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『イーグル・アイ』原点回帰の予告編戦略が奏功

2008/10/14
『イーグル・アイ』(C) 2008 DREAMWORKS LLC. All Rights Reserved.
『イーグル・アイ』(C) 2008 DREAMWORKS LLC. All Rights Reserved.
 2008年の日本における映画興行は、昨年から一転、日本映画が外国映画を上回る気配が濃厚。劣勢に立つ外国映画の中にあって、角川映画、角川エンタテインメント共同配給の『イーグル・アイ』で行われている予告編を主体にした宣伝プランが、効果的な打開策として注目を集めている。

 宣伝を手がける角川エンタは、6月から劇場およびウェブ媒体、劇場のサイトなどで積極的に予告編を見せ込んできた。その結果、前売り券の売り上げが毎週120%ずつの伸びを見せ、先週までに全国で5835枚を記録したという。特に、メイン館の東京・丸の内ピカデリー1では、興行収入20億円を超えた『ハンコック』の391枚を上回る424枚。日米ほぼ同時公開(米9月26日、日本10月18日)、シャイア・ラブーフら主演俳優の来日なしなどのハンデを、補って余りある成果だ。

 これは、「映画ファンというコア層を確実に押さえる」という戦略。無理やりにでも女性層、ファミリー層にそ及させようとする宣伝方針が目立つ昨今の映画界において、あまりない基本に立ち返ったやり方といえる。加えて、製作総指揮のスティーヴン・スピルバーグは、日本人に好まれる監督№1。この調査結果(2位はジョージ・ルーカス、3位は宮崎駿)を生かし、まずはスピルバーグ・ファン、映画ファンを中心に内容の面白さを伝えることに注力した。

 「届けるところを間違えなければお客さんは必ず来る」と角川エンタのドリームワークス劇場宣伝グループ、井原敦哉部長。「日本映画の宣伝では、製作委員会に名を連ねるテレビ局が大量に映画のスポット広告を流します。でも外国映画にはそれがない。大量スポットの効果にきっ抗していくのはとても難しいことなのです」

 そこで考え出したのが、劇場やインターネット・メディアを媒介とした予告編キャンペーンだ。面白さに自信がある作品だからこそできたともいえる。劇場では国内全スクリーンの3分の1強に当たる全国1177スクリーンで流し、特にアクション映画ファンが足を運ぶ『ハンコック』、『アイアンマン』、『ウォンテッド』には必ず上映されるよう粘り強く交渉した。ウェブでは、9月1~30日に大型液晶テレビなどが当たる予告編キャンペーンを実施。視聴回数87万9852と、動画としてはかなり高いアクセス数を稼いだ。

 その成果は顕著で、興収30億円が視野に入った『ウォンテッド』の公開(9月20日)以降は、前週比300%と前売券の売り上げが跳ね上がった。
 
 「最近、興行が厳しいと言われる単館作品でも、きちんとその作品を好む層に届いたものにはちゃんとお客さんが来ています」と井原部長。予告編を見せるというベーシックな宣伝が、『イーグル・アイ』の興行にどのくらい反映されるか注目したい。

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