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『おくりびと』が『パコと魔法の絵本』に肉薄

2008/09/30
(C)2008「おくりびと」製作委員会
(C)2008「おくりびと」製作委員会
 滝田洋二郎監督、本木雅弘主演の『おくりびと』が、中島哲也監督、役所広司主演の『パコと魔法の絵本』に肉薄する勢いを見せている。ともに13日公開で、スタート時はかなり差がついていたが、3週目に入り非常にきっ抗し始めているのだ。

 9月28日(日)現在、『おくりびと』は観客動員114万人、興行収入13億3000万円に対し、『パコ~』は110万8000人、13億7000万円。公開日3日間では、前者が動員29万5000人、興収3億5000万円だったが、後者は38万3000人、4億7000万円。実に1億2000万円前後の差がついていたが、ここにきて一気に差が縮まってきた。

 もともと両作の興行展開は対象的だった。『おくりびと』が平日型なのに対し、『パコ~』は週末型。前者が30代から60、70代あたりまでの年配者、後者がファミリー層と20代から30代の女性客をターゲットにしていたのだから、明らかに曜日によって集客の展開は違っていた。

 成績がきっ抗した理由は、平日型だった『おくりびと』の客層に20、30代が増え、週末の成績が上がったため。27、28日は全国的には若干下回ったものの、地域によっては『おくりびと』が『パコ~』を上回るシネコンが続出している。

 こうした展開は、作品の質の違いが大きいだろう。死を題材に夫婦、家族、仕事を通して人々が大きな関心を抱く側面をじっくり描いた『おくりびと』。一方、ファンタジー的な舞台装置のなかで1日しか記憶がもたない少女のために大人たちが奔走する『パコ~』。どちらも感動的な要素を盛り込んでいるという点では同じだが、世代を超えた観客の気持ちを広範囲につかむリアルさということでは『おくりびと』に一日の長がある。

 口コミ効果の大小は、公開が進むにつれて作品がひとり歩きをしていくことを意味する。スタート時こそ宣伝効果が微妙に反映されるが、公開後の成否は観客の手にゆだねられる。そうした意味からも、この2本には作品の質の違いによる興行展開が如実に表れていて非常に興味深いものがある。

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