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アカデミー賞映画がフランスに与えた影響
『エディット・ピアフ』の評価から伝記映画が続々

2008/03/04
今年のアカデミー賞主演女優賞を受賞したマリオン・コティヤール
今年のアカデミー賞主演女優賞を受賞したマリオン・コティヤール
 主演女優のマリオン・コティヤールがアカデミー賞を受賞するなど、作品が世界中で評価され、また興行的にも成功した『エディット・ピアフ ~愛の讃歌~』。この映画のおかげで、フランス映画市場に伝記映画製作の勢いが増している。

 フランス人は、もともと、有名人の生活に関心をもつことを、あまりよしとしない。そのせいか、これまでフランスの伝記映画は、ほとんどが尊敬すべき歴史上の重要人物に限られていた。例えば、レジスタンス活動で知られるリュシー・オブラックを描いた“Lucie Aubrac”や、故ミッテラン大統領を描いた“The Last Mitterrand”などだ。

 しかし、『エディット・ピアフ ~愛の讃歌~』の影響で、必ずしも“歴史上の偉人”とはいえない、より大衆受けした有名人の伝記映画プロジェクトが増えてきている。

 例えばファッション界の有名人、ココ・シャネルの半生を描いた“Coco Before Chanel”。主演にはすでに『ダ・ヴィンチ・コード』や『アメリ』で知られるオドレイ・トトゥが決まっている。製作はインディーズ系の製作会社Haut et Courtで、監督は『ドライ・クリーニング』のアンヌ・フォンテーヌ。

 この作品への感心は非常に高く、先ほどのベルリン映画祭のマーケットでも引っ張りだこ。映画がまだ作られていない段階で、すでにほとんどの国の配給が決まってしまったそうだ。

ココ・シャネルを演じるオドレイ・トトゥ
ココ・シャネルを演じるオドレイ・トトゥ
 また、リュック・ベッソンのヨーロッパ・コープも、「悲しみよこんにちわ」で知られる小説家フランソワーズ・サガンの伝記映画“Sagan”の、フランス国内と国外の配給権を獲得したばかりだ。

 “Sagan”の製作と監督を手がけるディアーヌ・キュリスは、このような企画は、映画では予算がかかりすぎて無理だろうと、初めは、France Televisionsと370万ユーロでテレビ映画としての契約を結んだ。ところが、昨年『エディット・ピアフ ~愛の讃歌~』を見て、“Sagan”も劇場用映画にするべきと強く感じたという。

 そして、テレビ局と再度交渉した結果、テレビと映画の両方のプロジェクトが進行することになった。先に6月に映画が公開され、その3カ月後にテレビでも放映される。

 このほかにも、1920年代にパリで有名になったアメリカ人の黒人エンターテイナー、ジョセフィン・ベーカーの伝記映画プロジェクトも進行中だ。インディーズ系の製作会社Thelma FilmsがStudio Canalとこの企画に参加していて、現在アメリカ人の監督を探している。

 また、尊敬されるどころか、悪行で知られるフランスの有名人の映画企画も進行中だ。ハリウッドを手玉にとった詐欺師Christophe Rocancourtや、70年代のギャングJacques Mesrineなどのプロジェクトがそうだ。

 このように、『エディット・ピアフ ~愛の讃歌~』の成功がフランスの伝記映画の流れに大きな影響を与えている。

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