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スペシャルインタビュー in Cannes
中国、チベット、チェチェン、イラク
ジョリーが語る「今6人の母として見過ごせないこと」1

2008/05/19
 この日、カンヌは薄曇りのやや肌ざむい天気ではあったが、取材の場所として指定されたインターコンチネンタル カンヌ カールトンホテルの周囲は熱気を帯びていた。この熱気はインタビューイーであるアンジェリーナ・ジョリーの注目度から来ていた。どの国の記者にとっても彼女の発言と行動は得難いもの。なぜならアンジェリーナはオピニオン・リーダーとして、それぞれの国で大きな影響力を持つからだ。

 今回の出演作『カンフー・パンダ』は、平和を取り戻すためひょんなことからカンフー・マスターとなっていく大食漢のぐうたらパンダを主人公にしたアニメーション・コメディ。彼女はこの作品に同じくカンフーの達人を目指すメスのトラ、タイガー役で声の出演を果たしている。アニメーションの取材で記者たちがここまで盛り上がることはめったにない。これは異例なのだ。

いつも報道陣に取り囲まれているアンジェリーナ
いつも報道陣に取り囲まれているアンジェリーナ
今年は、『マイティ・ハート 愛と絆』で来た昨年と異なり、大きなお腹を抱えて階段を上るのは大変ではないですか?

(笑)。ドリームワークスとカンヌに来るのはいつでも楽しいです。最初に、カンヌに来たのも、(ドリームワークスの)『シャーク・テイル』で。あのときもジャック・ブラックと一緒でした(笑)。カンヌは名誉ある祭典で、親密な雰囲気の中にコンペティションがあって、それがみんなの目的地でもある。お楽しみもあるし、ここに来るのはいつでも嬉しいことです。


 と、まずは前日、公になった双子を妊娠中だと話題に触れた質問が飛び出す。


あなたにとって、ヨーロッパの魅力は?



 続いて、記者たちの間で、アンジェリーナからいかに地元と密着した話題を引き出せるかという戦いがはじまった。


ヨーロッパは大好きです。イギリスに数年住んでいたし、今は、フランスで過ごすこともあります。我が家の第2外国語はフランス語なので、こうしてフランスにいられるのは嬉しいですね。私たちの子どもたちは世界各地で生まれていて、世界中を旅するのが好きなので、いつでも動きやすい場所にいることが重要なのです。アフリカに近く、ヨーロッパのいろいろな国にもアクセスがあるという場所にいるようにしています。


 アンジェリーナは、母親としてはかなり教育熱心だと言える。子どもたちは第2外国語だけでなく、それぞれの母国(カンボジア、エチオピア、ベトナム)の言葉も学んでおり、家のなかでは英語、フランス語をはじめとするさまざまな言語が飛び交っているという。

レッドカーペットにジャック・ブラックとともに登場
レッドカーペットにジャック・ブラックとともに登場
フランスはセレブリティとしては過ごしやすい場所ですか?


今は妊娠しているので少し状況が違いますが、前回、パリに行ったときには、子どもを公園に連れて行きたいので1日だけそっとしておいて欲しいとお願いしたら、皆、応じてくれました。おかげでロサンゼルスでは味わえない楽しい時間を過ごすことができました。

メディアに取り上げられるあなたのイメージは、時とともに大きく変わっていますが、10年前の自分といまを比べてどうですか?

 
“時とともに変わる”というのは、この特集でも明示しているモチーフ。その行動とともに、大胆な変化も彼女の魅力なのだと誰しもが思っている。そうさせた根源を探りたいと考える当然の質問だ。


誰でも、21歳の頃の写真を見れば笑ってしまうものでしょう?  でも私は私なのです。年をとる過程で少しワイルドになったり、ダークになったり、おだやかになることもありましたが、いまは自分で決断することが増え、また冒険もするようになりました。それでも写真に映る10年前の自分も、いまの私もやはり私なのです。

 
確かにいまのアンジェリーナの表情はこれまでになくおだやかだ。やがて6人になる子どもの母としての思考がこの表情を作るのだろう。だが彼女は保守に走るのではなく、家族がいるからこそもっと大胆になれるという。

ダスティン・ホフマン、ジャック・ブラックとともにカンフーレッスン
ダスティン・ホフマン、ジャック・ブラックとともにカンフーレッスン
『ウォンテッド(原題)』で、『ナイト・ウォッチ』などのロシアのヒットメイカー、ティムール・ベクマンベトフ監督と仕事をした感想は?

あの作品に参加しようと思ったのは、アクション映画をやりたかったから。長い闘病のすえに母親を亡くしたり、妊娠したり、いろいろなことがあったから、そろそろジムに戻って、激しく肉体改造に打ち込む時期かしらって(笑)。(気分転換が必要な)世の女性たちにもすすめたいわ(笑)。ベクマンベトフ監督の作品には、今まで私が出演してきたアクション映画とは違う感性やオリジナリティ、クリエイティビティがあります。相性も抜群でした。

次ページでは中国、チベット、チェチェンなどについての衝撃発言も>>


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