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北京五輪テーマの短編に世界の巨匠が集結
スピルバーグへは苦言も

2008/02/25
アンドリュー・ラウ
アンドリュー・ラウ
 アンドリュー・ラウ、マジッド・マジディ、ダリル・グッドリッチ監督らが、北京オリンピックを題材とした短編作品の製作への参加を発表。その会見では、アーティスティック・アドバイザーを降板したスティーヴン・スピルバーグへの苦言も飛び出した。

 2月23日(土)に北京で開かれた記者会見の席で、監督たちは、オリンピックの準備期間を短編に収める“Vision Beijing”シリーズの製作を発表した。会見は、政治のなかで芸術が果たす役割や、プロパガンダの要素は何かという議論に発展。そのなかで、香港出身のラウは、スピルバーグを非難する発言をした。

 「スティーヴンが北京オリンピックの仕事から身を引いたと知って、とても驚き、ショックを受けました。オリンピックはスポーツの祭典であり、政治とは何の関係もないことは明らかです」と発言。さらに、オリンピック開催の直前というタイミングでの決断にも、疑問を投げかけた。

北京オリンピックのアーティスティック・アドバイザーを降板したスティーヴン・スピルバーグ
北京オリンピックのアーティスティック・アドバイザーを降板したスティーヴン・スピルバーグ
 8月8~24日まで開催される北京オリンピックの開会式/閉会式でのアーティスティック・アドバイザーを降板する声明を、2月12日に発表したスピルバーグ。その降板理由は、中国政府のスーダンのダルフールに対する政策に異を唱えて、としてした。

 オリンピック側はスピルバーグを名指しで非難することはしなかったものの、オリンピックに政治を持ち込んだとして反発した。

 もともと運動選手であり、2012年に開催されるロンドン・オリンピックのプロモーション映像を手がけるイギリス人監督のグッドリッチは、短編“Belief”を製作。
「作品は、何かのプロパガンダとして見られるべきではない」と話した。

 「人権を尊重することは、自分が世界のどこにいようと重要です。これについては議論の余地はない。私は、スポーツ、子ども、そしてオリンピックを祝うことをテーマにした映画を撮るようオファーを受けました。それが私の仕事であり、北京に来た理由です。充実した時間を過ごしています。これをプロパガンダ作品かと思うか? 答えは“ノー”です。若い世代からもっと上の世代まで、彼らが持つ情熱を描くため、街に出て声を集めました」。

 スピルバーグの降板は、北京オリンピックにとって爆弾となった。国際世論の目を、中国がダルフールに取る政策、国内メディアの規制、人権の規制、そしてチベットやシンチアン自治区の政策に向けたのだ。北京は自国政策を擁護しており、スピルバーグに対しては「隠れた意図を持っていた」と言い、政治とスポーツは切り離されるべきとしている。

 土曜日に集まった監督たちのなかからも、似たようなメッセージが飛び出した。

「芸術は政治と切り離されるべきだと信じています。それどころか、芸術はこのようなことがあるから、攻撃されるのです」と話したのはイラン出身のマジディ監督。彼の98年の作品『運動靴と赤い金魚』は、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。

 イタリアのジュゼッペ・トルナトーレ監督と、フランスのパトリス・ルコント監督も、“Vision Beijing”で短編を撮るメンバー。これらの作品は、中国のCCTV-2にて放送されるほか、イタリア、フランス、そしてイランなどでもポッドキャストで配信される予定。Sohu.comでも鑑賞できる。

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