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米テレビで拡大化の風潮、視聴者はどこまで見る?
(その2:業界からの賛否の声と視聴率)

2007/10/22
ワールドツアー中のNBC「HEROES/ヒーローズ」。ニューヨークでのフォトセッション
ワールドツアー中のNBC「HEROES/ヒーローズ」。ニューヨークでのフォトセッション
“The Office”の場合、番組拡大の案は自然に育った。番組のエピソードは毎回8分から10分長くでき、その分の素材が面白い。そこでNBCは番組の製作総指揮を務めるグレッグ・ダニエルズに話をもちかけ、番組の放送時間拡大を定着化させないかと提案した。

“The Office”視聴者はNBCの期待に応えた。激戦区の木曜夜に放送されたにも関わらず、視聴率は17%上昇。昨年の同じ時間帯(“Scrubs”と“30 Rock”を放送していた)に比べても増加している。

 しかし“The Office”のプロデューサーにとって、拡大版放送は課題を残すものともなった。通常なら30分番組のところを、その倍の1時間に延長して4週間放送したため、“The Office”の製作はプロデューサーたちが望むほど進んでいないのだ。
「拡大版が終わってホッとしてるよ」と“The Office”関係者は言う。「あれを作るのは、骨の折れる仕事だったから」。

 また、“The Office”が現在の米テレビ界を代表する最も面白い番組の一つではあるにせよ、なかには拡大版は失敗だったと批判する声もある。
「どう考えても、“The Office”は30分番組だった方が成功していた」と書いたのは、テレビ批評家のアラン・セピンウォール氏。「この番組のストーリーは、意図的に小さなサイズに収まるようにできている。それを上手く引き伸ばすことはできなかったようだ」。

 視聴率は上がったが、同時に視聴者が疲れてきている兆候も見える。番組が1時間になったことを知らなかったのか、または30分でもう十分見たという気になったのか、“The Office”の視聴率は後半30分で下降しているのだ。

 一方、Foxの番組構成プレストン・ベックマン上級副社長は、NBCの“The Office”の戦略に賛意の声を上げる。
「『CSI:科学捜査班』と『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』が裏番組では、至極当然な方法だ。“The Office”を最初の数週間だけ1時間番組に拡大するのは、視聴者を掴むのに最適なやり方だよ」。

 CBSのスケジュール担当ケリー・カール氏も、短期間だけ人気番組の拡大版を作るのはよいアイデアだと賛成する。
「放送枠の穴を埋める良法は、すでに有名な番組を入れること。だけどそれを継続的にやってしまうと、番組の魅力を損なってしまう恐れがある。長期間やるのにはリスクが大きい」。

 マンゼ氏ですら、人気番組を視聴者に与えすぎると、飽きられるという可能性を認める。
「それが“The Office”拡大版を4週間しか放送しなかった理由。NBCの中には、1時間版をフルシーズン流そうという声もあったのですよ」。

 次に拡大版が放送されるのは、NBCの「HEROES/ヒーローズ」。スピンオフ版から、6つのエピソードをシーズン中盤に放送する。

 今年から吹き荒れているスーパーサイズ化の風潮は、実は数年前から始まったリアリティ番組の拡大化が発端となっている。“Survivor’s”の最終回をオールナイトで放送したり、Foxが「アメリカン・アイドル」の拡大版を放送するようになってから、その波が広がった。

 最後にベックマン氏は言う。「『~アイドル』にしろ“Biggest Loser”や“The Office”にしろ、人気番組を1時間や30分延長したら、人はちゃんと見るものなのさ」。

その1:放送時間を拡大する番組が増える背景」はこちらへ。

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