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「舞台芸術の殿堂」新宿コマ劇場大晦日に閉館
新宿プラザも一足早く10月31日に幕

2008/10/07
ラストショーで上映する『ベン・ハー』
ラストショーで上映する『ベン・ハー』
 今年12月31日(水)をもって新宿コマ劇場が正式に閉館することがわかった。最後の公演は毎年大みそかに行われる恒例の歌謡ショー(テレビ東京が生放送)となる見通し。同じく、年末閉館が予定されていた隣接する映画館の新宿プラザは、一足早い11月7日(金)に幕を閉じる(本興行は10月31日まで)。歌舞伎町の名物劇場と名物映画館が、相次いで閉館となるのは寂しい限りだが、この地の再開発を手掛ける東宝は、映画館や劇場を建設する計画についてはいまだ白紙状態だという。

 新宿コマ劇場は、1956年12月28日にオープン(ちなみに大阪の梅田コマ劇場は同年11月16日にオープンしたが、すでに閉館している)。新宿コマは「舞台芸術の殿堂」を目指し、阪急グループ創始者である小林一三氏が中心となって設立し、動く円形舞台が売りものだった。興味深いのは、オープニング興行が演劇やその後同劇場の主要な演目となる歌謡ショーなどではなく映画だったことだ。その作品は、フレッド・ジンネマン監督の『オクラホマ!』。70ミリのトッドAOという独特の映写方式だった。これは開館に間に合う映画以外の演目が決まらなかったことが原因だったらしい。その後、新宿コマは数々の名だたる歌手の歌謡ショーやさまざまな種類の演劇などで一時代を築いていった。

 一方、新宿プラザは69年10月31日にオープン。東宝が歌舞伎町に進出した初めての映画館だった。オープニング作品は、チャールズ・ブロンソンヘンリー・フォンダらが出演したセルジオ・レオーネ監督の『ウエスタン』。こちらの映写もユニークで、“ディメンション150”と言われた新方式が設置された。スクリーンは、後方に向かって深くわん曲した超大型サイズ。映写は、長方形の特殊レンズがゆがみのない美しい画像を提供するというものだった。

 オープニング時の上映作品や円形舞台という独自な劇場のあり方を見ると、新宿・歌舞伎町で新たな映画、演劇のムーブメントを起こそうという設立側の強い気概がうかがえる。歌舞伎町という街自体が、都内随一の繁華街になろうとしていた時期であったことも影響しただろう。

 東宝は現在、テナント面でさまざまな案を検討中というが、かつて小林一三氏が提唱した“街”が50年のときを経て再現されれば歌舞伎町は面白いことになる。どのようにさま変わりしていくのか見届けたい。

 なお新宿プラザでは、39年間の感謝の気持ちをこめて11月1日(土)~7日(金)の1週間、ラスト・ショーを行い、同館で記録を作った名作を日替わりで上映する。11月1日『ベン・ハー』、2日『2001年宇宙の旅』、3日『ゴッドファーザー』、4日『ゴッドファーザーPARTⅡ』『ゴッドファーザーPARTⅢ』、5日『トップガン』、6日『サウンド・オブ・ミュージック』、7日『タイタニック』。

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