●製作:ロバート・バーンスタイン、ダグラス・レイ、バリー・M・オズボーン、チャーリー・ライオンズ 製作総指揮:チャールズ・ニューワース、ジェイ・ラッセル 監督:ジェイ・ラッセル 脚色:ロバート・ネルソン・ジェイコブス(原作:ディック・キング=スミス「おふろのなかからモンスター」)
●出演:エミリー・ワトソン、アレックス・エテル、ベン・チャップリン、デイヴィッド・モリッシー、プリヤンカ・シー、マーシャル・ナイピア、ジョエル・トベック、エロール・シャンド、ブライアン・コックス
●2007年/アメリカ/イギリス/111分/2月1日(金)より日本公開
●配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
●出演:エミリー・ワトソン、アレックス・エテル、ベン・チャップリン、デイヴィッド・モリッシー、プリヤンカ・シー、マーシャル・ナイピア、ジョエル・トベック、エロール・シャンド、ブライアン・コックス
●2007年/アメリカ/イギリス/111分/2月1日(金)より日本公開
●配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
ネス湖の怪獣の伝説を魅力ある映画にした『ウォーター・ホース』は、特徴ある時代設定と舞台設定(第二次大戦時のスコットランド)や瑞々しい映像、そして出演者たちの熱い演技(最初は可愛らしいが最後には恐ろしい存在になるCG製のクリーチャーも含む)から恩恵を受けている。この作品は、話の筋がすぐ読めてしまう成長物語的なところがあるものの、感動的で丁寧な冒険物に仕上がっており、『E.T.』やキャロル・バラード監督作品のファンたちにはうけるはずである。もっとも、バラードの作品は、このジャンルにおいては上質であることが必ずしもヒットにつながるわけではないということを証明済みではあるが。
原作は、1930年代を舞台に、次第に世話が大変になっていく海の怪獣を育てることにした一家について書かれたディック・キング=スミス著の短篇だが、脚色したロバート・ネルソン・ジェイコブス(『シッピング・ニュース』、『ショコラ』)は、主人公を孤独で感情的に不安定な少年にすると同時に、物語の舞台も戦争で荒廃した40年代に変えることによって、伝統的スタイルのドラマを作り上げた。
原作は、1930年代を舞台に、次第に世話が大変になっていく海の怪獣を育てることにした一家について書かれたディック・キング=スミス著の短篇だが、脚色したロバート・ネルソン・ジェイコブス(『シッピング・ニュース』、『ショコラ』)は、主人公を孤独で感情的に不安定な少年にすると同時に、物語の舞台も戦争で荒廃した40年代に変えることによって、伝統的スタイルのドラマを作り上げた。
美しいネス湖を舞台に、少年と恐竜が出会う
ネス湖として知られる大きな湖があるスコットランドの地方で、アンガス・マクマロウ(『ミリオンズ』のアレックス・エテル)は、ある朝、石のように硬い外皮で覆われた卵の様な物体が湖の岸辺に打ち上げられているのを見つける。アンガスは、家政婦をしている母のアン(素晴らしい演技を見せるエミリー・ワトソン)と姉のカースティ(プリヤンカ・シー)と共に住む広大な屋敷にそれを持ち帰る。その卵から恐竜の赤ちゃんのような紫がかったクリーチャーが孵化し、アンガスはすぐに、この騒々しい小さな動物を秘密裡に飼うことを決心する。
アンガスがクルーソーと名づけたぬるぬるとした捨て子の生き物は、馬のような突き出た鼻と水かきの付いた足、シュレックのような耳を持ち、水に対して特に興味を示す(実は犬や鷲やキリンの特徴も兼ね備えているらしい)。驚くべき量のエサを食べ、驚くべき速さで育っていくその生き物は、すぐに浴槽に住むには大きくなり過ぎ、アンガスの厳格な母に見つかる恐れが出てくる。
問題をさらに複雑にしているのは、ドイツ軍の潜水艦がネス湖を通過するというかなりいんちきな口実で屋敷に駐屯している英国軍兵士たちの存在である。アンが、颯爽としているが独善的なハミルトン大尉(デイヴィッド・モリッシー)に色目を使っている一方で、物語にはハンサムな酒飲みの雑用係のルイス・モーブリー(ベン・チャップリン)が登場する。ルイスはアンガスやカースティと仲良くなって、クルーソーの秘密を守る手助けをするが、実は、ハミルトン大尉さえも凌ぐような軍歴の持ち主だということが明らかになる。彼は、もしヒトラーを単独で打ち負かしていても好感度はもうそれ以上は上がらないぐらい、総じて好感の持てる人物として描かれている。
アンガスがクルーソーと名づけたぬるぬるとした捨て子の生き物は、馬のような突き出た鼻と水かきの付いた足、シュレックのような耳を持ち、水に対して特に興味を示す(実は犬や鷲やキリンの特徴も兼ね備えているらしい)。驚くべき量のエサを食べ、驚くべき速さで育っていくその生き物は、すぐに浴槽に住むには大きくなり過ぎ、アンガスの厳格な母に見つかる恐れが出てくる。
