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外国語映画賞はマスコミから冷遇されている?
アカデミー賞ノミネート監督のシンポジウム

2008/02/27
オスカーを手にした『ヒトラーの贋札』のステファン・ルツォヴィッキー監督
オスカーを手にした『ヒトラーの贋札』のステファン・ルツォヴィッキー監督
 外国語映画賞の候補者を集めたアカデミー協会のプレ・オスカー・シンポジウムが、2月23日(土)、アカデミー本部のあるビヴァリーヒルズのサミュエル・ゴールドウィン・シアターで行われた。開会にあたり、このシンポジウムの実行委員長でプロデューサーのマーク・ジョンソンはこう挨拶した。
 「このカテゴリーはマスコミからは冷遇されていますが、それでも世界で最も影響力が強く、意義のある外国語映画の審査委員会であることに変わりはありません」

 ジョンソンは、上映過程や選考から外された作品についての議論にも言及し、「私が委員長である限り、規定や審査方法の見直しを続けていくと同時に、私たちの選考の自由も守っていくつもりです」と語った。

 短いトークの後、ジョンソンはノミネート作の監督を紹介した。『ボーフォート—レバノンからの撤退—』(イスラエル)のヨセフ・シダー、『ヒトラーの贋札』(ドイツ=オーストリア)のステファン・ルツォヴィッキー、“Katyn” ポーランド)のアンジェイ・ワイダ、『モンゴル』(ドイツ=カザフスタン=ロシア=モンゴル)のセルゲイ・ボドロフ、“12” (ロシア)のニキータ・ミハルコフの5人。

 ワイダとミハルコフのために2人の通訳がつき、シダーは宗教上の理由からマイクを付けられなかったが、各監督がそれぞれの作品を作るきっかけを説明するところからパネル・ディスカッションはスムーズにスタートした。

 シダーは「イスラエルの新聞である兵士の記事を読んだところから映画のアイデアが閃いた」と語り、ルツォヴィッキーは「強制収容所の中の詐欺師の物語に魅了された」という。『モンゴル』のボドロフは「ロシアでは悪者扱いされモンゴルでは崇拝されてるチンギス・ハーンの、月並みな描かれ方に挑戦したかった」と話す。

 「一時期は、この事件を題材にした映画を作れるとは夢にも思っていませんでした。最も触れてはならない事柄でしたから」。第二次大戦中のポーランド人将校を大量虐殺した事件を描いた“Katyn”のワイダ監督は通訳を通してこう語った。

 ミハルコフは「シドニー・ルメットの『十二人の怒れる男』にインスパイアされて作品を作った」と言い、作品を最後まで見てもらったことをアカデミーに感謝した。「暗い部屋で2時間37分も字幕を読むのは大変なことですからね」

 ミハルコフとボドロフが、なごやかに互いの映画の苦労話をしたのも観客を楽しませた。「12人のロシア人より、500人のモンゴル人を撮影する方が難しいに決まっている」とボドロフが皮肉る場面も。

 ディスカッションのはじめの方でジョンソンは、たいていノミネート5作品には共通するテーマやパターンがあるものだが、今年はそれがなかなか見つけられなかったと語った。

 「やっと見つけた共通点は、どの映画のキャラクターも、様々な意味で生き残るために妥協するということです」とジョンソンは言う。「5作品の勝利はキャラクターの勝利。リアルで印象的です」

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