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オスカー候補アニメ『ペルセポリス』レバノンで上映禁止

2008/03/12
『ペルセポリス』
『ペルセポリス』
 アカデミー賞の長編アニメーション部門にノミネートされた『ペルセポリス』が、政情不安定なレバノンで上映禁止となった。

 この作品は、共同監督であるマルジャン・サトラピが、1979年のイラン革命下で育った経験を描いた自叙伝コミックを映画化したフランス映画だ。

 今回レバノン当局は、本作が「ヒズボラ」として知られる反レバノン政権の新イラン勢力を刺激し、政治的な混乱状態を悪化させる恐れがあるとし、上映を禁止した。レバノンは、ここ数カ月に渡り、西側が支持する政府側勢力と、シリアやイランが支持する反対派勢力との間で膠着状態にある。

 本作の中東圏での配給権を持つ、アラブ首長国連邦の配給会社フロント・ロウ・エンタテインメントのジャンルカ・チャクラ代表は、「レバノン当局は、いかなる摩擦も避け、波風を立てたくないと考えているが、DVD販売の望みは捨てていない」と語る。アラブ首長国連邦ではすでに検閲を通過している。

 当時の苦しさを増す人々の生活を、皮肉と風刺の効いた視点で描いた本作は、昨年のカンヌ映画祭でプレミア上映され、審査員特別賞を受賞。それ以来、イラン当局関係者たちの批判にさらされてきた。

 イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領の文化顧問であるマハディ・コルホーは、当時、この受賞をフランスの「イスラム恐怖症」として批判。政府関連機関ファラビ・シネマ・ファウンデーションのアリレザ・レザダッド代表は、本作が「イスラム革命の成果という現実から乖離した映画」と批判する文書を発行している。

 一方で、本作は最近、イランの首都テヘランにあるふたつの文化センターで上映された。そのひとつであるラザナー文化センターの広報担当は、「この上映会の目的は、メディアによって作り上げられた映画の誤った幻想を取り除くことにあります。映画が上映されなければ、誤解は膨らんでいくばかり。結局のところ、映画は映画。政治的環境に束縛されるべきではないのです」とコメントしている。

 レバノンでは05年にも、ジョージ・クルーニー扮するベイルートのCIAエージェントが主役のスティーヴン・ギャガン監督作品『シリアナ』で、ヒズボラに焦点を当てたシーンが問題となり、上映禁止になっている。

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