ヘッダーの始まり

グローバルナビゲーションの始まり
ホームニュース特集インタビュー動画コラムレビュー(選択中)ランキングフォトギャラリーピックアップ
最新映画情報V ブログ教えて!エンタ業界転職情報フロムジャパンV プラスメールマガジンプレゼント映画データベース
パンくず式ナビゲーション

親しみやすいが独創性に欠ける単純なストーリー

トッド・マッカーシー
2008/02/12

●製作:ジェリー・サインフェルド、クリスティーナ・スタインバーグ 共同製作:マーク・スウィフト 監督:サイモン・J・スミススティーヴ・ヒックナー 脚本:ジェリー・サインフェルド、スパイク・フェレステン、バリー・マーダー、アンディ・ロビン
●(英語版声の)出演:ジェリー・サインフェルドレニー・ゼルウィガー、マシュー・ブロデリック、ジョン・グッドマン、パトリック・ウォーバートン、クリス・ロック、キャシー・ベイツ、バリー・レヴィンソン、ラリー・キング、レイ・リオッタ、スティング、オプラ・ウィンフリー、ラリー・ミラー、ミーガン・ムラリー、リップ・トーン、マイケル・リチャーズ、マリオ・ジョイナー
●2007年/アメリカ/90分/2008年1月26日(土)丸の内プラゼールほか全国にて日本公開
●配給:アスミック・エース/角川エンタテインメント

 『ビー・ムービー』では才能ある人たちが製作に参加しているが、単純なストーリーは意外性にも独創性にも欠け、親しみやすいがそれだけの作品になっている。本作の脚本を書いてプロデューサーと声の出演も務めたジェリー・サインフェルドは、アニメーションの企画を長い間、探していたが、慣習を破って人間との関係を無理やり築き上げたものの芳しくない結果を招いてしまう、独立心旺盛な蜂を主人公にした話で、風変わりな発想と軽い冗談を披露しただけに留まっている。米での公開の際には、サインフェルドの知名度と、パラマウントとドリームワークス・アニメーションの宣伝キャンペーン、そしてメジャー映画の持つ無難さで、大ヒットにならなくても好成績を挙げることにはなるだろう。

 サインフェルドの特徴的なひねりの利いたユーモアは、この蜂と人間の交流物語に独特の個性を加えているが、その個性は、同じドリームワークス製作の『シャーク・テイル』や『シュレック』の続編2作ほど粗野でなく観客に迎合しようとしていない。穏やかで上品であることが魅力に欠けているというわけではないが、この作品の主要な要素には陳腐な面があることも手伝って、そのような特色は同時に全体的な退屈さを助長させるのに一役かっているのである。

外の世界に夢を馳せる新卒の青年ハチ

 一連のオープニングの場面では、厳格に管理された共同体の描写と、我が道を往こうとする若者にフォーカスを当てているあたりが、ドリームワークスのアニメーション第1作『アンツ』を想起させる。「僕たちは、地球上で最も完璧に機能している共同体だ」と主張するのは、バリー(声:サインフェルド)の親友アダム(声:マシュー・ブロデリック)。彼らは学校を卒業し、蜂蜜製造複合企業Honexで一生の職に就かされるところである。映画では蜂の共同体が1つの大きな遊び場のように魅力的に描かれているにもかかわらず、バリーは、蜂の巣から出ることを唯一許されているマッチョな飛行隊“花粉操縦隊”の仲間入りをしようとこっそり抜け出す。

 飛行隊がセントラル・パークやマンハッタンを飛ぶシーンは、この作品の中で最も活力あふれる冒険的な映像が楽しめるひとときである。最初は、体格の良い黄色と黒のパイロットたちが街中を飛び回るところを見てワクワクしているバリーだが、人間たちがテニスをしているところに巻き込まれて危険な目に遭った後、アパートの中に入り込んでしまう。そこで、親切な花屋のヴァネッサ(レニー・ゼルウィガー)が、バリーが叩かれて殺されそうになるところを、コップの中に入れて外に逃がそうとしてくれる。

ハチと人間との“禁断の恋”?

 蜂の世界の戒律では人間に話しかけることは厳しく禁じられているにもかかわらず、バリーはヴァネッサに非常に感謝するあまり彼女に話しかけてしまう。残念なことに、この重要なシーンで、ヴァネッサの身振りや顔の表情は、非常に大げさで不快に感じられるほど機械的なかたちでアニメーション化されているため、観客が彼女を受け入れる気持ちになるには時間がかかってしまうのである。ヴァネッサは、バリーの心を温めてくれる(もし蜂にそのような“心”があるとすればだが)ような、親身になってくれる性格を持つ人物なのではあるが。

 働き蜂の両親(キャシー・ベイツ、バリー・レヴィンソン)に“ある女性と出会った”ことを打ち明けるバリーに、彼の母親が“彼女はbeeishなの?”と聞くと、バリーは“彼女はwaspじゃないよ”と答える。[訳注:beeish は“蜂っぽい”という意味だが、Jewish(=ユダヤ人)に語感が似ている。waspはアシナガバチやスズメバチなどの狩蜂のことだが、WASP(=White, Anglo-Saxon, Protestant:アングロサクソン系新教徒の白人)にかけている。サインフェルドはユダヤ人だが、典型的なユダヤ人の母親は息子に恋人が出来たと知ると「彼女はユダヤ人なの?」と聞くというステレオタイプな会話を基にしたジョーク] そのようなジョークが続く一方、脚本(サインフェルドと、「となりのサインフェルド」のライターだったスパイク・フェレステンとアンディ・ロビン、“Letter From a Nut”シリーズの著者であるバリー・マーダーが執筆)は、『卒業』との類似性を見せていく。特に、それは『卒業』での有名なスイミングプールのシーンのオマージュで明白になる。バリーは、自分の人生で何をやりたいか、いまだに決められない。そこで彼は、完璧に現代的な論理に従うことにする。すなわち、疑わしくは訴えるべし、である。

権利を主張し、マスコミを利用する、現代バチ

 それで、バリーは誰を訴えるか?もちろん、バリーの仲間の蜂たちが自分たちのためになることだと思って精を出して作ってきた蜂蜜を“盗んだ”かどで、人類全体を訴えるのである。裁判は大いに喧伝され、人間や蜂たちにとって予測していなかった結果を引き起こす判決をもって終わる。しかし最終的には、それによって、人間と蜂たちの間によりよい理解が生まれるための決着がつくことになる。

 これは、間抜けで頼りないコンセプトで、感情がこもっておらず、正義感に満ちているわけでもない。同時に、この作品では、例えば去年の夏の『レミーのおいしいレストラン』のように、人間と動物との間に重要な相互依存関係を持たせているわけでもない。監督のサイモン・J・スミス(“Shrek 4-D”)とスティーヴ・ヒックナー(『プリンス・オブ・エジプト』)は、物語を快く進めていく。映像は明るくて刺激的な色で満ちているが、優れたコンピューター・アニメーションが備えている、込み入った細部や顔の表情の微妙な陰影に欠けている。例えば、『アンツ』と『モンスターズ・インク』は両方とも、登場するキャラクターたちが住むための隠れた世界をはるかに用意周到に準備して提供していた。

 トップクラスのタレントをずらりと揃えた声の出演は楽しく仕上がっており、音楽も活気を与えている。

BOOKMARK Yahoo!ブックマークに登録 livedoorクリップに登録 Buzzurlにブックマーク はてなブックマークに登録   E-MAILメールで送る   PRINT印刷する


パンくず式ナビゲーション
広告エリアの始まり

フッターナビゲーションの始まり
フッターの始まり