●監督・VFX・脚本:山崎貴 エグゼクティブプロデューサー:阿部秀司、奥田誠治 原作:西岸良平 脚本:古沢良太
●出演:吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、もたいまさこ、三浦友和、薬師丸ひろ子●配給:東宝
●2007年11月3日より全国東宝系にて日本公開
(C) 2007「ALWAYS 続・三丁目の夕日」製作委員会
●出演:吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、もたいまさこ、三浦友和、薬師丸ひろ子●配給:東宝
●2007年11月3日より全国東宝系にて日本公開
(C) 2007「ALWAYS 続・三丁目の夕日」製作委員会
この時代に芽生えた暗い影への
目配せが見て取れる続編
前作が公開された時、批評家からは、昭和30年代はそんなに素晴らしい時代ではないという違和感が多く表明された。この指摘は重要である。実際、当時の日本は天国ではなかった。凶悪犯罪だって頻発していたし、公害病や薬害がはるかに身近に存在していた。
今回の続編にはこの時代に芽生えた暗い影への目配せがあちこちに見て取れる。日本橋の上を高速道路が塞ぐ計画が語られたり、街に更地が出来て工事が始まっていたり……。三丁目の住人たちには明るい未来への第一歩としか見えていないが、半世紀後に生きる私たちは、それが暗い影であることを知っており、妙に心をざわつかされる。
今回の続編にはこの時代に芽生えた暗い影への目配せがあちこちに見て取れる。日本橋の上を高速道路が塞ぐ計画が語られたり、街に更地が出来て工事が始まっていたり……。三丁目の住人たちには明るい未来への第一歩としか見えていないが、半世紀後に生きる私たちは、それが暗い影であることを知っており、妙に心をざわつかされる。
川渕康成を通して現代人の目線での
昭和30年代をリアルに見せた
現代につながる暗い影を強くアピールするのが小日向文世演じる川渕康成だ。
成功者たる川渕は、離れて暮らす我が子(須賀健太)を取り返すため、彼を育てる貧乏作家の茶川竜之介(吉岡秀隆)の家にやって来る。「金より大事なものがある」と抵抗する茶川に対し、彼は自信をもって言い放つ。「これからこの国は変わるぞ」と。
暢気な三丁目の住人たちは気づいていないが、あの頃すでに日本人の価値観が徐々に舵を切りつつあった。金より大事なものがあるという共同幻想にひびが入り、人生のすべてが金銭で測れるという、現代を支配する価値観が剥き出しになり始めていた。その中で、三丁目の住人たちが金の前で無力になる苦いエピソードも描かれたりする。
賢明な川渕はその潮流を見抜いていた。もしかすると彼は、現代人が昭和30年代にタイムスリップした姿だったのかもしれない。
成功者たる川渕は、離れて暮らす我が子(須賀健太)を取り返すため、彼を育てる貧乏作家の茶川竜之介(吉岡秀隆)の家にやって来る。「金より大事なものがある」と抵抗する茶川に対し、彼は自信をもって言い放つ。「これからこの国は変わるぞ」と。
暢気な三丁目の住人たちは気づいていないが、あの頃すでに日本人の価値観が徐々に舵を切りつつあった。金より大事なものがあるという共同幻想にひびが入り、人生のすべてが金銭で測れるという、現代を支配する価値観が剥き出しになり始めていた。その中で、三丁目の住人たちが金の前で無力になる苦いエピソードも描かれたりする。
賢明な川渕はその潮流を見抜いていた。もしかすると彼は、現代人が昭和30年代にタイムスリップした姿だったのかもしれない。
現実はこうはいかない。
願望だな。実に甘い
そんな川渕の最大の見せ場は、三丁目の住人たちの前で、茶川の小説「踊り子」を読まされた時に訪れる。この涙ものの私小説が純文学の芥川賞を取るわけもないのだが、それはともかく、川渕は、ハッピーエンドのこの小説を「現実はこうはいかない。願望だな。実に甘い」と切り捨てる。しかし、茶川はこの後、現実の人生でもハッピーエンドを獲得することになるのだ。
小説「踊り子」と相似形をなす
映画『ALWAYS 続・三丁目の夕日』
ここでの「踊り子」は、はっきりと『ALWAYS』という映画の相似形として扱われている。ということは「踊り子」を「甘い」と言う川渕は、『ALWAYS』を「甘い」と評する現代人の相似形である。川渕が去り際に「金より大事なものか……」と言う時の表情が今も頭を離れない。それは、映画館を後にする観客のつぶやきと相似形なのだ。










