問題をさらに複雑にしているのは、ドイツ軍の潜水艦がネス湖を通過するというかなりいんちきな口実で屋敷に駐屯している英国軍兵士たちの存在である。アンが、颯爽としているが独善的なハミルトン大尉(デイヴィッド・モリッシー)に色目を使っている一方で、物語にはハンサムな酒飲みの雑用係のルイス・モーブリー(ベン・チャップリン)が登場する。ルイスはアンガスやカースティと仲良くなって、クルーソーの秘密を守る手助けをするが、実は、ハミルトン大尉さえも凌ぐような軍歴の持ち主だということが明らかになる。彼は、もしヒトラーを単独で打ち負かしていても好感度はもうそれ以上は上がらないぐらい、総じて好感の持てる人物として描かれている。
平凡な素材が繊細なタッチで描かれる
露骨な設定にもかかわらず、また、前線に赴いたまま二度と帰って来ることのなかった自分の父親(回想シーンではクレイグ・ホールによって演じられている)についてのアンガスの思い出が感傷的になり過ぎる可能性もあったにもかかわらず、『ウォーター・ホース』は、決して過剰に哀愁感を漂わすことは無い。監督のジェイ・ラッセル(『エバーラスティング 時をさまようタック』や『マイ・ドッグ・スキップ』といった家族向け映画も監督している)は、平凡な素材を繊細なタッチで表現すると同時に、物語のどたばた喜劇的な可能性(例えば、兵士の連れている犬が敷地内に他の動物が居ることを悟るシーン)をやり過ぎることなく引き出している。
生き物が小さなペットからすぐに巨獣になり、ネス湖に移さなければならなくなるに連れて、映画は快活なタッチのコメディから痛ましい話へと変わっていくので、特に小さな子供たちには怖く感じられるかもしれない。アンガスが、クルーソーを英国軍の攻撃から守ろうと奮闘する様子が描かれていることから、この映画は、第二次大戦に直接関わっていない者たちさえ、不満を抱え、危険にも晒されているということを静かにとらえていると言える。特に、正気を保とうとするシングルマザーとしての、心に深く染入るようなワトソンの演技には、それがよく顕れている。
生き物が小さなペットからすぐに巨獣になり、ネス湖に移さなければならなくなるに連れて、映画は快活なタッチのコメディから痛ましい話へと変わっていくので、特に小さな子供たちには怖く感じられるかもしれない。アンガスが、クルーソーを英国軍の攻撃から守ろうと奮闘する様子が描かれていることから、この映画は、第二次大戦に直接関わっていない者たちさえ、不満を抱え、危険にも晒されているということを静かにとらえていると言える。特に、正気を保とうとするシングルマザーとしての、心に深く染入るようなワトソンの演技には、それがよく顕れている。
視覚効果であることは頭から離れず——しかし、感動的な絆を作り出すには十分なCG
活き活きと描写されているクルーソーは、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作や、本作と同じくウォルデン・メディア製作の『ナルニア国物語』シリーズでも視覚効果を担当したヴェタ・デジタルのアーティストたちによって作られたもの。特に、次第に変態していく描写に細心の注意が払われている。しかし観客たちは、とてつもなく大きなスペシャル・エフェクトを観ているのだということを決して忘れることはできない。とは言え、少年と怪獣との間の感動的で極めて重要な絆を創り出すのに十分なところには到達している。現在の時制にて愛情を込めてナレーター役を務めるブライアン・コックスなど、脇を固める俳優たちの力量も確かである。
撮影監督オリヴァー・ステイプルトンによる圧倒的なワイドスクリーンの構図は、スコットランドの観光産業を活性化させるぐらい見事である(実際は、ニュージーランドのロケーションが広範囲にわたって代用されたのではあるが)。一方、大波がうねるようなジェームズ・ニュートン・ハワードの音楽は、バグパイプやケルト風の倍音を少しばかり多用し過ぎた感がある(ハワードは、2007年の『フィクサー』ではもっと繊細な仕事をしている)。
撮影監督オリヴァー・ステイプルトンによる圧倒的なワイドスクリーンの構図は、スコットランドの観光産業を活性化させるぐらい見事である(実際は、ニュージーランドのロケーションが広範囲にわたって代用されたのではあるが)。一方、大波がうねるようなジェームズ・ニュートン・ハワードの音楽は、バグパイプやケルト風の倍音を少しばかり多用し過ぎた感がある(ハワードは、2007年の『フィクサー』ではもっと繊細な仕事をしている)。









































