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『アイアンマン』にも“アメコミの壁”
目標興収30億円は厳しい情勢

2008/10/04
『アイアンマン』
『アイアンマン』
 9月27日に公開されたアクション大作『アイアンマン』の出足が今一つだ。27、28日の興行ランキングでトップには立ったものの、目標の興行収入30億円の到達にはかなり厳しい情勢。米国のマーベルコミックが原作、いわゆるアメコミ原作の映画が最近、日本では軒並み期待を下回る成績を余儀なくされている。

 DCコミック原作の『ダークナイト』も、興収17億円前後で止まってしまった。米国では『タイタニック』に次ぐ歴代の2位となるほどのメガヒットを記録したことからすると、この成績は満足のいくものではない。同シリーズの前作『バットマン ビギンズ』が14億1000円。前作から本作に至る米国での飛躍的な成績からすると、平凡な記録に落ち着いてしまった。『インクレディブル・ハルク』に至っては、5億円にさえ届かなかった。

 こうした日本の興行を見て、「カルチャーの違い」と指摘するのはこれまで何本もアメコミ原作の映画を配給した洋画配給会社の営業担当者だ。「日本だけではないですよ。アメコミ原作の映画は、他の国の成績も米国のようなことはありません。要するに米国の成績だけが、世界中で突出しているわけです。アメコミのカルチャーが、浸透しているかどうかの違いが、非常に大きいと思います。スタジオジブリの作品がカルチャーとして、日本で圧倒的な支持を得ているのと似ている感じがしますね」と語る。

 キャラクターの違いを強調する興行大手の営業担当者もいる。「ハルクのようなビジュアルは、日本人にはまずダメでしょう。いかつくて女性が引いてしまう。しかし、米国ではある程度の支持がある。アイアンマンの鋼鉄の塊のようなのも、日本では難しいですね。格好良さではバットマンが日本では支持されるほうですが、それでも20億円を超えることはないですからね」。

 ただし日本では“例外”として、唯一と言っていいくらい大ヒットを記録しているアメコミ原作の作品がある。『スパイダーマン』シリーズで、1作目75億円、2作目67億円、3作目71億円の興行収入を記録している。これについては、前記配給会社の宣伝担当者は「その分析は難しいし、よくわからないところが多い」としながらも、「かぎは女性の観客でしょう。このシリーズは、若いカップルや女性の観客が多いから大ヒットした面がある。だから、ヒーロー劇的な要素とともに、男女の恋愛劇の側面がほかの作品と比べて圧倒的に強く、その点が女性観客の多さにつながっていると思いますね。映画自体が、明るいことも大きいですね。もちろん、それだけの理由ではないでしょうが」。

 いずれにしろ、アメコミ原作の米映画のヒットが日本では極めて限定的になっているのは間違いない。今後、米映画界は安定路線の同系列の作品を、今後続々おくり出してくる。果たして『スパイダーマン』シリーズのように、カルチャーの違いを超えることができる作品が登場してくるのかどうか、注目したい。

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