『デリー・ダイアリー~』上映後に行われた、ハーキン監督のスペシャル・トークでも、北アイルランドの現実について白熱した質疑応答が行われた。

 事件の目撃者でもあるハーキン監督は、事実を曲げて報道するメディアの姿勢にショックを受け、映画、テレビ番組、ドキュメンタリー製作の道に進んだと告白。紛争の時代も祖国を離れることなく平和を願い続け、今の北アイルランドの変化に希望を感じ、また事実を忠実に追いかけた本作が日本で上映される喜びを熱く語った。

 紛争とテロのイメージが色濃い北アイルランドだが、昨年5月には自治政府の再発足という歴史的な一歩を踏み出した。かつては映画製作さえままならなかった時代もあったが、今、新たな視線で故郷をとらえる多様な映画が生まれていると、映画祭を主催する石橋秀彦氏は語る。「北アイルランドのいまを伝える映画祭をやりたい」という情熱が、未公開作品を中心に、新旧の長短編の劇映画やドキュメンタリーなど計16本の上映を実現させた。

 開催は15日(金)まで。11日(月)21時からは、02年ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞しながらも、日本では劇場公開されなかった、ポール・グリーングラス監督の『ブラディ・サンデー』のDVD特別無料上映が行われる。また、ハーキン監督のほかにも、アカデミー賞外国語映画賞のアイルランド代表に選出された『キングス』(07年)のトム・コリンズ監督も来日し、会期中計6回のスペシャル・トークが行われる予定。貴重な機会に、新しい時代、文化の息吹を感じてほしい。

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